神戸大学地理学教室について

地理学の概要

「私たちはどんな世界を生きているのか?」 ―空間からはじまる歴史・文化・社会への新たなる問い

神戸巡検
▲ 神戸・旧居留地での巡検の様子

 地理学とは、人間社会の基盤ともいえる「空間」を対象とする学問です。人間は土地と関係しながら生を営む生き物であり、社会はその舞台である空間を抜きにしては成り立ちません。ですから「空間」という視点からの問いは、人間の歴史や文化、社会や経済を根底から考えることにつながります。

 学問分野としての地理学には長い歴史がありますが、グローバル化する現代社会のなかでその視点はますます重要なものとなっており、哲学や社会学、心理学や建築学といった分野との対話と交流が世界的に広がっています。

 さまざまな土地を足で歩き、自分自身の目で風景や景観を観察し、そこに生きる人びとの声に耳を傾けるフィールドワークは、もっとも基本的な地理学の姿勢といえましょう。そこから自分なりの「問い」を生み出し、地図や文献や統計などの資料を読み解いたり、理論的な視点を磨いたりと、試行錯誤していくことが地理学の営みとなります。

 そうした営みを経ることで、現代世界を新しい視点で読み解くことができるようになるでしょうし、また、積み重ねた試行錯誤の経験は、これからの社会を歩んでいくうえでかけがえのない財産となるでしょう。

神戸大学地理学教室と地理学の授業

 文学部に地理学専修が開設されたのは1994年です。神戸大学文学部の中でもまだ新しい専修ですが、歴史地理学、社会・文化地理学、地図史を中心に、教育研究で顕著な業績を挙げており、また多彩な人材を育成しつつあります。

 講義では、専任教員による「地理学概論」、「歴史地理学」、「地域環境学」、「人文地理学」などのほか、非常勤講師により「自然地理学」、「地誌」など、多彩な科目が開講されています。また3年生前期からは専修学生のみによる少人数(5人前後)の演習が必修となり、1人年4回の発表で鍛えられていきます。発表1週間前には要旨を配布する義務があり、また仲間の発表に対しても活発な発言が求められます。

 演習の集大成である卒業論文のテーマは、学生の意志が尊重されますが、まずフィールドや史資料に没入し、その上でオリジナルな視点を追究することが卒業論文の最終目標です。 また2年生の必修である実習は、夏季の現地調査を頂点に展開され、この数年は筑豊、北九州、広島などで、各自がそれぞれのテーマを設定して調査を行なっています。

教員紹介

現在、地理学教室で指導に当たっている教員の一覧です。
※現在、リンクをクリックすると神戸大学研究者紹介へジャンプします。

教授 Professor

     

准教授 Associate Professor

原口 剛

HARAGUCHI, Takeshi   

[専門分野] 都市社会地理学

菊地 真

KIKUCHI, Makoto

[専門分野] 先史地理学、環境動態、文化財・博物館学

 このほか、非常勤講師が一部の講義を担当します。

研究員・学生紹介

現在、地理学教室に所属している研究員・学生数です。

博士後期課程2名、前期課程4名、学部生2~4年生14名

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