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公開研究会「科学技術のELSIをめぐる最近の展開」

2023年3月15日、神戸大学倫理創成プロジェクトは、神戸大学大学院人文学研究科にて、公開研究会「科学技術のELSIをめぐる最近の展開」を開催しました。

人文学研究科の茶谷直人教授と新川拓哉講師による挨拶及び趣旨説明の後、3名により科学技術のELSI(倫理的・法的・社会的課題)をめぐる報告がなされました。

澤井努氏(広島大学)による「ヒト脳オルガノイド研究の倫理的・法的・社会的課題」では、iPS細胞やES細胞などを用いて作製されるヒトの三次元組織であるヒト脳オルガノイドをめぐる研究の現状と課題を確認した後、ヒト脳オルガノイド研究が提起する倫理的・法的・社会的課題を概観し、そのうえで当該研究の倫理議論、および政策議論に向けた今後の方向性が示されました。

日比野愛子氏(弘前大学)による「細胞農業技術のELSI/RRI研究プロジェクトの紹介」では、近年開発が進む家畜や魚などから採取した細胞をもとに細胞を増やして食品をつくりだす細胞農業技術に関して、ELSI及び「責任ある研究とイノベーション」(RRI)の側面から日比野氏が取り組む研究実勢の内容が紹介され、それとともに、ELSI/RRI領域において人文・社会科学者がどのような役割を果たしうるのかについての議論も展開されました。

大屋雄裕氏(慶応大学)による「メタバースの規範的意義」では、近年注目が集まるオンライン上の3D仮想空間メタバースの利用について2つの可能性(①ヴァーチャルオフィスのように現実と同じ人間関係をオンラインで実現するもの、②Vtuberやオンラインゲームのように現実とは違う自分としての人間関係を実現するもの/原発事故のシミュレーションのように実際に実現しようとすると大きなコストが必要な状況を現実と切り離して実現しようとするもの)を指摘し、その二つの可能性の小運動を避け、その違いを踏まえて将来的な利用可能性を議論していく必要があるとの議論が展開されました。

会場に集まった研究者、教員、学生らからは報告に対する活発な質問がなされ、議論は盛況のうちに幕を閉じました。

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