小野市との連携事業

小野市立好古館特別展「太閤秀吉と河合郷」

 2006年10月14日(土)から小野市立好古館で特別展「太閤秀吉と河合郷〜小野市河合地区の近世・近代から現代〜」が開催されました。この特別展は、2005年1月26日に小野市と神戸大学が締結した社会文化にかかわる連携事業をすすめるための協定にもとづいて行われた、小野市と神戸大学による共同企画です。
 2006年度は河合地区南部の近世以降の歴史の掘り起こしを、文学部地域連携センターの教員やスタッフにくわえて、本学で学芸員をめざす実習生4名が、地元の方々や子供たちと一緒に、共同調査(調べ学習)をおこないました。
 特別展では、小野市に残る太閤秀吉に関連する史料とともに、その調べ学習の成果をあわせて展示しています。小・中学生が地元の方々とともに地域の歴史を調査し、しかもそれを展示するという好古館の取り組みは、地域コミュニティを再生するための新たな手段のひとつとして全国的に注目されています。
 開会式には、小野市から蓬莱務市長が、神戸大学から眞山滋志理事、市沢哲神戸大学助教授ほか地域連携センター研究員らが、地元からは陰山雅弘河合地区地域づくり協議会会長、河合地区地域づくり協議会地域展部会長をはじめ、各区区長、小・中学校関係者ら多数が出席しました。
 開会式では、蓬莱市長が「地域にねむる文化遺産の保護・活用について、行政・大学・地域の連携により地域コミュニティの活性化に大きな成果をあげることができた」とあいさつし、眞山理事は「生涯学習教育や文化遺産の活用事業、また学生のインターシップなどの面で今後もいっそう相互協力がすすむことを期待しています」と応えました。式典は、市長らと地域展を作成した河合南部6町の児童代表6人がテープカットで幕を閉じました。
特別展の様子 式典終了後、参加者は小野市立好古館学芸員粕谷修一氏の案内・解説で、小野市につたわる太閤秀吉伝説にまつわる展示資料や河合地区の史蹟写真などを観覧しました。
 特別展では関連事業として、10月22日(日)に、講演会「近世の河合郷蓬莱野をめぐる水利権・入会権について」(片岡正光氏・兵庫県教育委員会高校教育課主導主事)が兵庫県立小野高等学校百年記念館で開催されました。
 また。11月12日(日)には、現地見学会「秀吉伝説の足跡をたずねる」が行われました。新部渡し(太閤渡し)跡ほか近津神社などを地元区長らの案内で見学しました。

講演会「近世の河合郷蓬莱野をめぐる水利権・入会権について」

 2006年10月22日(日)、小野市立好古館特別展「太閤秀吉と河合郷」の関連企画として講演会「近世の河合郷蓬莱野をめぐる水利権・入会権について」が兵庫県立小野高等学校百周年記念館(兵庫県小野市)で、講師に片岡正光氏(兵庫県教育委員会・高校教育課指導主事)を招いて開かれました。
講演会の様子 当日は、地元小野市河合地区からをはじめ神戸市や明石市などの遠方からも42名が参加し、小野氏河合地区の水利の歴史について、その地域的特徴と歴史的背景について講演を聴きました。具体的には、小野藩寺井堰の川原(蓬莱野)が、右岸の河合郷、左岸の福田郷・大部庄の村々の惣入会となっていたから、井関普請との関連から近世において3度にわたって争論が繰り返されたことについて、お話をいただきました。豊富な資料と丁寧な説明で市民の方々に先人の水利権をめぐる苦労をわかりやすく伝えていただき、大変好評でした。

小野市立好古館特別展「太閤秀吉と河合郷」見学会「秀吉伝説の足跡をたずねる」

 2006年11月12日(日)、兵庫県小野市の小野市立好古館特別展の関連企画として、見学会「秀吉伝説の足跡をたずねる」が、小野市河合地区において開催されました。
 見学会は、小野市立好古館学芸員の粕谷修一氏の案内で、秀吉に関する伝承が残る加古川の新部渡し跡や河合屋敷、金津神社をはじめ、小野市河合地区の主な史跡である粟生渡し場跡や真楽寺、福善寺などを見学しました。

新部の渡し  河合屋敷
▲新部の渡し          ▲河合屋敷

 当日は、気温が低く寒さに震えながらも、小野市内を中心に加西市や神戸市などの遠方からも約40名が参加し、参加者は、用意された地図や古写真や史資料を片手に、秀吉伝説に思いをはせました。

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