神戸市北区淡河における連携事業

淡河歴史セミナー 淡河本町自治会所蔵史料

 神戸市北区の淡河地区に関して、2003年度から、地元および神戸市との連携事業をおこなっています。淡河地区では近年、淡河城跡の近くに道の駅ができたことで、淡河城をはじめ地域の歴史に対する関心が高まっており、この地域に関わる歴史について考え、またその成果を広く発信していくことを企図して、連携事業をおこなうことになりました。地元と行政、大学が連携することで、これまで広く知られることのなかった史料が「発見」され、そうした史料を活用する試みがなされるなど、三者の連携が成果を上げつつあります。
 現在具体的に進められている事業は下記のとおりです。

淡河歴史セミナー

 淡河の歴史について考えるための企画として、「淡河歴史セミナー」と題する講演会を催しています。これまでのセミナーは下記のとおりです。

2003年7月5日丹治康明氏「淡河本町周辺の史跡」
2004年1月25日小林基伸氏「「有馬氏系図」を考える」
2004年7月16日桑田優氏「豊臣秀吉と北神戸地域―淡河町の成立と発達を中心として―」
2005年2月5日山上雅弘氏「湯ノ山街道と秀吉の播磨支配―城郭遺構と発掘調査の成果から―」
2005年8月6日仁木宏氏「淡河市場・城下町と秀吉の楽市制札」
2006年3月11日永田實氏「農村歌舞伎舞台について」
2006年8月27日坂本亮太氏「中世の石峯寺と周辺の村々」
2007年2月25日山口英正氏「発掘調査から解った竹林寺」
村井正範氏「解体調査から解った竹林寺」
2007年8月26日木村修二氏「江戸時代の久留米藩士淡河来訪記」
2008年2月23日川野憲一氏「中世の輝き―石峯寺伝来の佛教美術―」
2008年11月29日特別企画「フィールドワーク&地図づくり 淡河町の戦国を歩く」
2009年2月22日展示会「発掘!淡河の歴史」

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淡河に関する史料調査

淡河地区はこれまで悉皆的な史料調査がおこなわれたことがないため、所在の確認も含めて、地区内に残された史料の調査をおこなっています。また、淡河地区以外でも、淡河に関連する史料の調査をしています。

(1)下田勉氏蒐集史料
淡河南僧尾の郷土史家であった故・下田勉氏が蒐集された史料の調査をおこないました。近世には大庄屋村上家に伝来していたのではないかと推測される慶長13年(1608)の「淡川中村畠方検地帳」などの史料が含まれています。
(2)辻井家文書
淡河北畑の辻井家文書の調査をおこないました。幕末における明石藩の砲術隊の編成とかかわる史料などがありました。
(3)淡河本町自治会所蔵史料
2004年度の調査で、淡河歳田神社に、羽柴秀吉制札(木札)をはじめ、近世文書および近代の淡河村の行政にかかわる史料が存在していることが確認されました。このうち天正7年(1579)および天正8年の2枚の羽柴秀吉制札は「楽市」文言を持つなど、内容的にも重要な史料であり、関連史料と合わせて、2005年3月に神戸市の文化財として、ついで2006年3月には兵庫県の文化財として指定されました。制札と関連史料の詳細についてはこちらをご覧下さい。また、『ヒストリア』194号(2005年3月)に地域連携研究員の木村修二と村井良介が執筆した「〈史料紹介〉淡河の羽柴秀吉制札」が掲載されました。こちらも合わせてご参照下さい。
(4)村上家文書
近世明石藩の大庄屋を勤め、淡河宿の本陣でもあった村上家の文書は、以前調査がおこなわれていましたが、制札の再発見にともなって再調査をおこないました。
(5)有馬家文書
天正期に淡河城主となった有馬氏は、近世に久留米に転封となっています。現在久留米市立中央図書館に所蔵されている有馬家文書の中に、淡河に関する史料が含まれているため、久留米市立中央図書館に赴き、史料の調査をおこないました。

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道の駅に制札の解説パネルとパンフレットを設置

記念行事の様子 淡河の歴史を広く発信していくために、羽柴秀吉制札の解説パネルとパンフレットを作成し、多くの人が集まる道の駅に設置しました。またパンフレットは淡河地区の各戸に配布しました。
 2005年12月24日(土)には、解説パネルの設置と、パンフレットの一般への配布開始の記念行事をおこないました。記念行事では、淡河町自治協議会の藤本会長、淡河本町の相良区長、神戸大学の市澤助教授、神戸市教育委員会の渡辺主幹が挨拶し、引き続いて地域連携センターの村井研究員がパネルの内容についての解説をおこないました。

パンフレット

パンフレット表
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パンフレット裏
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パネル

パンフレット表
 ▲クリックするとPDFで開きます。
  原寸より縮小しています。

パンフレット裏
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  原寸より縮小しています。

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