小野市との連携事業

青野原俘虜収容所再現コンサートが開かれました

 神戸大学と小野市が共催する展示会「青野原収容所俘虜かみた日本 〜新発見の俘虜撮影写真〜」の関連企画、青野原俘虜収容所再現コンサート「時空をわたる楽の音」が、今月14日と16日に行われました。
 現在の兵庫県小野市〜加西市にまたがる青野原には、第1次世界大戦中のオーストリア・ハンガリー兵を収容する俘虜収容所がありました。神戸大学と小野市とがすすめた共同調査の結果により、俘虜たちは収容期間中、比較的自由な収容生活を送り、地域住民との間で、音楽・スポーツ・美術工芸・食べ物等の分野で、さまざまな「交流」をしていたことが分かっています。その中には楽団員が地域住民を招いて開いた演奏会もあり、今回のコンサートはその大部分を再現したものです。
 再現コンサートは、神戸大学交響楽団と発達科学部の田村文生准教授(指揮担当)らの全面的協力のもとにおこなわれ、楽団の有志40名以上が、今から100年近く前、捕虜たちが異国の地で奏でた音楽が蘇らせました。
 10月14日(金)の六甲台講堂で開かれたコンサートは、あいにくの大雨の中、近隣市民の方々を含めた80人近くの観客が集まり、演奏を楽しみました。また16日(日)の小野市のエクラホールには、秋晴れの中、200名以上の市民が集まり、すばらしい演奏の数々に大きな拍手をおくりました。なお16日には、習志野俘虜収容所での演奏会の再現を試みている「町の音楽好きネットワーク」(6名)の演奏もありました。
 16日は、神戸大学地域連携推進室長の奥村弘教授が総合司会を担当。小野市教育長と本学の石田廣史理事の挨拶の後(14日は中村千春理事が挨拶)、文学部の大津留厚教授がスライド上映を交えながら、俘虜収容所をめぐるミニ講演を実施。その後、長野順子文学部教授の解説のもと、以下のような曲が演奏されました。

■習志野「町の音楽好きネットワーク」〈柵を越えたMUSIK〉
(1)ミリエス作・バイオリンのための閉じておくれ、僕の眼を
(2)J・シュトラウス作・春の声
(3)ブラームス作・ハンガリー舞曲第6番
(4)伊地知元子編曲・俺たちゃコーラス野郎
(5)シューベルト作・アヴェマリア
(6)ミリエス作・閉じておくれ僕の眼を

■田村文生指揮、神戸大学交響楽団
(1)ベートーベン作・エグモント序曲
(2)ヴュータン作・レヴリ
(3)ボワエルデュー作・バクダットの太守序曲
(4)ラムゼーガー作・交響詩「忠臣蔵」序曲

10月14日のコンサート

 演奏会終了後に集めたアンケート用紙には、「収容所内でコンサートが行われていたとは知らなかったのですばらしいと思った」「100年近く前、戦争の持つ悲惨なイメージとかけ離れた心豊かな世界の中に、俘虜たちがいた事にとても感動した」「講演と演奏がマッチしたすばらしい演奏会だった」「交響詩『忠臣蔵』は初めて聴く曲だったが、日本人の心に響く曲目だった」「引き続き再現コンサートを希望したい」「もっとたくさんの人にきて欲しかった」「小野市と習志野とのコラボレーションが良かった」「習志野の人たちの活動はすばらしい。神戸大の演奏、地域連携の活動もすばらしい。今後の活動にも期待したい」などの意見が寄せられました。

 展示会の会期は10月30日まで。開館時間は午前9時30分〜午後5時。月曜休館
(ただし10月10日は開館、11日は休館)。入館料は高校生以上200円。詳細は小野市立好古館のホームページをご覧ください。
 小野市立好古館へのアクセスなどの詳細はチラシをご参照ください。

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