2009年度
コロキウムの開催記録
「コロキウム」は古典力と対話力を学術的かつ応用的に発展させるために設けられた場のひとつです。
海外連携大学との共同実施などを通じ、幅広い学問領域の学生間の対話を実現することで、古典力と対話力の学術的展開をはかります。
資料収集・研究交流会
- 日程:
- 3月1日 来日、歓迎懇親会
- 3月2日 オリエンテーション
- 3月2日~4日 資料収集
- 3月5日 資料収集総括報告会 懇親会
- 3月6日 離日
■レポート 「資料収集・研究交流会」は、海港都市研究に関心をもつ海外の若手研究者を対象として、日本で海港都市に関連する資料を収集する作業を支援し、これを本学の大学院生が補助することで、次世代の研究者による海港都市研究の進展とお互いの研究交流を深めることを目的として開催する交流会である。これまで過去4回海港都市研究センターが主催して行ってきたが、昨年度同様、大学院教育改革支援プログラム「古典力と対話力を核とする人文学教育」と共催で開催した。
3月5日には、総括報告会を開催し、調査した資料の内容について報告してもらい、補助の大学院生や教員も加わり意見交換を行った。補助の大学院生の通訳を交えながら、収集した資料の性格や研究の問題点、さらには、今後の研究の方向性などについて活発な議論が行われた。 |
海港都市国際学術シンポジウム「越境する人々とナショナリズム」
- 日時:2009年11月26日~28日
- 場所:
- 神戸クラウンプラザホテル
- 神戸大学文学部A棟1階学生ホール
- 主催:神戸大学・韓国海洋大学校
- 共催:中国中山大学・中国海洋大学・台湾大学・木浦大学校
●報告者(26日) ・竹沢泰子 (京都大学人文科学研究所教授/文化人類学) 「神戸における多文化共生のいま~阪神淡路大震災から15年を経て」 ・安美貞 (韓国海洋大学校国際海洋問題研究所HK研究教授/文化人類学) 「海を挟んだ島と都市の家族:帰郷と帰国の間で」 ・大津留厚 (神戸大学人文学研究科教授/西洋史) 「ボヘミアからアメリカ合衆国ミネソタへ-移民史研究の行方-」 ・朴珉洙 (韓国海洋大学校国際海洋問題研究所HK研究教授/ドイツ文学) 「17~18世紀のバルト海空間におけるオランダ美術の人気と海港都市ダンチヒおよびハンブルクの役割」 ・増本浩子 (神戸大学人文学研究科准教授/ドイツ文学) 「ドイツ語で書く<越境した>作家たち」 ・李ソンイ (韓国海洋大学校国際海洋問題研究所HK研究教授/フランス文学) 「追放と解放、疎外と疎通の間の海港都市-映画「Bye-bye」、「La Ville est tranquille(町は静か)」にあらわれるマルセイユ研究」 ・金那英 (韓国海洋大学校国際海洋問題研究所HK研究教授/建築工学) 「20世紀前半における植民地海港都市形成に関する研究-中国青島を対象に-」 ・田村恵子 (オーストラリア国立大学リサーチフェロー/文化人類学) 「戦前神戸の反英運動と定住英国人」 ・呉美京 (韓国海洋大学校国際海洋問題研究所HK研究教授/言語学) 「韓国人日本語学習者の語彙使用実態に関する一考察 -海港都市の釜山に在住している学習者の物語発話を中心に-」 ![]() |
●報告者(27日) ・川口ひとみ (神戸大学大学院人文学研究科・博士課程/社会学) 「海港都市長崎における行桟・客桟業務-華商「泰昌号」の事例-」 ・韓賢石 (歴史学・韓国海洋大学校東アジア学科・修士課程/日本史) 「開港期釜山日本人居留地における神社」 ・権京仙 (神戸大学大学院人文学研究科・博士課程/社会学) 「日本占領期(1914-1922)中国青島における日本人・中国人社会経済団体活動の研究」 ・張伝宇 (神戸大学大学院人文学研究科・博士課程/東洋史) 「近代印度尼西亚华侨的抵制日货运动」 ・姜帆 (中山大学博士研究生/現代東南アジア史) 「汪伪政府与台湾华侨的互动-以台湾侨生回国升学补习班为个案」 ・浅利文子 (神戸大学大学院人文学研究科・博士課程/日本史) 「外国米のインパクトと帝国内自給論-1918~1920年の兵庫県農会を中心に-」 ・張双双 (中国海洋大学碩士研究生/環境社会学) 「胶州湾开发与青岛城市变迁」 ・吉原大志 (神戸大学大学院人文学研究科・博士課程/日本史) 「明治中後期における海港都市神戸の形成について―湊川付替事業を事例に―」 ・高啟豪 (台湾大学研究生・專任助理/日本文学)「芥川龍之介の「少年」について」 ・李光一 (木浦大学校考古人類学科/社会学) 「浦口村から商業村に:韓国忠清南道広川村の事例」 ![]() |
■レポート 神戸大学大学院人文学研究科海港都市研究センターと韓国海洋大学校国際海洋問題研究所は、中国中山大学、中国海洋大学、台湾大学、木浦大学と連携しながら「海港都市文化研究」を進めてきた。今年度は海港都市センター設立5年目の節目に当たっており、これまでの研究の総括と今後の道筋の模索のため「越境する人々とナショナリズム」と題したシンポジウムが神戸において開催された。大学院教育改革支援プログラムは同シンポジウムの準備・運営に携わった。 |
近代アジアにおける教育
- 日時:2009年11月21日(土) 11:00~17:30
- 場所:神戸大学文学部 B152教室
- 報告:
- 長谷部圭彦氏(日本学術振興会特別研究員・明治大学)
- 「近代オスマン帝国における「公教育」構想-教育行政法を中心に-」
- 宮原佳昭氏(京都大学人文研附属現代中国研究センター産学官連携研究員)
- 「1920年代、湖南省における平民教育運動の再検討」
- 森岡伸枝氏(奈良女子大学非常勤講師)
- 「明治初期における『公教育』としての女紅場」
- 田中剛氏(神戸大学人文学研究科学術推進研究員)
- 「学校のなかの『チンギス・ハーン』」
- 磯貝真澄(神戸大学文化学研究科博士課程)
- 「ロシア帝政末期ムスリム知識人の『新方式』教育における『akhlaq』の系譜」
- ディスカサント:
- 湯田拓史氏(神戸大学百年史編集室助教)
- 岡本託氏(神戸大学文化学研究科博士課程)
■レポート 本コロキウムは、本研究科の大学院生と若手の研究者が、学外の若手研究者とともに、「近代アジアにおける教育」をテーマに、歴史学における日本史学、西洋史学、東洋史学という従来の学問分野の枠組を超えて議論を深めることを目的として企画された。学外からの報告者は、長谷部圭彦氏(日本学術振興会特別研究員・明治大学)、宮原佳昭氏(京都大学産学官連携研究員)、森岡伸枝氏(奈良女子大学非常勤講師)の3名であった。本研究科からは田中剛氏(人文学研究科学術推進研究員)と磯貝真澄(神戸大学文化学研究科博士課程)が報告した。またディスカサントは、教育学を専門とする湯田拓史氏(神戸大学百年史編集室助教)と岡本託氏(神戸大学文化学研究科博士課程)の2名が務めた。司会は本研究科の三村昌司氏(人文学研究科学術推進研究員)と大東敬典氏(人文学研究科博士後期課程)であった。 |
水俣病をめぐる研究交流会
- 日時:2009年8月3日午後2時から午後6時
- 場所:熊本学園大学水俣学研究センター
- 報告:
- 山崎勇士(神戸大学大学院人文学研究科博士前期課程)・宇野佑(神戸大学大学院人文学研究科博士前期課程)・三宅陽平(神戸大学文学部)
- 「アスベスト問題について」
- 本林良章(神戸大学大学院人文学研究科博士前期課程)・奥野大貴(神戸大学文学部)
- 「公害被害者の観点から考える倫理」
- 杉川綾(神戸大学大学院人文学研究科博士前期課程)・八幡さくら(神戸大学大学院人文学研究科博士前期課程)
- 「アスベスト問題における未解決の問題―補償問題と因果関係に焦点を当てて―」
- 参加人数:8名
■レポート ●概要: ●熊本学園大学の発表に対する感想: ●神戸大学の発表に関する感想: |
東アジアにおける比較市民社会論
- 日時:2009年7月9日(木)・10日(金)
- 場所:神戸大学滝川学術記念会館2F
- 報告者:プログラム(PDF)を参照
- 使用言語:英語
- 主催:神戸大学大学院人文学研究科・延世大学
中国中山大学・中国海洋大学・韓国愛用大学・韓国木浦大学・台湾大学の各大学から、海港都市もしくは国際交流・異文化接触といったテーマで研究をしている若手研究者を神戸大学に招聘し、各自の研究テーマに沿って「神戸開港文書」から資料を収集するとともに、研究者間の交流を行います。
■レポート 神戸大学大学院人文学研究科と延世大学(韓国)との共催で、「東アジアにおける比較市民社会論」をテーマとした合同研究報告会を開催した。2日間にわたって開催された本フォーラムでは、神戸大学・延世大学の両大学から参加した計15名の院生・PDに国際的な学術的交流の機会を提供したのみならず、哲学・文学・社会学といった領域の両大学の教員、そして国立台湾大学・アジア太平洋研究所所長の蕭新煌教授や全国労働安全衛生センター連絡会議の古谷杉郎事務局長といった報告者も迎え、学術横断的かつ多角的な研究報告と問題提起が行われた。 |
日本研究における若手研究者たちの出会いの場
- 日程:2009年7月5日・6日
- 場所:神戸大学瀧川学術交流記念館 2F
- 発表者:プログラム参照(PDF)
- 使用言語:英語・日本語
- ・主催:神戸大学大学院人文学研究科・香港大学現代語及現代文化学院
■レポート 本コロキウムは、香港大学の現代語及現代文化学院との共催のもと、両大学の院生・研究員を中心とした若手研究者たちの研究報告と国際的な学術交流のための場として企画された。両大学の院生・研究員を中心に、教員なども含めて最終的に17名を数えることとなった報告者たちは、それぞれ、社会学のみならず文学や芸術学、経営人類学など多様なディシプリンに属し、また、その報告内容も「日本研究」という大きな括りのもとで、歴史研究、日本企業研究、近代化論、家族制度論、ポピュラー文化論など、極めて多岐に渡るものであったため、2日間にわたって、学域横断性という観点から見ても多角的で興味深い報告と議論が提示されることとなった。 |