たつの市との連携事業

『播磨新宮町史』の編纂

 神戸大学と新宮町(現たつの市新宮町)は、2002年以降共同研究を行い、その成果として2005年9月に『新宮町史』史料編Iを刊行しました。当センターは編集作業において収集された史資料の調査・分析、各部会の史料の編纂拠点として大きな役割を果たしました。また、当センターの研究員、教員は部会長として活躍しました。
 町史刊行後も地域歴史遺産としての史資料を住民が利活用できるような環境作りに向けて、当センターでは様々な取り組みを行いました。まず各部会ごとに評者を立てて、書評会を開催しました。自治体史の史料編としては珍しい取り組みでした。また研究成果を地域へ還元すべく、執筆した当センタースタッフが新宮文化大学校『つつじ学園』の歴史講座で講師を務め、研究成果を披露しました。
 さらに、古代史部会では風土記研究会、近世史部会では神戸大学近世地域史研究会を立ち上げ、研究を継続させています。

播磨新宮町史 史料編I 古代・中世・近世 播磨新宮町史 史料編I 古代・中世・近世
新宮町史編集専門委員会編
発行 兵庫県新宮町
2005年9月刊行
B5判 803ページ
5000円

兵庫県新宮町(現・たつの市)に関連する古代・中世・近世の史料と、その詳細な解説を掲載。購入方法はこちら

播磨新宮町史 史料編II 近現代 播磨新宮町史 史料編II 近現代
新宮町史編集委員会編
発行 兵庫県新宮町
2004年3月刊行
B5判 732ページ

明治4年(1871)の廃藩置県から、昭和26年(1951)に合併によって新宮町が誕生するまでの、兵庫県新宮町(現・たつの市)の史料を掲載。購入方法はこちら

風土記研究会

 古代史部会の執筆メンバーは、「風土記研究会」を立ち上げ、『播磨国風土記』をテキストとして古代播磨の地域生活史についての研究を進め、その成果を坂江渉編著『風土記からみる古代の播磨』(神戸新聞総合出版センター、2007年)としてまとめました。同書は、地域の歴史を学ぼうとする地元の方々の関心に応えるべく、一定の学問的水準を維持しつつも、わかりやすく、かつ親しみ易い内容となっています。

風土記からみる古代の播磨 風土記からみる古代の播磨  坂江渉編著
発行 神戸新聞総合出版センター
2007年3月刊行
四六判 264ページ
1500円(税別)

古代の播磨に暮らす人びとの生活や信仰、他国との往来、自然とのかかわり方など、最古の地誌「播磨国風土記」が伝える地域の生活史。

神戸大学近世地域史研究会

 近世史部会は、執筆メンバーを中心に「神戸大学近世地域史研究会」を発足しました。その目的は第一に、『町史』を「つくりっぱなし」にせず活用を目指すことであり、第二に『町史』に掲載できなかった史料を活用する場を作り、その成果を引き続いて刊行していくことです。月に1回開催の研究会には、『町史』執筆メンバーの他、学生・院生・市民の方々など幅広い層が参加しています。この間の研究会の成果は、地域連携センターの2007年度事業報告書の巻末に、『播磨新宮・池田家史料の紹介』として掲載しました。内容は、新宮を治めていた旗本・池田家の系譜と、播磨地域に関する研究者、市民の方々の研究論文です。平成20年度には、『播磨新宮・池田家史料の紹介』改訂版を発行し、各自治体の機関等へ配布しました。現在も引き続き研究会は開催しています。

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