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文学 フランス文学専修

フランス語を通して、新しい自分を発見する愉しみ。
フランス語を使って、自由に精神を展開する悦び。

フランス文学とは

フランス文学などというと、どことなく遠い存在のように感じられる諸君がいるかもしれませんが、そんな諸君でも、バルザックやスタンダールやゾラ、それからラシーヌやコルネイユ、そしてボードレールやランボーといった名前なら、どこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。これらの作家たちは、長い間にわたって、わたしたちの精神の形成に大いに役立ってきましたし、今後もわたしたちを導き続けるだろうと思います。その理由は、フランス文学が、その流派や思潮の違いを超えて、どんなときでも「人間」とは何か、「言語」とは何かと真剣に考えてきたからではないでしょうか。神戸大学のフランス文学専修では、特に近現代文学を中心とした講義やゼミの中で、多様な角度から作品にアプローチしようと試みています。こうした試みから、ある作品がこれまでとは違う相貌のもとに現われてくるかもしれませんし、新たな読みの可能性が開けてくるかもしれないからです。フランス文学の面白さは、こうした発見の場に自ら参加し、立ち会えるということにあるといってもいいでしょう。

授業では

授業は大きく二つに分けられます。特殊講義ではフランス文学史や現代批評などを学び、ゼミ形式の演習の方は、いわばそうした知識を基にした実践編で、具体的な作品を扱い、受講生の発表と討論で構成していきます。フランス人教師による会話や作文の授業もあります。特筆すべきは、どの授業も少人数教育で、教師が学生一人ひとりをよく観察し、理解度を確認しながら授業を展開するよう心がけている点です。さらに、学生同士、そして教師と学生諸君との間につねに自由な雰囲気の中で建設的な対話が交わされることも私たちの誇りとする点で、そうした対話を通して、自らの精神を見つめ直し、発展させていくきっかけがつかめるものと確信しています。

教員の紹介

教員名 専門分野
教 授 中畑 寛之 フランス近現代文学。特に、ステファヌ・マラルメを専門とする。エクリチュールと社会・政治・歴史との関わりを研究しています。

最近の卒業論文から

  • 「ジャン・コクトー『恐るべき子供たち ー ポールとエリザベートの子供への回帰」
  • 「エマニュエル・ボーヴ研究 ー『のけ者』における「居心地の悪さ」をめぐって」
  • 「ターハル=ベン・ジェルーン研究 ー『聖なる夜』で描かれる性のあり方」
  • 「ミシェル・ウエルベック研究 ー 黄昏時の資本主義社会におけるノスタルジアを描く」
  • 「マリー・ンディアイ研究」
  • 「カメル・ダーウド『もうひとつの『異邦人』 ムルソー再捜査』研究」

卒業後は

卒業後の進路はさまざまで、どの分野のどういった職種が多いといったことはありません。けれども、ここ数年、公務員志望の学生諸君が増えてきたように思います。在学中に留学し、フランスで得た経験が将来を考えるうえで多いに役立った学生もいるようです。最近では、語学力を生かして高校の先生とか新聞記者、さらには語学学校のスタッフになるケースがありました。また、大学院志望の学生も少なくありません。

教員からのメッセージ

フランス語? フランス文学? 皆さんは今まで考えたこともなかったひとつの道を前にしています。その道がいったいどこに繋がっていくのかはまだ分かりません。ただ、新しい言語を学ぶことはこれまでとは違った思考方法やものの見方を身につけることに他なりません。ですから、人間をさまざまに描き出すフランス文学に親しむことは皆さんを未知の世界へと誘うだけでなく、思いがけない自己を発見する契機になるだろうとは確言できます。まず第一歩を。

(中畑寛之)

卒業生からのメッセージ

「なぜフランス文学を選んだんですか?」 よく聞かれるのですが、自分でも不思議です。特別フランスという国やその言語に惹かれていたわけでもない、ましてやフランス文学なんて読んだこともなかった私が、気づけばパリ留学までしてバリバリの「仏文生」になって卒業したのですから。 きっかけは色々ありますが、なんと言っても先生方、そして講義が面白かったことが決め手でした。 しかも仏文は少人数制ですから、その魅力的な専門家たちに、たくさんいる生徒の一人ではなく個々として向き合って教えてもらえる贅沢っぷり。 気づけばフランス文学の魅力にどっぷりはまっていました。是非軽い気持ちで授業に出てみてください、私の言葉の意味がわかるはずです。

(河内麻実 2016年3月卒業 東京テアトル株式会社勤務)

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