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講演会「新しいものには巻かれろ――古典籍の領域横断的活用のいまとこれから」

2022年10月16日(日)、神戸大学人文学研究科人文学推進インスティテュートが主催する講演会「新しいものには巻かれろ――古典籍の領域横断的活用のいまとこれから」が対面形式で開催されました

神戸大学人文学研究科が連携する人間文化研究機構国文学研究資料館(以下、国文研)から、先進的な取り組みに携わる二名の講師を迎えし、領域横断的な古典籍の活用事例について具体的にお話しいただきました。

まず、入口敦志氏の講演「モノとしての本―マテリアル分析の意義―」では、書籍そのものの分析に対する蓄積を持つ書誌学研究が自然科学系解析技術を有する研究者コミュニティと共同研究を行うことで新たに研究領域を開拓できる可能性が、古典籍の材料に含まれる髪毛の科学分析を通じて書物の出版地や流通範囲、当時の人々の食生活のあり方などを特定するプロジェクトの紹介を通じて提示されました。

続く木越俊介氏の講演「古典籍デジタル画像をつかったワークショップモデル~漆と紙と「ないじぇる」と~」では、国文研の内部組織であり、研究者とクリエーターのコレボレーションを通じて古典籍の魅力の探求や新たな文化価値の創出に取り組んでいる「ないじぇる芸術共創ラボ」の活動が、漆塗り工芸家渋谷聡氏との協力で実現した古典籍の挿絵を用いた漆塗封筒作成ワークショップやアニメーション映画監督の片渕須直氏との対話イベントなど、様々な形で紹介されました。

その後、講演者2名に、かつて国文研で「ないじぇる芸術共創ラボ」の立ち上げと運営に関わった本研究科の有澤知世助教を交えたトークセッションが実施され、ラボ立ち上げから現在までの経緯や国文学の研究成果を公共に開いていくという活動の意義について語られたのみならず、ラボ運営の苦労話や「ここだけの話」など、対面開催ならではのトークが披露されました。最後の質疑応答も国文学研究者にとどまらず、学部生や留学生、分野外研究者など、様々な立場からの発言があり、大きな盛り上がりを見せました。

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