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文学 国文学専修

千三百年に亙る日本語の沃土千里を拓き、日本文学の豊饒の海万里を航く。

国文学とは

国文学専修は、国文学、国文学近代、国語学の3分野からなり、古代から近現代にいたる各時代の日本語・日本文学についての研究を行うところです。人は言葉によって思考し、あらゆる思想や、人生観や、喜怒哀楽などを文学に投影してきました。日本語・日本文学の歴史と現在を学ぶことは、日本人の精神がこれまで辿ってきた道と現在のあり方、そしてこれから進むべき行く先を追究することに他なりません。そのことを通して、自分の立つ位置について確かな目を持つことは、私たちに、揺るがぬ自信と判断力を与えてくれます。

また、日本語・日本文学の研究は今や日本だけのものではありません。国文学専修は、東アジア諸国、英、米、東欧など、様々な国から多くの留学生を受け入れています。国文学専修で学ぶことは、それぞれ異なる文化的背景を持ちながら、日本人の思想や文学に強い関心を持つ留学生と交流する日々でもあります。彼らは、私たち日本人が実はいかに日本を知らないか、ということに気づかせてくれるとともに、異なる立場から日本文化を見つめる視点も教えてくれます。国文学専修は、世界に開かれた目を持ち、世界に向けて日本文化を発信できる国際人を育てる場でもあるのです。

授業では

国文学専修には国文学3名、国語学1名、計4名の教員がおり、各教員とも特殊講義と演習の2種類の授業を担当しています。特殊講義では、各分野での最先端のトピックや各教員の研究内容などについて、時に学生との議論も交えながら講じます。演習は、ある作品や研究論文について学生が研究報告をし、その後、教員の助言のもと、学生同士で討論するという形が一般的です。それを通じて、互いに調査や論理構築などの研究能力を研鑽します。例えば、2021年度前期の演習課題は、「日本中世文学講読」「上方読本を読む(雨月物語)」「紅葉・鏡花を読む」「「頻出古文単語」の国語学的分析」です。

教員の紹介

教員名 専門分野
教 授 樋口 大祐 中世文学。『平家物語』等を対象に、歴史語りのスタイルが複数の視点を持ちうるための仕組みを探求しています。
准教授 石山 裕慈 国語史。日本語の音の歴史を研究しており、その中でも特に日本漢字音史(つまり漢字の「音読み」の歴史)に関心を抱いています。
准教授 梶尾 文武 日本近代文学。昭和期における文学と思想の複合的展開を研究の対象としています。
助 教 有澤 知世 日本近世文学。山東京伝の諸活動を中心に、近世後期の考証と戯作作品を主な研究対象としています。

最近の卒業論文から

  • 「「献灯使」論:多和田葉子と3・11」
  • 「小林多喜二「一九二八年三月十五日」論」

卒業後は

卒業後は、試験を経て大学院人文学研究科博士課程前期課程に進み、より高度な研究を続ける学生と、就職する学生とに分かれます。就職先の業種は、中高の国語科教員、各種公務員、マスコミ(出版社・新聞社等)、金融機関、シンクタンク、運輸、その他さまざまです。大学院に進学した学生は、博士課程前期課程修了後、中高国語科教員、公務員、企業等に就職するほか、一部はさらに博士課程後期課程に進み、研究者、大学教員等になります。

教員からのメッセージ

どんな学問でもそうですが、国語学や国文学の研究には、周囲の動向に動かされず、自分で考え、かつ感じるということが何よりも必要です。よい研究の多くは (一見無関係に見えるとしても)研究者個人の現実生活の中で芽生えた、実存的な要求に基づいているものです。その意味で、「今」をよく考え、よく生きたいと思っている全ての人々を、当専修は歓迎します。

(樋口大祐)

卒業生からのメッセージ

当専修では、古代から近現代までの文学作品や、日本語の歴史や文法を学ぶことができます。自らが関心を持ったことについて問いを立てて研究し、先生方や先輩、学生同士での議論を通じて読みを深めていきます。
私は作品の言葉一つ一つをじっくりと味わい、さまざま資料と照らし合わせて考えた経験が、現在も生きていると感じます。膨大な情報であふれる時代だからこそ、立ち止まって吟味する視点の重要度はますます高まっています。国文学や国語を学ぶことで現代に通じる歴史や思想の原点を覗き、思う存分考えを深めてみてください。

(赤羽佳奈子 2018年3月卒業 信濃毎日新聞記者)

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