連携パートナー機関

 本事業で派遣される若手研究者の受け入れ先となる3つの連携パートナー機関と、それぞれの受入代表者および研究環境を紹介します。

ヴェネツィア大学 | オックスフォード大学 | ハンブルク大学

受入代表者

ボナヴェントゥーラ・ルペルティ教授(日本文学・比較演劇論)

 ヴェネツィア大学アジア・北アフリカ研究所副研究科長・教授であるルペルティ教授は、日本文学、伝統芸能の専門家です。近世文学だけでなく、日本演劇・近世演劇(浄瑠璃・能・歌舞伎)にも通暁しており、イタリアと日本の比較演劇論でも知られています。

トシオ・ミヤケ(三宅俊夫)講師(社会学・現代日本社会文化論)

 ヴェネツィア大学アジア・北アフリカ研究所講師であるミヤケ氏は現代日本の文化論やポピュラーカルチャー論、カルチュラル・スタディーズや批判理論など幅広い視点から現代日本社会やその文化について鋭利な分析を行っています。現在の研究テーマはオクシデンタリズム、オリエンタリズム、セルフ・オリエンタリズムです。

マルチェッラ・マリオッティ講師(日本語教育学・日本児童文学)

 ヴェネツィア大学アジア・北アフリカ研究学科講師であるマリオッティ氏は、現在、日本語教育学とハイパーメディア、そしてアイデンティティの関係についての研究に従事するとともに、現在日本児童文学についても、社会学的な視座から研究を進めています。単著「日本語」(La lingua giapponese, Carocci 2014)をはじめ、「世界の中心で愛を叫ぶ」や「独り日和」といった現在文学の伊訳など、業績は多数にのぼります。

研究環境

アジア・北アフリカ研究所 東アジア言語・文学科 日本学部門

 ヴェネツィア大学アジア・北アフリカ研究所は欧州南部における日本研究の最大拠点です。古典文学・演劇論・近現代文学、現代社会文化論など広範で多様な日本研究の実績を誇ります。

派遣者の選抜基準について

派遣者

平成25年度

大川内 晋(神戸大学人文学研究科博士後期課程)

研究テーマ:リスクを通じたコスモポリタニズムの展開−ヴェネツィアの環境保全プロジェクトによる経験的事例研究

指導教員:ミヤケ講師

平成26年度

松本 風子(神戸大学人文学研究科博士後期課程)

研究テーマ:児童文学『ピノッキオ』においてみられる日伊両国の子供像−子供の見立てとしての人形を通して

指導教員:ルペルティ教授、マリオッティ講師

 

梅村 麦生(神戸大学人文学研究科研究員)

研究テーマ:イタリアにおける現代日本文化のビジュアル・イメージについての研究

指導教員:ミヤケ講師

平成27年度

田中 真一(神戸大学人文学研究科准教授)

研究テーマ:日本語・イタリア語における他言語の受容と世代差・地方差に関する実証的研究

指導教員:ルペルティ教授

 

浦野 剛司(神戸大学人文学研究科研究員)

研究テーマ:プリニウス『博物誌』の評価と澁澤龍彦の欧州旅行足跡調査

指導教員:ルペルティ教授

受入代表者

ビヤーケ・フレレスビッグ教授(日本言語学・日本語音韻論)

 オックスフォード大学東洋学部の学部長であるフレレスビッグ教授は、古代日本言語学の研究を行っており、日本語の構造とその歴史的研究における世界的第一人者の一人です。
 また、神戸大学文学部・人文学研究科とオックスフォード大学との間で進行している「神戸−オックスフォード日本学プログラム」のオックスフォード大学における運営責任者も務めています。

リンダ・M・フローレス准教授(日本近代文学、ジェンダー理論、比較文学)

 オックスフォード大学東洋学部准教授のフローレス氏は、日本近代文学を研究されています。ジェンダー理論や女性学にも関心が深く、小林多喜二や平林たい子等のプロレタリア作家のテクストに関するご研究のほか、現在は日本近代文学における「母性」と「従属性」の複雑な関係のあり方をテーマとする研究を進めておられます。「神戸−オックスフォード日本学プログラム」におけるオックスフォード大学側のコンタクト・パーソンの一人でもあります。

研究環境

東洋学部 日本語学・日本文学部門
日産研究所 現代日本社会研究部門

 オックスフォード大学東洋学部では世界最高水準の日本研究環境が用意されています。また、フレレスビッグ教授が神戸大学・国立国語学研究所と協力しながら進めている「前近代日本語コーパスプロジェクト」は、言語学的な日本語研究・日本語歴史言語学の分野において現在最も期待されている先進的研究のひとつです。
 さらに、ボードリアン図書館などの研究施設も充実しており、派遣者は東洋学部のアソシエイト・メンバーとしてこうした図書館や共同研究スペースを利用することができるでしょう。

派遣者の選抜基準について

派遣者

平成26年度

丸山 岳彦(国立国語研究所准教授)

研究テーマ:日本語コーパスに基づく節連鎖構造の研究

指導教員:フレレスビッグ教授

平成27年度

Anna Bordilovskaya(神戸大学人文学研究科博士後期課程)

研究テーマ:日本語コーパスに基づく外来語修飾語の研究

指導教員:フレレスビッグ教授

受入代表者

ヨルク・クヴェンツァー教授(日本文学・文化精神史)

 ハンブルク大学アジア・アフリカ研究所日本学科長であるヨルク・クヴェンツァー教授は、古典・中世文学から俳句・近代文学まで幅広く日本文学に関する研究を行っており、仏教を中心とした日本文化精神史にも通暁しています。
 また、神戸大学人文学研究科とハンブルク大学日本学科の間で進行している「日本語・日本文化教育インターンシップ」プログラムのハンブルク大学側運営責任者を務めています。

杉原 早紀講師(日本語教育・ドイツ現代文学)

 ハンブルク大学アジア・アフリカ研究所日本学科講師である杉原氏は、同学科にて日本語コースを担当しています。専門は日本語教育ならびにドイツ現代文学で、2012年に「漢字集中コース」を立ち上げた他、日本人学校訪問プロジェクトやポートフォリオなど行動中心主義の授業ならびにその評価を研究テーマとしています。

研究環境

アジア・アフリカ研究所 日本学科

 ハンブルク大学アジア・アフリカ研究所日本学科はヴェネツィア大学やオランダのライデン大学などと並び、欧州における日本研究の拠点です。とりわけ、本事業では、派遣者は日本語教育法に関する実績を持つ当学科において、インターンとして日本語・日本文化教育の現場に関わりながら実践的に学ぶことができます。

派遣者の選抜基準について

派遣者

平成25年度

木曽 美耶子(神戸大学人文学研究科研究員)

研究テーマ:日本語教育における教材テクストとしての文学 作品

指導教員:クヴェンツァー教授、杉原早紀講師

平成26年度

大杉 奈穂(神戸大学人文学研究科博士後期課程)

研究テーマ:日本語教材としての文学作品の可能性

指導教員:クヴェンツァー教授、杉原早紀講師

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