ギリシア、デルフィ遺跡(撮影:佐藤昇)
歴史学とは何をするのかと問われますと、実のところ、これはなかなか手強い質問です。 とりあえずは、過去の人が遺したもの(史料)を手がかりに、その歴史的・社会的な文脈(意味)を読み取り、その時代の有り様を探ることでしょうか。 こうした作業を通じ、現代に生きる我々が抱えるさまざまな問題の根幹が立体的に見えてくるかもしれません。 あるいは今とは異なる「過去」を知ることで、世界の多様性と芳醇とを感じ、さらにそこから転じて自己理解が深まるかもしれません。 さて、「西洋」史というからには、空間的には主に「西洋」、つまりヨーロッパやアメリカを中心的に扱うことになります。 しかし実のところ、「西洋史」はもっと幅広く、例えばヨーロッパとアジアの関係もまた、研究の射程に入ります。 多様な視点から、柔軟に(そしてもちろん論理的に)思考し、研究することができるのです。
フィレンツェ、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会のステンドグラス(撮影:高田京比子)
当専修には4名の専任教員が所属し、古代から現代までそれぞれの専門に応じた教育・研究を行っています(教員ページをご覧ください)。 また、毎年数名の非常勤講師の先生をお招きし、専門の講義をしていただいています。 当専修が学部生向けに開講しているのは、1年生向けの「人文学基礎(西洋史)」、主に2年生以上向けの「特殊講義」と「演習」です。 「人文学基礎」では、毎年専任教員が交代で、西洋史学に関する基礎的な知識を提供したり、 あるいは西洋史学がどのような問題意識に導かれて研究を行っているのか、新入生向けに導入的な授業を行います。 「特殊講義」では、各教員がそれぞれの専門分野について、自身の研究を活かし、最先端の知見を、しかし分かりやすく紹介します。 「特殊講義」を通じて、当該分野の理解を深めるばかりではなく、西洋史学の問題意識、論理的思考を養うことができます。 「演習」は大きく、外書講読と卒業論文準備演習に分かれます。 外書講読では、西洋史学研究に必要な外国語文献の読み方を学びます。 語学の力を磨くと同時に、論文を読む・書く際の論理的思考、書き方の作法などを身につけていきます。 卒業論文準備演習では、学生それぞれが自主的に学んだ成果、卒業論文の経過報告を行います。 ここでは、報告の仕方、レジュメ作成方法を実践的に学ぶと同時に、質疑応答、討議を通じて論理的思考を養成することができます。 学部生が研鑽を積んだ、その最大の成果こそ「卒業論文」です。 史料を読み解き、先行研究と格闘し、自らの力からで論理的に思考して、歴史学研究の一端に触れていくことになるでしょう。 卒業論文のテーマは、専任教員の専門とは関わりなく、学生自らの関心に従って自由に見つけ出すことができます。 また、語学の習得を目指して、あるいは幅広い歴史学の知識、視野を身につけるため、各種の自主勉強会、院生による読書会などがおこなわれています。 学部生の共同研究室は、文学部A棟3階310室になります。ここで学部生はときに切磋琢磨し、ときに和気あいあいと交流を深めていきます。 当専修は、院生も含めた学生間の交流が盛んで、折に触れて親睦会なども開かれています。 卒業後は、中学校社会科、高等学校世界史の教員、公務員、あるいは各種の一般企業に就職する学生が多く、 例年、1,2名程度が大学院に進学します。
中世のボローニャ大学の講義風景(Wikipediaより)
大学院生は博士前期課程と同後期課程に分かれており、前者向けには講義形式を中心とした「特殊研究」、史料読解や口頭報告を中心とした「演習」が開講されています。 前者は修士論文、後者は博士論文の作成が目標となります。在学中は、本専修に於いて研鑽を積むのはもちろん、前期課程、後期課程いずれの学生も、様々な機会を捉えて、長期、短期の海外留学を経験し、研究の深化、国際的な研究者ネットワークの構築を図っています。 博士前期課程修了者の多くは、中学校社会科、高等学校世界史の教員、国家公務員、地方公務員、あるいは各種の一般企業に就職しており、 博士後期課程在籍者は、研究職への途を目指しています。
Carl Spitzweg, Der Bücherwurm(本の虫)(Wikipediaより)