ここでは、本事業「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者養成」における関連事業(イベント・ワークショップ)や、研究成果について紹介します。

イベント・ワークショップ

 これまでに本事業に関連して開催されたイベント・ワークショップです。


座談会:「見立て」論の可能性

  • 日時:2016年3月23日(水)11:00~13:00
  • 場所:神戸大学文学部C棟2階プレゼンテーションルーム

  • 参加者
  • ●アルド・トリーニ(ヴェネツィア大学教授)、ボナヴェントゥーラ・ルペルティ(ヴェネツィア大学教授)、トシオ・ミヤケ(ヴェネツィア大学准教授)
  • ●増本浩子(人文学研究科長・教授)、油井清光(人文学研究科教授)、福長進(人文学研究科教授)、鈴木義和(人文学研究科教授)
  • ●ヴェネツィア大学若手派遣者

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  • 主催:日本学術振興会「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム」・神戸大学大学院人文学研究科

ワークショップ:「見立て」論に据えなおす

  • 日時:2016年3月22日(火)13:00~15:50
  • 場所:神戸大学文学部C棟2階プレゼンテーションルーム

  • プログラム
  • 13:00-13:05
  •  開会のあいさつ:嘉指信雄(人文学研究科日本文化インスティテュート長・教授)
  • 13:05-13:45
  •  福長進(人文学研究科教授)
  •  『源氏物語』の準拠と「見立て」
  • 13:45-14:05
  •  討議(コメンテーター:鈴木義和(人文学研究科教授))
  • 14:05-14:15
  •  休憩
  • 14:15-14:55
  •  アルド・トリーニ(ヴェネツィア大学教授)
  •  道元の思想と言葉
  • 14:55-15:15
  •  討議(コメンテーター:嘉指信雄)
  • 15:15-15:45
  •  全体討議
  •  司会:ミヤケ・トシオ(ヴェネツィア大学准教授)
  •  討論者:ヴェネツィア大学派遣若手研究者

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  • 主催:日本学術振興会「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム」・神戸大学大学院人文学研究科

頭脳循環プログラム総括シンポジウム
日本研究の革新―回顧と展望―
New Steps in Japanese Studies: Retrospect and Prospect

  • 日程:2016年3月20日・21日(日・月)
  • 場所:神戸大学文学部A棟1階学生ホール

  • プログラム
  • 3月20日(日)
  • 10:00~10:05
  • 開会の挨拶:増本浩子(人文学研究科長・教授)
  • 10:05~11:45 第1セッション:日本語のコーパス研究
  • ●丸山岳彦(国立国語研究所准教授)
  •  「日本語コーパスに基づく節連鎖構造の分析」
  • ●アンナ・ボルディロフスカヤ(人文学研究科研究員)
  •  「日本語コーパスに基づく外来語修飾語の研究」
  • 講評:松本曜(人文学研究科教授)、鈴木義和(人文学研究科教授)、窪薗晴夫(国立国語研究所教授・スカイプでの参加)
  • 11:45~13:00 昼食
  • 13:00~14:40 第2セッション:日本語教育
  • ●木曽美耶子(人文学研究科講師)
  •  「文学作品を使用した上級学習者に対する日本語読解授業-ポートフォリオ導入の可能性- 」
  • ●大杉奈穂(人文学研究科博士後期課程)
  •  「文学作品を用いた日本語教育におけるワークシートの導入-読解力と読む楽しみに着目して- 」
  • 講評:ヨルク・クヴェンツァー(ハンブルク大学教授)、杉原早紀(ハンブルク大学講師)、實平雅夫(留学生センター教授)、鈴木義和
  • 14:40~15:00 休憩
  • 15:00~16:40 第3セッション:日本文化と「見立て」(1)
  • ●松本風子(人文学研究科博士後期課程)
  •  「日本における『ピノッキオの冒険』の翻訳・翻案-子供の“見立て”としての人形の役割から見る原作との差異-」
  • ●浦野剛司(人文学研究科研究員)
  •  「澁澤龍彦のプリニウス-作家の自己投影と見立て」
  • 講評:ボナヴェントゥーラ・ルペルティ(ヴェネツィア大学教授)、福長進(人文学研究科教授)

  • 3月21日(月)
  • 10:00~10:50 第4セッション:日本文化と「見立て」(2)
  • ●田中真一(人文学研究科准教授)
  •  「借用語音韻論と見立て-イタリア語・日本語における借用語の受け入れ-」
  • 講評:アルド・トリーニ(ヴェネツィア大学教授)、松本曜
  • 10:50~11:00 休憩
  • 11:00~11:50 第5セッション:現代日本社会と「見立て」
  • ●梅村麦生(人文学研究科研究員)
  •  「イタリアの高校地理教科書における日本と日本文化のビジュアル・イメージについての研究」
  • 講評:トシオ・ミヤケ(ヴェネツィア大学准教授)、油井清光(人文学研究科教授)
  • 11:50~13:00 昼食
  • 13:00~14:30 第6セッション:頭脳循環事業の成果と課題及び今後の取り組み
  • 報告者:増本浩子、福長進、松本曜、油井清光
  • 司会:鈴木義和
  • 14:30~14:35
  • 閉会の挨拶:嘉指信雄(人文学研究科日本文化社会インスティチュート長・教授)

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  • 主催:日本学術振興会「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム」・神戸大学大学院人文学研究科

第6回日本語・日本文化教育研究会

  • 日時:2016年3月15日(火)13:00~16:30
  • 場所:神戸大学文学部C棟2階プレゼンテーションルーム

  • プログラム
  • 「日本語日本文化教育インターンの活動成果と今後の課題」
  •  報告者:木曽美耶子(神戸大学大学院人文学研究科講師)
  •  報告者:大杉奈穂(神戸大学大学院人文学研究科博士課程後期課程)
  • 「神戸大学からの日本語日本文化教育インターン派遣の現状と課題」
  •  報告者:鈴木義和(神戸大学大学院人文学研究科教授)
  • 「ハンブルク大学アジア・アフリカ研究所日本語学科における日本語日本文化教育インターンシップについて」
  •  報告者:杉原早紀(ハンブルク大学アジア・アフリカ研究所日本語学科講師)
  •  コメンテーター:ヨルク・クヴェンツァー(ハンブルク大学アジア・アフリカ研究所日本語学科教授)
  • ラウンドテーブル
  •  司会・総括:實平雅夫(神戸大学留学生センター・大学院人文学研究科教授)

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  • 主催:日本学術振興会「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム」・神戸大学大学院人文学研究科

Framing Japanese and Italian cultures as mutual Otherness

  • 日時:平成28年2月15日(月)
  • 場所:文学部A棟1階学生ホール

    • プログラム

    • 開会挨拶:増本浩子(人文学研究科研究科長・教授)

    • イントロダクション:Marco Pellitteri(日本学術振興会外国人特別研究員)

    • 梅村麦生(文学部非常勤講師)
    • “Visual images of Japanese culture in geography textbooks in Italy (1912-2014)”

    • 松本風子(人文学研究科博士課程後期課程)
    • “Translations and acceptance of Pinocchio in the Japanese literary context”

    • Alvaro Hernandez(人文学研究科博士課程後期課程)
    • “Dojin and cosplay cultures in Japan: appropriation, activities and participation”

    • Marco Pellitteri
    • “Diminishing the Other without even realising: Japan in the Italian mainstream press”

    • ディスカッサント:Nissim Otmazgin(ヘブライ大学アジア研究科長)

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  • 共催:日本文化社会インスティテュート・頭脳循環推進プログラム

頭脳循環プログラム講演会

  • 日時:2016年1月28日(木)
  • 場所:ハンブルク大学アジア・アフリカ研究所

    • 市澤哲(人文学研究科教授)
    • もののけ姫再考-歴史学の観点から(Re-examination of “Princess Mononoke”-From a historical viewpoint)

    • 司会:杉原早紀(ハンブルク大学講師)

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  • 主催:ハンブルク大学アジア・アフリカ研究所、日本学術振興会「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム」

頭脳循環プログラム研究成果報告会 第5回日本語・日本文化教育研究会

  • 日時:2016年1月29日(金)13:00‐16:00
  • 場所:ハンブルク大学アジア・アフリカ研究所120教室

    • プログラム

    • 大杉奈緒(人文学研究科博士課程後期課程)
    • 「文学作品を用いた日本語教育-読解力の向上と読む楽しみに着目した活動の導入-」

    • 粟田信子(ハンブルク大学人文科学部アジア・アフリカ研究所日本学科講師)
    • 「日本語教材『まるごと』の紹介とその授業例」

    • 司会・総括:鈴木義和(人文学研究科教授)

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  • 主催:ハンブルク大学アジア・アフリカ研究所、日本学術振興会「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム」

New Steps in Japanese Studies (Zunōjunkan Project)

  • 日時:2015年12月18日(金)9:00〜11:30
  • 場所:ヴェネツィア大学アジア北アフリカ研究学科

    • プログラム

    • Shin’ichi TANAKA (Kobe University)
    • 借用語音韻論と見立て:イタリア語・日本語借用語における韻律の受け入れ(Loanword phonology and mitate: the adaptation of prosody in Italian and Japanese loanwords)

    • Takeshi URANO (Kobe University)
    • 澁澤龍彦のプリニウス:科学的批判による思想的批判への見立て(Shibusawa Tatsuhiko’s Pliny: Mitate between Scientific Criticism and Criticism on Thought)

    • Discussants: Patrick Heinrich and Toshio Miyake

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  • 主催:神戸大学人文学研究科日本文化社会インスティテュート、日本学術振興会「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム」

日本文化インスティテュート・頭脳循環プログラム第5回学術シンポジウム

  • 日時:2015年10月21日(水)午後5時〜7時
  • 場所::神戸大学文学部B棟3階331教室

    • 講師:Elaine Scarry(ハーヴァード大学教授)
    • 題目:Beauty as a Call to Justice: For the Pact of Aliveness
         正義への呼びかけとしての美――生存の盟約のために――

    • 司会者:嘉指信雄(神戸大学人文学研究科教授)

    • 討論者:奥村沙矢香、中真生、大橋完太郎ほか

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  • 主催:神戸大学人文学研究科日本文化社会インスティテュート、日本学術振興会「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム」
  • 2015年度「頭脳循環プログラム」ブリュッセル・ワークショップ
    「日本研究の新たな可能性を求めて Part 2」
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  • 日時:2015年10月10日(土)・11日(日)
  • 場所:神戸大学ブリュッセル・オフィス

  • 10月10日(土)
  • 9:30~09:40
  •  開会の辞:増本浩子(神戸大学人文学研究科長)
  • 9:40~10:40
  •  Shibusawa Tatsuhiko’s Pliny:On a pagan model of how to write a natural history
  •  浦野剛史(神戸大学大学院人文学研究科研究員)
  •  コメンテーター:増本浩子
  • 10:40~11:40
  •  From the Pillow Book to topical encyclopedias: textual memory in the Heian court
  •  Jennifer Guest(オックスフォード大学准教授)
  •  コメンテーター:福長進(神戸大学教授)
  • 12:40~13:40
  •  『冥土蘇生記』―「異界」の幻視―
  •  市澤哲(神戸大学教授)
  •  コメンテーター:福長進
  • 13:40~14:40
  •  白隠における「見立てと介入」―「作為」論の脱構築に向けて―
  •  嘉指信雄(神戸大学教授)
  •  コメンテーター:市澤哲
  • 15:00~16:00
  •  被爆体験の表象と記憶の共有化―『はだしのゲン』の世界―
  •  Marcella Mariotti(ヴェネツィア大学専任講師)
  •  コメンテーター:Linda Flores(オックスフォード大学准教授)
  • 16:00~17:00
  •  Methodological nationalism in Japanese Studies and Social Sciences
  •  Toshio Miyake(ヴェネツィア大学准教授)
  •  コメンテーター:嘉指信雄

  • 10月11日(日)
  • 9:30~10:30
  •  Literary Works as Japanese Teaching Materials
  •  大杉奈穂(神戸大学大学院人文学研究科博士課程後期課程)
  •  コメンテーター:杉原早紀(ハンブルク大学講師)
  • 10:30~11:30
  •  Loanword adaptation in Italian and Japanese: from the perspective of Mitate
  •  田中真一(神戸大学准教授)
  •  コメンテーター:鈴木義和(神戸大学教授)
  • 11:30~12:30
  •  Corpora and the grammar of Old Japanese
  •  Bjarke Frellesvig(オックスフォード大学教授)
  •  コメンテーター:松本曜(神戸大学教授)
  • 14:30~15:30
  •  総括
  •  司会:實平雅夫(神戸大学教授)
  • 15:30~15:35
  •  閉会の辞:福長進

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  • 主催:頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者育成」

第1回日本語言語学研究会

  • 日時:2015年8月15日(土)15:00〜17:30
  • 場所:オックスフォード大学東洋学部日本語研究センター
  • プログラム
    • 1. Anna Bordilovskaya (Kobe University / Oxford University)
    • “Collocation Patterns of Gairaigo Adjectival Modifiers: A corpus based study”

    • 2. Kerri L Russell (Oxford University)
    • “On Noun Incorporation in Old Japanese: A corpus based study”

    • 3. Shin’ichi Tanaka (Kobe University / University of Venice)
    • “Gemination and Accent in Japanese loanwords from Italian: Mitate in loanword phonology”

    • 4. Thomas Jo Johansen (Oxford University)
    • “Infinitive and gerund clauses in Late Middle Japanese: An investigation using the Esopo no fabulas corpus”

    • コメンテーター:窪薗晴夫(国立国語研究所)

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  • 主催:Faculty of Oriental Studies, University of Oxford
  • 共催:神戸大学

日本文化インスティテュート・頭脳循環プログラム第4回学術シンポジウム

  • 日時:2015年7月31日(木)15:00~18:00
  • 場所:神戸大学文学部A棟学生ホール

    • 講師:Griseldis Kirsch(ロンドン大学SOAS講師)
    • 題目:Narratives of Trauma: Dresden and Hiroshima in German and Japanese Televison

    • 講師:樋口大祐(神戸大学人文学研究科准教授)
    • 題目:ヒロシマ表象における複数のトラウマについて

    • 司会者:増本浩子(神戸大学人文学研究科教授)ほか、人文学研究科研究員、大学院生など

    • 討論者:松永京子(神戸市立外国語大学准教授)

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  • 共催:神戸大学人文学研究科日本文化社会インスティテュート、日本学術振興会「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム」

日本文化インスティテュート・頭脳循環プログラム第3回学術シンポジウム

  • 日時:2015年7月16日(木)17:00~18:45
  • 場所:神戸大学文学部B棟132視聴覚室

    • 講師:Marcella.Mariotti(ヴェネツィア大学講師)
    • 題目:Translating Hadashi no Gen into Italian: Language, Religion and Society(「はだしのゲン」をイタリア語へ訳す-言語・宗教・社会の絡み合いを考える-)

    • 討論者:トシオ・ミヤケ(ヴェネツィア大学講師)ほか

    • 総合司会:嘉指信雄(人文学研究科教授)

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  • 共催:神戸大学人文学研究科日本文化社会インスティテュート、日本学術振興会「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム」

頭脳循環プログラム研究成果報告会

  • 日時:2015年6月23日(火)16:00~18:30
  • 場所:神戸大学文学部A棟1階学生ホール
  • プログラム
    • 16:00 - 16:55
    • イタリアの地理教科書における日本と日本文化のビジュアル・イメージについての研究:ビジュアル・イメージの再生産における「見立て」の視点から
    •  梅村麦生(神戸大学人文学研究科研究員)
    •  コメンテーター:藤田裕嗣(神戸大学人文学研究科教授)

    • 16:55 - 17:00
    • 休憩

    • 17:00 - 17:55
    • イタリア児童文学『ピノキオの冒険』の中の子供像─見立てられた教育関係からの分析
    •  松本風子(神戸大学人文学研究科博士後期課程)
    •  コメンテーター:河合成雄(神戸大学留学生センター教授)

    • 18:00 - 18:30
    • 全体討論
    • 司会:佐々木祐(神戸大学人文学研究科准教授)

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  • 主催:頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者育成」

 頭脳循環プログラム研究成果報告会
 第4回日本語・日本文化教育研究会

  • 日時:2015年5月26日(火)13:30 ‐ 16:00
  • 場所:神戸大学文学部C棟2階プレゼンテーションルーム
  • プログラム
    • 総合司会:實平雅夫(神戸大学留学生センター副センター長・教授)

    • 13:30‐13:35
      開会の挨拶:増本浩子(神戸大学人文学研究科長)

    • 13:35‐14:50
      文学作品を使用した授業におけるポートフォリオの可能性
      ‐ハンブルク大学日本語教育インターンシップを通して‐
      The Potential of Portfolios in Japanese Classes using Literary Works ‐Internship in Teaching Japanese As a Foreign Language at The University of Hamburg‐

      木曽美耶子(神戸大学留学生センター講師)
      コメンテーター:鈴木義和(神戸大学人文学研究科教授)

    • 14:50‐15:00
      休憩

    • 15:00‐15:30
      日本語教育おけるポートフォリオの位置づけ
      - E-learning、 反転授業、学習環境 ‐
      Situating the use of Portfolios in the Teaching of Japanese as a Foreign/Second Language
      - E-learning, Flipped Classroom, Learning Environments -

      リチャード・ハリソン(神戸大学留学生センター教授)

    • 15:30‐15:55
      全体討論

    • 15:55‐16:00
      閉会の挨拶:實平雅夫

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  • 主催:頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者育成」
  • 共催:神戸大学大学院人文学研究科日本文化社会インスティテュート

 神戸大学・国立国語研究所・オックスフォード大学
 ワークショップ:コーパスに基づく日本語研究

  • 日時:2015年5月22日(金)16:00~18:30
  • 場所:神戸大学文学部A棟1階学生ホール
  • プログラム
    • 「The Analysis of the Collocation Patterns of Gairaigo Modifiers based on BCCWJ (英語発表)」(ウェブ会議による参加)
    •  Anna Bordilovskaya
      (神戸大学/オックスフォード大学)

    • 「コーパスに基づく外来語の社会言語学的研究」
    •  久屋愛美
      (オックスフォード大学大学院/国立国語研究所)

    • 「コーパスに基づく節連鎖構造の分析」
    •  丸山岳彦
      (国立国語研究所)

    • コメンテーター:石川慎一郎
      (神戸大学国際文化学研究科/国際コミュニケーションセンター)

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  • 主催:頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者育成」
  • 共催:神戸大学大学院人文学研究科日本文化社会インスティテュート

頭脳循環プログラム学術シンポジウム

  • 日時:2015年3月26日(木)13:00~17:00
  • 場所:神戸大学文学部A棟1階学生ホール
  • プログラム
    • 13:00 - 15:00
    • 第1部「法語と方便-道元の世界」

    • Aldo.Tollini(ヴェネツィア・ラ・フォスカリ大学教授)
    • 「法語と方便-道元の世界-」
    •  コメンテーター:石山裕慈(人文学研究科准教授)

    • 嘉指信雄(人文学研究科教授)
    • 「空華と此岸-眼差しの系譜 道元・白隠・田辺-」
    •  コメンテーター:福長進(人文学研究科教授)

    • 15:00 - 15:20
    • 休憩

    • 15:20 - 16:20
    • 第2部「剽窃と創造のあわい-『見立て』論の新展望-」

    • 浦野剛司(人文学研究科研究員)
    • 「近代翻訳文化における『見立て』」
    •  コメンテーター:梶尾文武(人文学研究科准教授)

    • 16:20 - 17:00
    • 総合討論 司会:鈴木義和(人文学研究科教授)
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  • 主催:頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者育成」
  • 頭脳循環プログラム学術講演会
  •  
  • 日時:2015年3月14日(土)14:00~16:00
  • 場所:神戸大学文学部C棟2階プレゼンテーションホール

    • 講師:ミヤケ・トシオ(Università Ca' Foscari Venezia[ヴェネツィア大学]専任講師)
    • 題目:History as sexualised parody: from historical revisionism to nation anthropomorphism in Japanese youth subcultures

    • 討論者:大川内 晋(人文学研究科博士課程後期課程、平成25-26年度に頭脳循環プログラムによりヴェネツィア大学に派遣)

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  • 主催:頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者育成」
  • East Asian Linguistics Seminar
  •  
  • 日時:2015年2月17日〈火〉 16:00~18:30
  • 場所:オックスフォード大学・Oriental Institute
  • プログラム
    • 16:00~
    • "Noncausative and causative verb pairs in Old and Modern Japanese"
    •  松本曜(神戸大学人文学研究科)
    • 17:00~
    • "Annotating Clause Boundary Labels to Japanese Corpora"
    •  丸山岳彦(オックスフォード大学・国立国語研究所)

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  •  
  • 主催:Faculty of Oriental Studies, University of Oxford
  • 共催:神戸大学
  • 頭脳循環プログラム研究成果報告会
  •  
  • 日時:2015年2月10日(火)13:30~16:00
  • 場所:場所:神戸大学文学部A棟1階学生ホール
  • プログラム
    • 13:30 - 13:35
    • 開会の挨拶:増本浩子(神戸大学人文学研究科教授)
    • 13:35 - 14:50
    • 社会学におけるコスモポリタニズムの一考察:現代ヴェネツィアの“NO GRANDI NAVI”と「見立て」
    •  大川内晋(神戸大学人文学研究科博士後期課程)
    •  コメンテーター:佐々木祐(神戸大学人文学研究科准教授)
    • 14:50 - 15:00
    • 休憩
    • 15:00 - 15:30
    • 地理学における「見立て」:水津一朗の著作を中心に
    •  藤田裕嗣(神戸大学人文学研究科教授)
    • 15:30 - 16:00
    • 全体討論

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    • http://www.lit.kobe-u.ac.jp/zunou/images/poster/150210.pdf
  •  
  • 主催:頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者育成」
  • 共催:神戸大学大学院人文学研究科日本文化社会インスティテュート
  • Doctoral Workshop
    Innovative Japanese Studies through International Cooperation
    Graduate School of Humanities, Kobe University
  •  
  • 日時:2014年12月16日〈火〉 10:30~13:30
  • 場所:ヴェネツィア大学・アジア北アフリカ研究科 カルミニ・ヴェンドラミン館
  • プログラム
  •  総合司会:ボナヴェントゥーラ・ルペルティ(ヴェネツィア大学教授)
    • 10:30
    • 開会の挨拶:福長進(神戸大学教授)
    • 10:35~
    • “Visual Images of Japanese Culture in Italy: An Investigation of Geography Textbooks(1912-2014)”
    •  梅村麦生(神戸大学人文学研究科研究員)
    • 11:35~
    • “Potential of Cosmopolitanism in the Social Sciences: An Investigation of “No Grandi Navi”Committee in Venice”
    •  大川内晋(神戸大学人文学研究科博士後期課程)
    • 12:35~
    • “Multiple Interpretations of Pinocchio: A Study of the relationship between “MITATE” and ambiguity”(Pinocchioとその解釈の多様性―「見立て」と曖昧さの関係の一考察)
    •  松本風子(神戸大学人文学研究科博士後期課程)

    • 当日のポスターはこちら
    • http://www.lit.kobe-u.ac.jp/zunou/images/poster/141216.pdf
  •  
  • 主催:頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者育成」
  • 共催:ヴェネツィア大学アジアアフリカ地中海学科
  • 第3回 日本語・日本文化教育研究会
  •  
  • 日時:2014年12月13日(土)14:30~17:00
  • 場所:ハンブルク大学アジア・アフリカ研究所
  • プログラム
  •  総合司会:實平雅夫(神戸大学教授)
    • 14:30 - 14:40
    • 開会の挨拶:實平雅夫
    • 14:40 - 15:25
    • “A trial in introducing portfolios into reading classes for Japanese Literature”(文学講読の授業におけるポートフォリオ導入の試み)
    •  木曽美耶子(神戸大学人文学研究科特別研究員)
    • 15:25 - 16:10
    • “Continuity in Teaching Japanese as a Foreign Language to International Students - student exchange between Hamburg University and Kobe University”(留学における日本語教育の連続性 - ハンブルク大学と神戸大学 - )
    •  實平雅夫(神戸大学留学生センター副センター長・教授)
    • 16:10 - 16:20
    •  休憩
    • 16:20 - 16:50
    •  ラウンドテーブル
    • 16:50 - 17:00
    • 閉会の挨拶:實平雅夫
    •  
    • 当日の様子はこちら
  •  
  • 主催:頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者育成」
  • 共催:ハンブルク大学人文科学部アジア・アフリカ研究所日本学科
  • 2014 年度「頭脳循環プログラム」ブリュッセル・ワークショップ
    「見立て」の諸相-フィクション・社会的現実・象徴
    Varieties of "Mitate": Fiction, Social Reality, and Symbolism
  •  
  • 日時:2014年10月13日(月)09:30~18:10
  • 場所:神戸大学ブリュッセル・オフィス

  •  当日のプログラムはこちら
  •  当日の様子はこちら
  •  http://www.kobe-u.ac.jp/NEWS/info/2014_11_06_03.html
  •  
  • 主催:頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者育成」
  • 日本文化における「見立て」の諸相
  •  
  • 日時:2014年7月21日(月・休)14:00~17:45
  • 場所:文学部A棟1階 学生ホール
  • プログラム
    • 14:00 ‐ 15:00
    • 「中世から近世へ―謡曲『蝉丸』から近松門左衛門の『蝉丸』へ・見立て、やつしの問題」
    •  ボナヴェントゥーラ・ルペルティ
    •  (ヴェネツィア大学教授)
    • 15:00 - 16:00
    • “Nuclear Mitate in Miyazaki Hayao’s Totoro.”(「宮崎駿の『トトロ』における核の見立て」)
    •  チャールズ・井上(タフツ大学教授)
    • 16:00 - 16:15
    •  休憩
    • 16:15 - 17:15
    • 「『源氏物語』の準拠と「見立て」」
    •  福長進(神戸大学教授)
    • 17:15 - 17:45
    •  全体討議
  •  
  • 主催:頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者育成」
  • 学術講演会「ハンブルク大学における日本語漢字教育」
  •  
  • 日時:2014年7月18日(金)13:20~14:50
  • 場所:文学部B棟331教室
    • 講師
    • 杉原早紀(ハンブルク大学人文科学部アジア・アフリカ研究所日本学科専任講師)
    • 題目
    • 「ハンブルク大学における日本語漢字教育」
  •  
  • 主催:頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者育成」
  • 共催:日本文化社会インスティテュート、留学生センター
  • 人文学研究科 第2回日本語・日本文化教育研究会
  •  
  • 日時:2014年7月16日(水)15:00~18:00
  • 場所:文学部A棟1階学生ホール
  • プログラム
    • 15:00 ‐ 15:30
    • 「日本語教育における古文・古典文法教育」
    •  鈴木義和(神戸大学人文学研究科教授)
    • 15:30 - 16:00
    • 「文学作品を用いた外国語教育における工夫」
    •  大杉奈穂(神戸大学人文学研究科博士後期課程)
    • 16:00 - 16:15
    •  休憩
    • 16:15 - 17:30
    • 「現代日本文学を用いた上級学習者の読解授業」
    •  杉原早紀(ハンブルク大学専任講師)
    • 17:30 - 18:00
    •  ラウンドテーブル
  •  
  • 当日の様子はこちら
  • 主催:日本学術振興会「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム」神戸大学大学院人文学研究科「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者養成」(平成25~27年度、平成25年度まで「頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム」)
  • 共催:神戸大学大学院人文学研究科日本文化社会インスティテュート・留学生センター
  • 人文学研究科 第1回日本語・日本文化教育研究会
  •  
  • 日時:2014年6月30日(月)15:10~17:00
  • 場所:文学部C棟2階プレゼンテーションルーム
  • プログラム
    • 15:10 - 15:15
    •  開会の挨拶
    • 15:15 - 15:45
    •  日本語教育における古典文学作品と古典文法
    •   鈴木義和(神戸大学大学院人文学研究科教授)
    • 15:45 - 16:15
    •  外国語教育の新たな可能性―文法訳読法の工夫とスカイプを用いた授業について
    •   大杉奈穂(神戸大学大学院人文学研究科博士後期課程)
    • 16:20 - 17:00
    •  ラウンドテーブル
    • 17:05 - 17:10
    •  閉会の挨拶

    • 当日の様子はこちら

  • 主催:日本学術振興会「頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム」神戸大学大学院人文学研究科「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者養成」(平成25~27年度、平成25年度まで「頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム」)
  • 共催:神戸大学大学院人文学研究科日本文化社会インスティテュート・留学生センター
  • キックオフ・シンポジウム「New Steps in Japanese Studies」
  •  ポスターはこちら
  •  
  • 日時:2014年6月4日(水)13:00~17:00
  • 場所:瀧川学術交流会館
  • 内容
  •  開会挨拶
      井上典之(神戸大学副学長・法学研究科教授)
  •  報告
  •   Anna Kristina Schrade(日欧連携教育府特命講師)
       「Housewives as political agents of change in the
       1950s and 1960s」
  •   大久保元正(人文学研究科「頭脳循環プログラム」研究員)
  •    「現代日本の社会変動における排除的側面について」
  •   Anton Luis Sevilla(アテネオ・デ・マニラ大学専任講師)
  •    「英語圏における和辻研究の可能性」
  •   Molly Vallor(人文学研究科特命助教)
  •    「天龍寺の造営に関する多角的検討――夢窓疎石の思想を
       中心に」
  •   Laurence Mann(オックスフォード大学研究員)
  •    「延喜式祝詞における口誦性について」

  •  当日の様子はこちら

  • 主催:日本文化社会インスティテュート
  • 共催:頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者育成」
  • ワークショップ「『冥途蘇生記』のテクストとその外延」
  • 日時:2014年2月24日(月)13:00~15:30
  • 場所:神戸大学人文学研究科B棟1階B135(小ホール)
  • プログラム
    • 13:00 - 14:40
    •  ヨルク・クヴェンツァー(ハンブルク大学教授)
    •  「中世文学における仏教的な夢」(仮)
    • ディスカッサント:
    •  福長進(神戸大学人文学研究科教授)
    •  市澤哲(神戸大学人文学研究科教授)
    •  樋口大祐(神戸大学人文学研究科准教授)
    • 司会:田中康二(神戸大学人文学研究科教授)
    • 14:40 - 14:50 休憩
    • 14:50 - 15:30 質疑応答とディスカッション

  • 主催:頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者育成」
  • 日独共同による日本語教育と日本古典文学教育の融合を巡るワークショップ
  • 日時:2014年2月20日(木)13:30~17:00
  • 場所:神戸大学人文学研究科A棟1階学生ホール
  • プログラム
    • 13:30 - 13:40 開会の辞
    • 13:40 - 14:40
    •  ヨルク・クヴェンツァー(ハンブルク大学教授)
    •  「ハンブルク大学日本学科における日本語教育―その体制と古文・古語の教育」(仮)
    • 14:40 - 15:10
    •  福長進(神戸大学人文学研究科教授)
    •  「古文・古語の教育実践」
    • 15:10 - 15:30 休憩
    • 15:30 - 16:50 ラウンドテーブル
    • 16:50 - 17:00 閉会の辞
    • 懇親会

  • 主催:頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者育成」
  • 共催:人文学研究科IJS日本語日本文化教育インスティテュートコロキウム2014&KISC神戸大学留学生センター第32回コロッキアム
  • 講演会「Oxford Corpus of Old Japanese: Introduction and Applications」
  • 日時:2013年12月16日(月)14:30~15:30
  • 場所:神戸大学人文学研究科A棟1階学生ホール

  • 講演者:ビヤーケ・フレレスビッグ教授(University of Oxford)
  •  「Oxford Corpus of Old Japanese: Introduction and Applications」

  • 主催:頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム「国際共同による日本研究の革新―海外の日本研究機関との連携による若手研究者育成」

共同研究成果

 随時掲載予定です。

派遣者の研究活動成果

  • 【氏名】大杉奈穂
  • 【タイトル】文学作品を用いた日本語教育―読解力と読む楽しみに着目して―(Introducing Worksheets into Japanese Language Education using Literature: Focus on Reading Comprehension and Pleasure of Reading)
  • 【研究会名】頭脳循環プログラム総括シンポジウム・日本研究の革新―回顧と展望―(New Steps in Japanese Studies: Retrospect and Prospect)
  • 【報告日】2016年3月20日
  • 【場所】神戸大学文学部A棟1階学生ホール
  • 【要旨】本発表では、ハンブルク大学日本学科でのインターン活動について簡単に紹介した後、報告者が2015/16年冬学期の「文献講読」の授業に導入したワークシートについて考察した。「文献講読」は現代日本文学作品を読む授業であり、学習者の物語の正確な理解を促し、また読む楽しみを引きだして授業後も自発的に日本語で日本の小説を読むことを目的として、要約と意見等を書くワークシートを導入したのだが、履修者を対象に行ったアンケート結果から、ワークシートは内容理解を大いに促すが、読む楽しみや自発的な読みには繋がりにくいことが明らかとなった。しかし、学習者はワークシートに取り組むことで書く能力を向上させ、物語について深く考えられることがうかがえた。また、ワークシートを添削することで個々の学習者の内容の理解度を確認でき、その上要約中の間違いから学習者がどのような文法等を難しいと感じているかが把握できることを述べた。そして、報告者が導入したようなワークシートによって、言語面・内容面のバランスのとれた読解授業が行え、またワークシート上で個々の学生に、授業でクラス全体にフィードバックを行うことでより学習者に合った授業を展開できることを提示した。
  • 【氏名】松本風子
  • 【タイトル】日本における『ピノッキオの冒険』の翻訳・翻案―子供の“見立て”としての人形の役割から見る原作との差異(Translations and adaptations of Le Avventure di Pinocchio in Japan a different perception of marionette/Child between Italy and Japan)
  • 【研究会名】頭脳循環プログラム総括シンポジウム・日本研究の革新―回顧と展望―(New Steps in Japanese Studies: Retrospect and Prospect)
  • 【報告日】2016年3月20日
  • 【場所】神戸大学文学部A棟1階学生ホール
  • 【要旨】Carlo CollodiのLe avventure di Pinocchioは主人公が“人形”ということがキリスト教的側面とも結び付きつつ重視される。しかし、日本の翻訳・翻案ではその重要な変容のシーンが軽視される。そこで本報告では、なぜ日本語訳ではそのシーンが軽視された形で独自の展開をみせていくのかということを“見立て”の視点から明らかにした。原作では人形から人間への“変容”は“ロバになる”などの外皮的な変化ではなく、本質的な変化であり、“人間に近い無生物としての人形”に対する“人間”の優位性という点からも、人形ピノッキオの外在化が重要なのである。また原作において、人間になる条件としてbuon cuore、giudizio、ragioneがあり、それらが欠如した存在が“人形”とされる。しかし、これらは日本語訳では重視されず、岡田八千代の脚本では人形ピノッキオは「脱ぐ」ものであり、村山壽子の翻訳では「ぬけがら」にすぎない。つまり、人形から人間になることによる本質的な変化ではなく、人形はあくまで外皮的なのである。そこに日伊の人形に対する認識の差異がある。これらを踏まえ、原作において、「人形が人間より劣った存在」「子供が善にも悪にも進みうる境界の存在」「人形も子供もgiudizioの欠如した存在」という共通の認識をもって「子供の見立てとして人形」が成立しうるが、人形に対する認識の差異のために、日本語訳では成立しえない。以上から日本語訳においては「人形から人間への変容」が軽視されてしまうことを示した。
  • 【氏名】浦野剛司
  • 【タイトル】澁澤龍彦のプリニウス-作家の自己投影と見立て(Shibusawa Tatsuhiko’s Pliny: Mitate in Literary Reflection)
  • 【研究会名】頭脳循環プログラム総括シンポジウム・日本研究の革新―回顧と展望―(New Steps in Japanese Studies: Retrospect and Prospect)
  • 【報告日】2016年3月20日
  • 【場所】神戸大学文学部A棟1階学生ホール
  • 【要旨】プリニウス『博物誌』の第2巻、天体論の中で繰り広げられていた神々に関する記述に対し、中世を頂点として宗教的な批判があり、プリニウスが「異端者」と見做されていたこと、そして、タブーを畏れることなく世界を捉えようとするプリニウスの自然観に対する共感が『私のプリニウス』の底流にある、というこれまでの調査結果をもとに、澁澤龍彦『私のプリニウス』の読み直しを図った。『私のプリニウス』の記述の各所には、『博物誌』の記述を「短編作家の筆致」、「これは文学である」、そして「物語」と形容した部分などがある。これは『博物誌』が科学的に信用できないものであるという捉え方、つまり『博物誌』を自然科学の文献と捉えた読みを、プリニウスのエクゾティシズムや想像力の結晶と捉えた文学的な読みに変えようという澁澤の狙いが表れたものであった。この「想像力」による物語の方法は、既成概念にとらわれないプリニウスの自然観に由来するものである。これが『唐草物語』『ねむり姫』『うつろ舟』『高丘親王航海記』等、澁澤の晩年における小説作品のスタイルと通底するものであることにより、澁澤の文筆活動においてプリニウスが占める位置を示した。
  • 【氏名】大杉奈穂
  • 【タイトル】日本語日本文化教育インターンの活動成果と今後の課題
  • 【研究会名】第6回日本語・日本文化教育研究会
  • 【報告日】2016年3月15日
  • 【場所】神戸大学文学部C棟2階プレゼンテーションルーム
  • 【要旨】派遣先のハンブルク大学日本学科での日本語・日本文化教育インターンについて紹介し、報告者がティーチングアシスタントとして行った活動について報告した。また、1年間のティーチングアシスタント活動を通して、ドイツ語と日本語の構造や表現の違いを把握することでドイツ語が母語の日本語学習者の誤用の原因を比較的容易につきとめられたことを述べ、具体例を提示した。
  • 【氏名】木曽美耶子
  • 【タイトル】日本語日本文化教育インターンの活動成果と今後の課題
  • 【研究会名】第6回日本語・日本文化教育研究会
  • 【報告日】2016年3月15日
  • 【場所】神戸大学文学部C棟2階プレゼンテーションルーム
  • 【要旨】2014年3月26日から2015年3月20日までの約一年間の派遣期間の中で行った日本語教育インターンシップについて報告した。ハンブルク大学アジア・アフリカ研究所日本学科の授業に関わるティーチングアシスタント(TA)の活動、及び、授業外における活動内容について具体例を示しながら報告し、活動を通して得られた成果と課題について述べた。また、今後の日本語教育インターンシップの発展に向けての課題について言及した。
  • 【氏名】松本風子
  • 【タイトル】Translations and acceptance of Pinocchio in the Japanese literary context
  • 【研究会名】Framing Japanese and Italian Culture as Mutual Otherness
  • 【報告日】2016年2月15日
  • 【場所】神戸大学文学部A棟1階学生ホール
  • 【要旨】本報告は、イタリアの児童文学Carlo CollodiのLe avventure di Pinocchioの日本語訳を通して、その作品の日本での受容史の足がかりとするものである。とりわけ『ピノッキオの冒険』のラストシーンである“人形から人間への変容”が、日本語訳にどのように反映されているのかということに着目した。1920年頃から佐藤春夫の英訳からの翻訳を皮切りとして、彼の影響を受けつつ大木惇夫の翻訳、岡田八千代の児童劇の脚本などが登場する。岡田の脚本ではラストシーンで人形ピノッキオは「脱いでおしまひ」と表現される。そして初のイタリア語からの翻訳は村山壽子によってなされ、彼女の訳は人形ピノッキオを「ぬけがら」と表現する。その後、翻案も執筆しているが、その中で木の人形である主人公は人間になることなく死んでしまう。このように、人形ピノッキオは外皮的なものとしてとらえられ、さらにはそれが人間へと変容することにあまり価値がおかれていない。さらに戦後にディズニー版の映画『ピノキオ』が公開されるとその傾向は強くなる。それ以後の『ピノッキオ』の翻訳(再話、抄訳含む)のターゲットが低年齢化していくと同時に、『ピノッキオ』の教育的な側面に焦点があたり、冒険のプロセス、教訓が強調され、ラストシーンが省略されたものが多数出版される。このように、原作において重視されるラストシーンが省略・簡略化された日本独自の『ピノッキオ』が形づくられていく。それは“子供”が“人形”として“見立て”られる際に、日伊の人形に対する認識の相違によって、その“見立て”が引き継がれていないのではないかという問題を提起した。
  • 【氏名】梅村麦生
  • 【タイトル】Visual Images of Japanese Culture in Geography Textbooks in Italy (1912-2014)
  • 【研究会名】Framing Japanese and Italian Culture as Mutual Otherness
  • 【報告日】2016年2月15日
  • 【場所】神戸大学文学部A棟1階学生ホール
  • 【要旨】本報告では、イタリアで1912年から2014年に出版された主に中等教育後期(高校に相当)向けの地理教科書における日本項目に関する記述と視覚資料を取り上げ、そこで用いられてきた日本文化についての視覚イメージの変化と再生産について検討した。本報告では、イタリアの地理教科書における日本項目には、歴史的に西洋主に西ヨーロッパの教科書からの影響や、地理百科事典や観光地理からの影響が見られ、そしてマスメディアやポピュラー・カルチャー等と比べると相対的な安定性と時間差があることを指摘した。その中で、日本人の信仰や文化を示す日本のアイコンとして富士山のイメージが長期間にわたって、なおかつさまざまなイメージと組み合わせられながら再生産されていることを明らかにした。富士山はいわば日本文化を「見立て」る枠組みとして用いられており、さらにその中で時代が下るにつれて「富士山と新幹線」といったかたちで「近代と伝統の二重性」(並存または矛盾)という視点が浮上していた。この視点は、古いイメージの残存と新しいイメージの登場によって、地理教科書では強化される傾向にあり、その点に関して日本の側からのセルフ・オリエンタリズムも寄与していると考えられるということを示唆した。
  • 【氏名】大杉奈穂
  • 【タイトル】文学作品を用いた日本語教育-読解力の向上と読む楽しみに着目した活動の導入(Activities in Japanese Language Education using Literary Works: For Drawing to Reading Comprehension and Pleasure of Reading)
  • 【研究会名】第5回日本語・日本文化教育研究会
  • 【報告日】2016年1月29日
  • 【場所】ハンブルク大学アジア・アフリカ研究所120号室
  • 【要旨】本発表では、ハンブルク大学日本学科2015/16年冬学期に「文献講読」の授業で取り入れたワークシートに関して考察した。文学作品を用いた読解授業において、言語面と内容面のバランスをとることは重要であるが、要約と意見・感想等を書く問いから構成されるワークシートを取り入れることによって、どちらの面にも傾きすぎないような授業、つまり、読解能力を伸ばしつつ、文学作品を読む楽しみを引き出す授業が行えることを提示した。また、学生の書いた要約や意見・感想等から、どのような文法項目、内容が学習者にとって理解しにくいかを把握することができ、それらをクラス全体の苦手項目とし、授業で集中的に扱うことにより、より学習者に合った授業が行えることを提示した。
  • 【氏名】Anna Bordilovskaya
  • 【タイトル】A Study of English Loanword Adjectival Modifiers in Contemporary Japanese(現代日本語における英語由来借用語修飾語の研究)
  • 【研究会名】The East Asian Linguistics Seminar
  • 【報告日】2016年1月26日
  • 【場所】Oriental Institute, University of Oxford
  • 【要旨】現代日本語の語彙には次の三つの語源的な層があることが知られている:母国語、中国語に影響を受けた日本語、大部分が英語からやってきた借用語。この層化はたくさんの異なる語源の三つ子の同義語を生み出す結果となった。しかし近年では、言語的必要性によって英語からの借用語の拡大が借用語の同化の過程を生みだしている。本研究では、ELAMs(English Loanword Adjectival Modifiers 英語由来借用語修飾語) におけるELAM+名詞のパターンの選択のコロケーションを調べるために、BCCWJのデータを用いる。コーパスデータ分析の結果ELAMsの制約を特定することに貢献し、英語由来の借用語の拡大は、日本文化が国内外起源の同じ現象を区別するための一つの方法であることが提起された。
  • 【氏名】Anna Bordilovskaya
  • 【タイトル】English Loanword Modifiers as a Means for Native vs. Foreign Differentiation in Contemporary Japanese(伝統的な文化と海外文化の使い分けとしての外来語修飾語:現代日本語のケーススタディ)
  • 【研究会名】International Conference on Language Learning – Hawaii 2016
  • 【報告日】2016年1月10日
  • 【場所】The Hawai’i Convention Center, Honolulu, Hawaii, U.S.A.
  • 【要旨】本研究の対象は、明治時代に英語から借用された外来語修飾語(ホット、ブラック、アクティブなど)である。国立国語研究所が開発した現代日本語書き言葉均衡コーパスを用い、約100語の外来語修飾語のコロケーションを調べ、外来語修飾語+名詞という名詞句のコロケーションパターンの傾向を検討した。外来語修飾語のコロケーションデータをみると、現代日本語における外来語修飾語の使用は限られている。外来修飾語は主に欧米諸国から借用された現象の性質を記述する時に使われる傾向があり、一方、既存語の和語や漢語は、日本の伝統的な文化現象の性質を記述する時に使用される傾向が強い。したがって、現代日本語は同質的なコロケーションを好み、外来語修飾語は外来語名詞を修飾することが多く見られる。
  • 【氏名】浦野剛司
  • 【タイトル】澁澤龍彦のプリニウス―科学的批判と思想的批判(Sibusawa Tatsuhiko's Pliny - Between Scientific Criticism and Criticism on Thoughts)
  • 【研究会名】New Steps in Japanese Studies(Zunōjunkan Project)
  • 【報告日】2015年12月18日
  • 【場所】ヴェネツィア大学アジア北アフリカ研究学科
  • 【要旨】プリニウス『博物誌』の第2巻、天体論の中で繰り広げられていた神々に関する記述に対し、中世を頂点として宗教的な批判があり、プリニウスが「異端者」と見做されていたというこれまでの調査結果をもとにして澁澤龍彦『私のプリニウス』の記述を見直した。そして、『博物誌』第2巻第22節から25節の記述を前提とすることで、『私のプリニウス』の第五回「薬草と毒草」の章において澁澤がわずかに触れていた「偶然」という言葉に込められているプリニウスの「思想」が、「運命論の否定」であり、無神論的思想につながるものであることを確認した。作品中ではこの箇所以外にプリニウスの思想性に触れた部分はなく、それが強調されることはなかったのであるが、第二回「エチオピアの怪獣」の章などでしばしば強調されている、プリニウスに対する科学的批判を宗教的批判に見立ててその構造をなぞり、またこの作品の「あとがき」と、プリニウスを主人公とした澁澤の短編小説「火山に死す」とを補助線とすることで、タブーを畏れることなく世界を捉えようとするプリニウスの自然観に対する共感が『私のプリニウス』の底流にあることを示した。
  • 【氏名】田中真一
  • 【タイトル】借用語音韻論と見立て:イタリア語・日本語借用語における韻律の受け入れ(Loanword phonology and mitate: the adaptation of prosody in Italian and Japanese loanwords)
  • 【研究会名】New Steps in Japanese Studies(Zunōjunkan Project)
  • 【報告日】2015年12月18日
  • 【場所】ヴェネツィア大学アジア北アフリカ研究学科
  • 【要旨】母音や子音といったセグメントに着目する研究が主流をなす従前の借用語研究に対して、韻律要素の借用という新たな視点からアプローチを試み、大方の評価を得た。
  • 【氏名】Anna Bordilovskaya
  • 【タイトル】Is Shiroi Howaito? English Loanword Modifiers in Contemporary Japanese
  • 【研究会名】IAFOR 7th Asian Conference on Education
  • 【報告日】2015年10月21日~25日(Virtual presentation)
  • 【報告動画】こちら
  • 【場所】Art Center of Kobe(Japan)
  • 【要旨】英語と日本語の歴史的接触は、英語語源の語彙の広範囲にわたる導入をもたらした。日本の言語は中国語を語源とする書き言葉のシステムと借用語を上手く取り入れたが、英語との接触にあっては、政治的歴史的要因のために急激でコントロールがきかないものであった。現代に日本語においても、英語からの継続的な借用のため増加し続けており、日本語学習者にとっての問題の一つとなっている。今回の研究は、英語由来修飾語の使用について明らかにすることを目的としている。私たちは、借用修飾語の使用の制約を示し、日本文化にとって英単語の広範囲な借用が国内外起源の同じ現象を区別するための方法の一つであったことを提起する。
  • 【氏名】田中真一
  • 【タイトル】Loanword adaptation in Italian and Japanese: from the perspective of Mitate
  • 【研究会名】ブリュッセル・ワークショップ 日本研究の新たな可能性を求めて Part II
  • 【報告日】2015年10月10日
  • 【場所】神戸大学ブリュッセル・オフィス
  • 【要旨】イタリア語と日本語における相手言語および英語からの借用語の分析を通して、両言語の受入れ方策の共通性および相違点を新たに提示し、その言語学的意味、見立てとの関係を論じた。上記3言語の音韻構造の異同を確認後、とくに、イタリア語から日本語に入った借用語の母音と子音受け入れ調整とアクセントとの関わり、逆に日本語からイタリア語に入った借用語の強勢の調整を分析し、最終的な出力に至るまでの変換法則を見いだした。さらに、英語の語基(base)とイタリア語の接辞(affix)との組み合わせによる新しいイタリア語動詞(google + are(イタリア語動詞活用語尾)→ googlare)等を、類似の構造を持つ日本語(google + ru : guguru(ググる))等と対照し、音韻・形態・意味それぞれの面において特徴的な振る舞いを見せることを示し、一般化を試みた。
  • 【氏名】大杉奈穂
  • 【タイトル】日本語教材としての文学作品
  • 【研究会名】ブリュッセル・ワークショップ 日本研究の新たな可能性を求めて Part II
  • 【報告日】2015年10月10日
  • 【場所】神戸大学ブリュッセル・オフィス
  • 【要旨】本報告では、ハンブルク大学日本学科の”Lektüre(文献講読)”履修者を対象に行ったアンケート結果をもとに、教材としての文学作品について考察した。言語教育の現場において近年教材としての文学作品の利用が見直されているなか、日本語教育においては文学作品の利用はほとんど議論されていない。したがって、報告者はアンケート結果から、文学作品は学習者の日本語レベルに需要があり、また特に小説が学習者に受け入れやすいことを明らかにし、教材としての文学作品の重要性を提示した。また、先行研究においては言及されてこなかった、文学作品が学習者のどのような能力を伸ばすかについてアンケート結果から考察し、その結果、学習者の読む・書く能力や表現力、または異文化理解の向上が見られることが明らかとなった。しかし、聞く・話す能力は向上したとは言い難く、文学作品を用いて4技能を総合的に伸ばすには、文法・単語の確認に時間を多く費やすことなく、また物語内容を正確に把握することが重要であることがうかがえた。そのようなアンケート結果から、報告者は文法・単語、そして物語内容の理解を促すTAの工夫の必要性を提示した。
  • 【氏名】浦野剛司
  • 【タイトル】Shibusawa Tatsuhiko’s Pliny:On a pagan model of how to write a natural history
  • 【研究会名】ブリュッセル・ワークショップ 日本研究の新たな可能性を求めて Part II
  • 【報告日】2015年10月10日
  • 【場所】神戸大学ブリュッセル・オフィス
  • 【要旨】晩年の澁澤が中心的な題材としたプリニウスの『博物誌』は、科学的な価値観からは誤謬の集成としてうち捨てられ、現在のイタリアでもあまり読まれることのないという書物である。なぜ晩年の澁澤はこの本に目を付けたのか、その内的な動機を解明するため、『博物誌』の受容における問題について報告を行った。 日本におけるプリニウスの翻訳者である中野里美氏、英語圏で最も広く受け入れられているというH. N. ウェザーレッドの解説書の記述、そして現代イタリアの『博物誌』のイタロ・カルヴィーノによる解説など、時代や国籍はさまざまであるが、プリニウスの受容においては各所で宗教的な問題が起きていることを確認した。現代的・科学的な視点からは荒唐無稽というほかはない『博物誌』の記述を文学として楽しみ、プリニウスが多くの先行文献の情報を元に記述を膨らませていったその想像力の働きを明らかにする、というのが澁澤の最初の見立てであったが、そのような評価は連載が進むにつれて影を潜めていく。そこで『博物誌』の受容の歴史の中でプリニウスが無神論者として批判されているという事実をふまえ、神の存在を否定し、迷信をできるかぎり切り捨てて世界を把握しようとしていたプリニウスの世界観がその見立てを裏切っていった原因であった、という可能性について論じた。
  • 【氏名】Anna Bordilovskaya
  • 【タイトル】A corpus-based approach to the classification of English-origin loanword adjectives in Contemporary Japanese
  • 【研究会名】The 21st Conference of the International Association for World Englishes
  • 【報告日】2015年10月8日
  • 【場所】Boğaziçi University(Istanbul,Turkey)
  • 【要旨】近年の日本語の語彙は、日本語、中国語、英語を主としたヨーロッパ語という異なる由来の言葉を組み合わせた大変複雑なものである。英語由来の言葉の流入の増加によって、起源の近い同義語の間の分化は重要な問題になっている。BCCWJを用いた分析の結果、借用語形容詞は、1.借用形容詞が借用名詞の形容に用いられる抑制されたタイプと2.このような関係を持たない抑制されていないタイプの2つの主要なタイプに分類できることが明らかになった。組み合わせの相手の選択の違いは日本文化が西欧化をどのように扱っているかを反映している。一方では、日本は新しい現象を伴った急速な西欧化を経験しており、言語にとっては短い時間でそれらに言及しなければならなかった。他方では、日本の言語と文化は海外のものと国内のものを分離させようとし続けてきた。ここから、同義語に近い英語語源の言葉を借りることは文化的境界線を守る機能を持っていた。
  • 【氏名】梅村麦生
  • 【タイトル】文化社会学の視覚論的転回(ビジュアル・ターン)に関する一考察 ──ニクラス・ルーマンのコミュニケーション・メディア論との対比で
  • 【研究会名】第88回日本社会学会大会
  • 【報告日】2015年9月19日
  • 【場所】早稲田大学戸山キャンパス
  • 【要旨】本報告は、派遣者の研究テーマ「イタリアにおける現代日本文化のビジュアル・イメージについての研究」の方法論の部分に関して参照し、また共同研究のテーマである「見立て」を視覚イメージの再生産の技法として捉えた際に関わってくる議論として、近年の文化社会学の分野で議論されている「視覚論的転回」(ビジュアル・ターン)の意義と問題を、ニクラス・ルーマンのコミュニケーション・メディア論との比較を踏まえて検討した。本報告では、視覚論的転回の代表的な議論として、W・J・T・ミッチェルの「画像論的転回」(Pictorial turn)の議論と、ジェフリー・C・アレクサンダーの「アイコン」(Icon)に関する議論を取り上げた。これらの議論で表されている視覚論的転回は、従来は社会的な意味をもとに視覚イメージが論じられてきたのに対し、むしろ視覚イメージの側からの社会的な意味への影響を重視する立場であった。そしてミッチェルが立てた、画像自体をあたかも欲望や意志をもつものとして捉える「画像は何を欲するか」(What Do Pictures Want?)という問いは、それをめぐるコミュニケーションが、ルーマンのコミュニケーション・メディア論の視点から見ると、視覚メディアを中心とした二次の観察として理解することができるものであった。アレクサンダーによる物質性と意味性の二面体としてのアイコンという概念は、そうした視覚メディア自体のある種の自律性と、それに対する社会的な意味づけとの差異を反映するものであった。
  • 【氏名】田中真一
  • 【タイトル】Gemination and Accent in Japanese loanwords from Italian: Mitate in loanword phonology
  • 【研究会名】第1回日本語言語学研究会
  • 【報告日】2015年8月15日
  • 【場所】オックスフォード大学東洋学部日本語研究センター
  • 【要旨】ヴェネツィア大学との共同研究のテーマである「見立て」という観点から、イタリア語から日本語に借用された外来語の分析を行い、特に母音と子音の長さについて、借用元の音声と借用先の音韻構造の組み合わせが影響することを、データに基づき報告した。『広辞苑』(第5版)、『コンサイス・カタカタ語辞典』(第2版)、『大辞林』に収録されたイタリア語からの借用語をコーパスとし、母音と子音の特に長さの借用パターン (adaptation) について、借用元、借用先両言語の組み合わせによって出力形が決定されることを示した。具体的には、母音の受け入れについては、基本的にイタリア語側において最も基本的なアクセント・強勢位置(語末2音節目)にある開音節(母音終わりの音節)においては長母音として実現され、それがイタリア語の音声特徴を反映していることを示し、それと同時に、語末3音節目に強勢のある(つまり、位置の条件のみの異なる)例においてはそれが実現されないといった非対称性が見られること、そしてそれが、日本語側の音韻構造(外来語アクセント規則)を反映した結果であることを報告した。さらに、特に単子音と二重子音の受け入れに関して、それぞれ知覚との関連性について、実験結果をもとに報告した。
  • 【氏名】Anna Bordilovskaya
  • 【タイトル】Collocation Patterns of Gairaigo Adjectival Modifiers: A corpus based study
  • 【研究会名】第1回日本語言語学研究会
  • 【報告日】2015年8月15日
  • 【場所】オックスフォード大学東洋学部日本語研究センター
  • 【要旨】本研究は、BCCWJ (Balanced Corpus of Contemporary Written Japanese)のデータを用いて現代日本における英語からの外来語修飾語の長期間にわたる同化のコロケーションパターンについて検討する。我々の調査結果は、一般的に日本語の語彙に含まれる外来語が多くないにも関わらず(全体の10%でBCCWJの5%)、外来語修飾語が和語や漢語の名詞よりも外来語名詞と連なって用いられる傾向があることを示した。ここから我々は外来語の修飾語が、通常は外来語の名詞によって示される外国由来の現象の説明に用いられ、さらに借用語名詞に用いられる傾向があることを示唆することができる。
  • 【氏名】田中真一
  • 【タイトル】The adaptation of Italian geminates and vowels in Japanese: its relation to perception
  • 【研究会名】Conference on Geminete consonants 2015 (International Congress of Phonetic Sciences 2015)
  • 【報告日】2015年8月12日
  • 【場所】Scottish Exhibition and Conference Centre (Glasgow)
  • 【要旨】イタリア語から日本語に借用された外来語における、二重子音の受け入れ(adaptation)に着目し、両言語の影響および、その日本語話者の知覚との関係について報告を行った。日本語話者はイタリア語の二重子音の知覚は基本的に可能であるものの、その精度には子音の種類と生起位置により非対称の観察されることを示し、それが、実在の借用語のパターンに影響を与えていることを指摘した。具体的には、日本語側に(も)存在する無声阻害音([tt],[kk],[ss]等)の知覚精度はかなり高いのに対し、日本語に通常は生起しない流音による二重子音([ll].[rr])の知覚精度は低下すること、また、位置に関しては、語末に近い位置の二重子音の知覚精度は高いのに対し、そこから遠い位置の精度は相対的に低くなることを報告した。前者については、特に流音二重子音が二重子音としてではなくむしろ長母音として知覚される場合があることを指摘し、それが近年の借用パターン(burro : ブーロ、azzurri : アズーリ)と一致することを報告した。また、後者については、そのような位置の非対称が、イタリア語の強勢と持続時間との関係を反映したものであること、具体的には、イタリア語においてデフォルト位置である次語末の強勢音節が他の位置に比べて持続時間が長いため、二重子音(長子音)としての知覚率も向上することを指摘した。さらに、上記の非対称性が実在の借用語にも見られることから、借用の方策として、借用元と借用側の両方の音声構造が関わることを指摘した。
  • 【氏名】Anna Bordilovskaya
  • 【タイトル】Gairaigo Collocations and Phrase‐based Gairaigo Compounds in Contemporary Written Japanese
  • 【研究会名】The 13th International Cognitive Linguistic Conference (ICLC-13)
  • 【報告日】2015年7月22日
  • 【場所】Northumbria University (UK)
  • 【要旨】日本語の語彙の複雑で複合的な構造と過去150年におけるヨーロッパ系言語からの語の輸入によって、和語・漢語・外来語のように、異なる起源の同義語の多数の組み合わせ生じてきた。近年の研究では、我々は形容詞の修飾子に焦点を当てており、形態的な連語における外来語修飾子の変化の基礎を成している言語内的要因を検討されている。本報告ではLovedayのForeign vs. Nativeの二項対立図式を外来語修飾子の活用変化に用い、HCHG(Homogeneous Collocation Hypothesis for Gairaigo Modifiers )と名付けた仮説の下分析を行った。その結果、外来語修飾子の変化は漢語・和語の名詞より頻繁に外来語名詞の変化に用いられることが分かった。このことは形態的な連語において諸要素が同質性をもつ傾向があることが確かめられたといえる。
  • 【氏名】松本風子
  • 【タイトル】イタリア児童文学の中の子供像―見立てられた教育関係からの分析―
  • 【研究会名】頭脳循環プログラム研究成果報告会
  • 【報告日】2015年6月23日
  • 【場所】神戸大学文学部
  • 【要旨】本報告では、イタリアの代表的な児童文学である『ピノッキオの冒険』を分析対象とし、文学の中の子供像の一端として、monello(悪童)とされるピノッキオに着目し、その特性を明らかにした。monello像の分析として、イタリアの伝統であるカトリックの影響を含めた「物語」からのアプローチ、児童文学の必要性が高まった時代として「児童文学史」からのアプローチ、教育史を踏まえ、大人と子供の関係から分析した「教育関係史」からのアプローチの3点からそれぞれ分析し、ピノッキオの見せるmonello像が重層性をもち、そのイタリアの時代や宗教との関わりを表すことを明らかにした。
  • 【氏名】梅村麦生
  • 【タイトル】イタリアの地理教科書における日本と日本文化のビジュアル・イメージについての研究:ビジュアル・イメージの再生産における「見立て」の視点から
  • 【研究会名】頭脳循環プログラム研究成果報告会
  • 【報告日】2015年6月23日
  • 【場所】神戸大学文学部
  • 【要旨】本報告では、イタリアの高校地理教科書(1912-2014)でこれまで用いられてきた日本と日本文化についてのビジュアル・イメージの概要の紹介と、その中で何らかの特徴や傾向が見られるかという点について、文化社会学の視覚論的転回の議論の中で提起されているアイコン性と、日本学の中で提起されている「見立て」の視点から検討を行なった。都市、風土、農漁業、商工業、文化といったさまざまな題材がビジュアル・イメージとして取り上げられている中で、本報告では「伝統と近代」の二重性という視点が、むしろ現代に近づくにつれて浮上している点と、日本人の信仰や文化を示すアイコンとして「富士山」が20世紀初頭の教科書から挙げられており、そのイメージがいわば日本と日本文化を「見立て」るものとして再生産されていること、なおかつそこにも「伝統と近代」のまざなしが影響を与えていることを指摘した。
  • 【氏名】田中真一
  • 【タイトル】特殊モーラへのアクセント回避と位置算定: 大阪方言複合語アクセントの分析
  • 【研究会名】日本音韻論学会2015年度春期研究発表会
  • 【報告日】2015年6月19日
  • 【場所】首都大学東京秋葉原サテライトキャンパス
  • 【要旨】大阪方言におけるアクセントの世代差に着目し、同方言の「見立て」的側面の変化について報告した。日本語諸方言において、近年、アクセント(韻律)の面で東京方言化が進んでいることが、いくつかの研究において報告されている。大阪方言においても、それがアクセントの付与される韻律単位の変化といった面において進行していることを、3世代の話者(1930年代生、1960年代生、1990年代生)を対象とした調査により報告した。話者のうち、高中年2世代については『大阪・東京アクセント音声辞典』をコーパスとし、若年世代については、大阪市内生育で、1990年前後生まれの話者6名を対象としたインフォーマント調査を実施した。分析の結果、アクセント付与の単位として、(特殊)モーラ単独から音節全体へと移行が進んでおり、そのような面で大阪方言が他方言と同様、東京方言に影響された変化を遂げていることが明らかになった。それと同時に、従来の研究では指摘されて来なかった、語の長さ(サイズ)といった音韻・形態的要因が、アクセント付与に影響を及ぼしていることを新たに指摘した。さらに、この点について、とくに中若年2世代において、同要因が他の要因より強力に関与すること、つまり、世代によって「見立て」の方法が変化していることを示し、その言語学的意味を提示した。
  • 【氏名】Anna Bordilovskaya
  • 【タイトル】The Analysis of the Collocation Patterns of Gairaigo Adjectival Modifiers based on BCCWJ(BCCWJに基づく外来語修飾語コロケーションの分析)
  • 【研究会名】日本語コーパス言語学ワークショップ
  • 【報告日】2015年5月22日
  • 【場所】神戸大学文学部(スカイプ参加)
  • 【要旨】現代日本語の語彙の構造は、異なる起源の言葉―和語・漢語・外来語―の組み合わせであり、複雑で複層的である。本研究では、明治時代に取り入れられ、現代の日本語に頻繁に見出される、英語由来借用語の形容詞修飾語が、名詞を修飾するために用いられる場合のコロケーションパターンを探究する。資料としては三省堂のカタカナ言葉辞典と外来語辞典に用いられている101の言葉から40の言葉を抜き出し、BCCWJ (Balanced Corpus of Contemporary Written Japanese)のコロケーションパターンに基づいて分析を行った。その結果、外来語形容詞修飾語が、海外起源の現象、つまり和語や漢語の名詞ではなく外来語の名詞に対して用いられ易いことが分かった。
  • 【氏名】丸山岳彦
  • 【タイトル】コーパス言語学と日本語
  • 【研究会名】ベルゲン大学文学部 講演会
  • 【報告日】2015年3月27日
  • 【場所】ベルゲン大学
  • 【要旨】本講演は、ベルゲン大学文学部日本語学科で教鞭をとる教員に対して日本語コーパスについての情報を提供することを目的として、ベルゲン大学のハリー・ソルヴァン准教授から招聘を受けて開催したものである。講演中では、日本語コーパスの開発史と現状に関する説明と、日本語コーパスの検索と集計のデモンストレーションを行った。この10年の間に日本語コーパスの整備が急速に進み、書き言葉コーパス、話し言葉コーパス、歴史コーパス、学習者コーパスなど、多様な種類の日本語コーパスが林立する状態が生じている。これに伴い、コーパスを用いた日本語研究や日本語教育への応用が盛んに進められている。そこで本講演では、そもそも日本語コーパスがどのような過程で開発されてきたかについて、1950年代以降における国立国語研究所の研究(方言調査、語彙調査、話し言葉の調査など)を紹介した。さらに、現在どのような日本語コーパスが利用可能かを紹介し、それぞれの特徴を紹介した。特に、『日本語話し言葉コーパス』(CSJ)、『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ)の2つについて、その設計方針、構築過程、検索方法や分析結果の例について詳しく紹介した。また、(1) 「現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)」、(2) 「日本語話し言葉コーパス」、(3) 「青空文庫」、という3つのコーパス・言語資源を紹介した。これらを、「少納言」「中納言」「NINJAL-LWP for BCCWJ」「ひまわり」などの検索サイト・コンコーダンサを用いて検索し、さらにその検索結果について、Excelを使って集計する方法について示した。

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  • 【氏名】丸山岳彦
  • 【タイトル】Current Issues on Japanese Corpus Linguistics
  • 【研究会名】リュブリャナ大学文学部 講演会
  • 【報告日】2015年3月19日
  • 【場所】リュブリャナ大学
  • 【要旨】本講演は、リュブリャナ大学で日本語を学ぶ学部生・大学院生に対して日本語コーパスについての情報を提供することを目的として、リュブリャナ大学のアンドレイ・ベケシュ教授から招聘を受けて開催したものである。前半は日本語コーパスの開発史と現状に関する講演、後半は日本語コーパスの検索と集計に関するワークショップ、という形で実施した。この10年の間に日本語コーパスの整備が急速に進み、書き言葉コーパス、話し言葉コーパス、歴史コーパス、学習者コーパスなど、多様な種類の日本語コーパスが林立する状態が生じている。これに伴い、コーパスを用いた日本語研究が盛んに進められている。そこで本講演では、そもそも日本語コーパスがどのような過程で開発されてきたかについて、1950年代以降における国立国語研究所の研究(方言調査、語彙調査、話し言葉の調査など)を紹介した。さらに、現在どのような日本語コーパスが利用可能かを紹介し、それぞれの特徴を紹介した。特に、『日本語話し言葉コーパス』(CSJ)、『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ)の2つについて、その設計方針、構築過程、検索方法や分析結果の例について詳しく紹介した。また、後半のワークショップでは、現在どのような日本語コーパスが利用可能であるかを概説した上で、(1) 「現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)」、(2) 「日本語話し言葉コーパス」、(3) 「青空文庫」、という3つのコーパス・言語資源を紹介した。これらを、「少納言」「中納言」「NINJAL-LWP for BCCWJ」「ひまわり」などの検索サイト・コンコーダンサを用いて検索し、さらにその検索結果について、Excelを使って集計する方法について示した。

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  • 【氏名】丸山岳彦
  • 【タイトル】日本語コーパスの検索と集計
  • 【研究会名】BATJ(英国日本語教育学会)セミナー
  • 【報告日】2015年3月14日
  • 【場所】ロンドン大学 SOAS
  • 【要旨】本ワークショップは、日本語教育に従事する方々に対して日本語コーパスについての情報を提供することを目的として、英国日本語教育学会から招聘を受けて開催したものである。参加者自身がコンピュータを操作しながら、日本語コーパスの検索と集計の方法について学ぶ機会とした。この10年の間に日本語コーパスの整備が急速に進み、書き言葉コーパス、話し言葉コーパス、歴史コーパス、学習者コーパスなど、多様な種類の日本語コーパスが林立する状態が生じている。これに伴い、コーパスを用いた日本語研究や日本語教育への応用が盛んに進められている。そこで本ワークショップでは、現在どのような日本語コーパスが利用可能であるかを概説した上で、(1) 「現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)」、(2) 「日本語話し言葉コーパス」、(3) 「青空文庫」、という3つのコーパス・言語資源を紹介した。これらを、「少納言」「中納言」「NINJAL-LWP for BCCWJ」「ひまわり」などの検索サイト・コンコーダンサを用いて検索し、さらにその検索結果について、Excelを使って集計する方法について示した。

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  • 【氏名】木曽美耶子
  • 【タイトル】「文献講読」の授業におけるポートフォリオ導入の実践報告
  • 【研究会名】第21回ドイツ語圏大学日本語教育研究会シンポジウム(ハイデルベルク)
  • 【報告日】2015年2月28日
  • 【場所】ハイデルベルク大学Neue Uni (HS14)
  • 【要旨】外国語教育において、学習者が自律的に学習を進める力を身に付けるためには、学習者が自身の学習をふりかえり、自分に何が足りないかを自覚し、新たな課題を見出すことが重要であると言われている。報告者は、日本語教育における読解に焦点を当て、学習者の自律学習支援の可能性を明らかにするために、ハンブルク大学日本学科の「文献講読」の授業にポートフォリオの導入を試みた。発表では、まず、「文献講読」の授業の概要とポートフォリオの導入に至るまでの過程について紹介し、次に、ポートフォリオの目的と内容について述べた。さらに、実践結果をまとめたうえで得られた成果を報告し、最後に今後の課題について考察した。実践成果としては、ポートフォリオという段階的な学習記録やふりかえりの作業を通し、学習者は自身の学習レベル、学習ストラテジー、今後の課題について客観的に認識しており、さらにはクラスの全体としての問題点など多角的な「気づき」を得ていることがうかがえた。また、ポートフォリオによる学習者の「気づき」の内容は、教師側にとっても文学作品を読み解くにあたっての指導内容や活動方法について見直すきっかけとなることがわかった。このように、ポートフォリオの導入は、学習者の自律学習支援のみならず、教師側が教授項目や指導計画を検討するにあたっての一助となり得ると言える。
  • 【氏名】丸山岳彦
  • 【タイトル】日本語コーパスの開発史と現状
  • 【研究会名】フランス日本語教師会(AEJF)勉強会
  • 【報告日】2015年2月21日
  • 【場所】INALCO(パリ)
  • 【要旨】本講演は、日本語教育に従事する方々に対して日本語コーパスにつ いての情報を提供することを目的として、フランス日本語教師会から招聘を受け て開催したものである。講演では、(1) 日本語コーパスの開発史、(2) 日本語 コーパスの現状、(3) 日本語教育における日本語コーパスの役割、という3点に ついて論じた。この10年の間に日本語コーパスの整備が急速に進み、書き言葉 コーパス、話し言葉コーパス、歴史コーパス、学習者コーパスなど、多様な種 類の日本語コーパスが林立する状態が生じている。これに伴い、コーパスを用 いた日本語研究や日本語教育への応用が盛んに進められている。そこで本講演 では、そもそも日本語コーパスがどのような過程で開発されてきたかについて、 1950年代以降における国立国語研究所の研究(方言調査、語彙調査、話し言葉 の調査など)を紹介した。さらに、現在どのような日本語コーパスが利用可能 かを紹介し、それぞれの特徴を紹介した。特に、『日本語話し言葉コーパス』 (CSJ)、『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ)の2つについて、その 設計方針、構築過程、検索方法や分析結果の例について詳しく紹介した。最後 に、日本語教育における日本語コーパスの役割について、コーパスを開発する 側からの提言を行なった。特に、語彙頻度表やコロケーションなどの情報はシ ラバス作成や教材開発などに有用であること、コーパスの利活用の事例や問題 点をコーパスの作成者へフィードバックし、かつ利用者の間で共有するなどし て、コーパスの利活用に関する有機的な関連を生み出すことが必要であること を述べた。
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  • 【氏名】松本風子
  • 【タイトル】Multiple Interpretations of Pinocchio: A Study of the relationship between “MITATE” and ambiguity(Pinocchioとその解釈の多様性―「見立て」と曖昧さの関係の一考察)
  • 【研究会名】Doctoral Workshop: Innovative Japanese Studies through International Cooperation
  • 【報告日】2014年12月16日(火)12:35‐13:35
  • 【場所】ヴェネツィア大学ヴェンドラミン・デイ・カルミニ館Aホール
  • 【要旨】1883年にイタリアで出版されたC.コッローディによる『ピノッキオの冒険』は,今日では各国に翻訳され,さまざまな分野の解釈,研究が進んでいる。本報告ではこの作品の多様な解釈を可能とする一つの要素として,主人公ピノッキオの曖昧な存在という特徴をとりあげた。つまり,人形と人間のはざまにあり,動物の言葉を理解し,人間の言葉も理解する存在,そして,木から作られたという特徴を発揮しつつも,完全な植物ではない等,ピノッキオは不安定な存在であり,それはコッローディの子供観の一端を示しているようである。さらに,その「曖昧さ」は「見立て」を考える上で重要な要素になりうるのではないかということを提起した。つまり,「境界を撤廃する」ということにおいて,「見立て」が使われるのではないかということである。それはピノッキオそのものが「見立て」の役割をしていることになる。
  • 【氏名】梅村麦生
  • 【タイトル】Visual Images of Japanese Culture in Italy: An Investigation of Geography Textbooks (1912-2014)
  • 【研究会名】Doctoral Workshop: Innovative Japanese Studies through International Cooperation
  • 【報告日】2014年12月16日(火)10:35‐11:35
  • 【場所】ヴェネツィア大学ヴェンドラミン・デイ・カルミニ館Aホール
  • 【要旨】本報告では、1912年から2014年までのイタリアの中等教育後期の地理教科書における日本項目を取り上げ、近代における地理学的知識と異文化イメージおよび自文化のアイデンティティの構築との関係についての議論、また近年の文化社会学における視覚論的転回の構想を踏まえた上で、以上の教科書の中で日本の視覚イメージがどのように表象されてきたのかを検討するため、一例として「富士山」に関する記述と視覚資料に注目した。富士山は、1910年代から今日に至るまで収集したほとんどすべての地理教科書で言及されており、神道や仏教といった日本人の信仰を示す対象としても、また火山列島としての日本の風土を示す自然地理学的な記述にも、また農業を初めとする経済活動に関する説明のいわば背景としても用いられていた。イタリアでも明治期前後から日本人の錦絵や信仰の対象として紹介されていた富士山であるが、地理学の教科書で付随されてきたイメージの側だけを見ると、森と鳥居の風景から、田植えや茶摘みの風景、そして新幹線との重ね合わせと、時代を経るごとに異なった映像が合わせられていた。そこで本報告では、日本の伝統の「見立て」としての富士山と、時代の変化を表すものとしての付随イメージいう見解を提示した。
  • 【氏名】丸山岳彦
  • 【タイトル】昭和の日本のことば
  • 【発表雑誌】『日本語学』第33巻15号,pp.4-15
  • 【発行日】2014年12月
  • 【発行所】明治書院
  • 【要旨】「昭和の日常のことば」をキーワードとして、昭和20年から30年代に国立国語研究所で行なわれていた話し言葉に関する研究の一端を紹介した。また、当時の音声資料を「復刻」し、新たに作成した転記テキストをもとに、句末・発話末のイントネーションおよび文法形式の分布に関して分析を行なった。ここで観察されたイントネーション・文法形式は、現代ではほとんど観察されないものであることから、現代日本語の話し言葉の動態を捉えるためには、「通時音声コーパス」の構築が必要であることを論じた。従来、「オックスフォード上代日本語コーパス」や「日本語歴史コーパス」をはじめ、書き言葉には通時コーパスの構築例があるが、日本語の話し言葉を対象とした通時コーパスを構築したという事例はこれまでにない。古い音声資料群を収集・編成し、通時的な視点から分析を加えていくことは、今後の話しことば研究の広がりにとって重要な一側面になることを主張した。

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  • 【氏名】木曽美耶子
  • 【タイトル】文学講読の授業におけるポートフォリオ導入の試み(A trial in introducing portfolios into reading classes for Japanese Literature)
  • 【研究会名】第3回 日本語・日本文化教育研究会
  • 【報告日】2014年12月13日(土)14:40~15:25
  • 【場所】ハンブルク大学アジア・アフリカ研究所124号室
  • 【要旨】ハンブルク大学日本学科の「文献講読」の授業で導入しているポートフォリオについて、現時点で得られた結果及び今後の可能性について考察した。現代文学を読み解くにあたり、授業の開始時における目標の設定、発表の準備資料の提出、発表後の振り返りを行うことで、学習者の中で自身の日本語能力と課題に対する「気づき」が生まれ、主体的な言語学習に繋がっていることを提示した。また、より客観的な自己評価とクラスレベルにおける課題の共有のために、各学習者のポートフォリオをシェアすることを提案した。
  • 【氏名】丸山岳彦
  • 【タイトル】コーパス言語学と日本語 (Corpus Linguistics and Japanese Language)
  • 【研究会名】Na přednášku, Japonská sekce Katedry asijských studií, Filozofické fakulty Univerzity Palackého v Olomouci
  • 【報告日】2014年11月19日(水)11:30~13:00、15:00~16:30
  • 【場所】パラツキー大学哲学科アジア学科(チェコ共和国)
  • 【要旨】本講演・ワークショップは、チェコ共和国の東部、オロモウツにあるパラツキー大学から招聘を受けて開催したものである。パラツキー大学哲学部アジア学科では、中国語・日本語の文献学を中心に、アジア研究が推進されている。今回の講演(11:30~13:00)には、現地で日本語を専攻する学生(1~3年生+大学院生)を中心に、教員も含めて50名程度の聴衆が集まった。「日本語の多様性」をキーワードとして、日本の地域方言の多様性、および日本語の文字表記の多様性を例として示した。その上で、母語話者の直感によっても解けない言語学上の問題(言語形式の運用上の問題)があることを指摘し、これらの問題を解くためにはコーパスが必要になることを述べた。日本語コーパスの開発史を概説した後、「知識と行動」をキーワードとして、話し言葉(発音の多様性)、書き言葉(文字表記の多様性)の問題を例示しながら、コーパスを使って問題を解いていく手順を示した。用いたコーパスは、『日本語話し言葉コーパス』(CSJ)、『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ)の2つである。これらの設計方針や構築過程を説明した後、実際の検索方法や分析結果の例について、検索デモを交えて紹介した。午後のワークショップ(15:00~16:30)では、アジア学科(日本学)の教員7名を対象として、日本語コーパスの検索方法について解説を行なった。「少納言」「中納言」「NINJAL-LWP for BCCWJ」「ひまわり」などの操作方法と分析方法を実演し、授業中に気をつけるべき点などを解説した。
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  • 【氏名】丸山岳彦
  • 【タイトル】Korpusová lingvistika a japonský jazyk (Corpus Linguistics and Japanese Language)
  • 【研究会名】SEMINÁŘ JAPONSKÝCH STUDIÍ
  • 【報告日】2014年11月18日(火)10:50~11:50、14:10~15:45
  • 【場所】マサリク大学哲学科日本研究学科(チェコ共和国)
  • 【要旨】本講演・ワークショップは、チェコ共和国の東南部、ブルノにあるマサリク大学から招聘を受けて開催したものである。マサリク大学哲学部日本研究学科は、2007年9月に創立された学科で、日本語学のほか、日本史、日本文学、宗教、社会、演劇、経済などに関する専門科目が設置されている。今回の講演(10:50~11:50)・ワークショップ(14:10~15:45)は、現地の学生だけでなく、一般市民も参加可能な形で開催され、約40名の聴衆が集まった。午前中の講演では、「日本語の多様性」をキーワードとして、日本の地域方言の多様性、および日本語の文字表記の多様性を例として示した。その上で、母語話者の直感によっても解けない言語形式の運用上の問題があることを指摘し、これらの問題を解くためにはコーパスが必要になることを述べた。日本語コーパスの開発史を概説した後、話し言葉(発音の多様性)、書き言葉(文字表記の多様性)の問題を例示しながら、コーパスを使って問題を解く手順を示した。用いたコーパスは、『日本語話し言葉コーパス』(CSJ)、『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ)の2つである。これらの設計方針や構築過程を説明した後、実際の検索方法や分析結果の例について詳しく紹介した。午後のワークショップでは、参加者自身のコンピュータをインターネットに接続させ、実際にコーパスを検索させた。「少納言」や「NINJAL-LWP for BCCWJ」などを操作させ、ある言語形式の使用傾向がジャンルごとに異なることを実習形式で確認・発表させた。また、BCCWJからコロケーション(語と語の強い結びつき)を抽出する手順を示した。熱心な参加者が多く、実際の検索例をもとに、活発なディスカッションが行なわれた。
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  • 【氏名】丸山岳彦
  • 【タイトル】日本語コーパスの開発史と現状
  • 【研究会名】BATJ(英国日本語教育学会)セミナー
  • 【報告日】2014年10月18日
  • 【場所】リージェンツ大学(ロンドン)
  • 【要旨】本講演は、日本語教育に従事する方々に対して日本語コーパスについての情報を提供することを目的として、英国日本語教育学会から招聘を受けて開催したものである。講演では、(1) 日本語コーパスの開発史、(2) 日本語コーパスの現状、(3) 日本語教育における日本語コーパスの役割、という3点について論じた。この10年の間に日本語コーパスの整備が急速に進み、書き言葉コーパス、話し言葉コーパス、歴史コーパス、学習者コーパスなど、多様な種類の日本語コーパスが林立する状態が生じている。これに伴い、コーパスを用いた日本語研究や日本語教育への応用が盛んに進められている。そこで本講演では、そもそも日本語コーパスがどのような過程で開発されてきたかについて、1950年代以降における国立国語研究所の研究(方言調査、語彙調査、話し言葉の調査など)を紹介した。さらに、現在どのような日本語コーパスが利用可能かを紹介し、それぞれの特徴を紹介した。特に、『日本語話し言葉コーパス』(CSJ)、『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ)の2つについて、その設計方針、構築過程、検索方法や分析結果の例について詳しく紹介した。最後に、日本語教育における日本語コーパスの役割について、コーパスを開発する側からの提言を行なった。特に、語彙頻度表やコロケーションなどの情報はシラバス作成や教材開発などに有用であること、コーパスの利活用の事例や問題点をコーパスの作成者へフィードバックし、かつ利用者の間で共有するなどして、コーパスの利活用に関する有機的な関連を生み出すことが必要であることを述べた。
  • 【氏名】松本風子
  • 【タイトル】Le avventure di Pinocchio A Brief Survey on Genealogy of Monello Literature: Pinocchio and Infant Jesus in Perspective: ‘Mitate’(「『ピノッキオの冒険』―monello文学の系譜としての試論:ピノッキオは幼子イエスのミタテとなるか?」)
  • 【研究会名】2014年度「頭脳循環プログラム」ブリュッセル・ワークショップ "「見立て」の諸相-フィクション・社会的現実・象徴" (Varieties of "Mitate": Fiction, Social Reality, and Symbolism)
  • 【参加日】2014年10月13日
  • 【場所】神戸大学ブリュッセル・オフィス
  • 【要旨】本発表でとりあげた19世紀後半のイタリアにおける児童文学である『ピノッキオの冒険』(以下『ピノッキオ』)は、主人公の人形ピノッキオがすぐ誘惑に負け、言いつけを守らず、罰を受け反省することを繰り返す中で成長し、最後は人間の子供になる物語である。20世紀前半のイタリアではこのようなピノッキオを下地としたmonello(いたずらっ子)文学が数多く出版されたが、G.L.ピエロッティはそのピノッキオもまた幼子イエスをモデルとしたmonelloであることを指摘した。本発表ではこの先行研究から幼子イエスをmonelloの系譜に位置づけ、キリスト教的側面から"monello"の理解を試みた。その中で、幼子イエスの"当世風"の姿としてピノッキオが現れることは、日本における江戸時代の「見立て」という手法と重ね合わされることを提起した。
  • 【氏名】大川内晋
  • 【タイトル】A Study of Condition of Possibility for Cosmopolitanism:“No Grandi Navi” Movement in Venice and “Mitate” of Cruise Ships (コスモポリタニズムの可能性の条件の一考察:ヴェネツィアのNo Grandi Naviと大型客船の「見立て」)
  • 【研究会名】2014年度「頭脳循環プログラム」ブリュッセル・ワークショップ "「見立て」の諸相-フィクション・社会的現実・象徴" (Varieties of "Mitate": Fiction, Social Reality, and Symbolism)
  • 【参加日】2014年10月13日
  • 【場所】神戸大学ブリュッセル・オフィス
  • 【要旨】近年、社会科学で注目されるコスモポリタニズムの方法論的展開について、その可能性となる条件の1つとして、グローバルなリスクへの実践的抵抗が多層的空間において再帰的に行われていく様相を、ヴェネツィアにおける観光産業の影響とその1つの現実として”No Grandi Navi”(大型客船反対運動)という社会運動に焦点を当てて検討した。また、その社会運動が現れるまでの過程を、ジョン・アーリの「観光のまなざし」を援用しつつ、中世ヴェネツィアの日常的な景観が「見立て」によって、非日常的な空間として捉えられ、観光地化の発展を促してきたことによる日常と非日常の緊張関係とそこに潜む権力とそれに対する抵抗として大型客船に反対している事を指摘した。
  • 【氏名】梅村麦生
  • 【タイトル】現代イタリアの地理教材における日本文化のビジュアル・イメージ
  • 【研究会名】2014年度「頭脳循環プログラム」ブリュッセル・ワークショップ "「見立て」の諸相-フィクション・社会的現実・象徴" (Varieties of "Mitate": Fiction, Social Reality, and Symbolism)
  • 【参加日】2014年10月13日
  • 【場所】神戸大学ブリュッセル・オフィス
  • 【要旨】現代イタリアで日本文化がいかなるビジュアル・イメージと意味づけをともなって論じられているかについて、高校や大学の地理教材を対象として取り上げ、特に近代意味論と文化社会学のビジュアル・ターン論の観点から検討を行なった。その中で、「西洋/東洋」の近代的な二分法が現代イタリアの日本文化のイメージにも見られる点と、日本文化に対して「伝統/近代の二重性」をもつということがヨーロッパの側からも日本の側からも読み込まれている点を提起した。
  • 【氏名】丸山岳彦
  • 【タイトル】現代日本語の多重的な節連鎖構造について ―CSJとBCCWJを用いた分析―
  • 【発表著書】(共著)『話し言葉と書き言葉の接点』pp.93-114、ひつじ研究叢書(言語編)第122巻
  • 【発行日】2014年9月
  • 【発行所】ひつじ書房
  • 【要旨】日本語の文では、述語句の活用形や接続助詞によって連用節が形成され、後続する主節(または他の連用節)を修飾する。節と節が文法的に連鎖するこのような構造を、「節連鎖構造」と呼ぶ。節連鎖構造は、広く言語一般に見られる文の基本構造の一つであるが、日本語の節連鎖構造において特徴的なのは、連用節が何重にも連なることによって、非常に長い「文」が形成されることがある、という点である。そこで本稿では、現代日本語における節連鎖構造に焦点を当て、その定量的・定性的な記述を行なった。特に、多重的な節連鎖構造が、実際の話し言葉・書き言葉の中でどのように分布しているのか、その実態と分布を、現代日本語コーパスを用いて記述した。さらに、多重的な節連鎖構造が生じる要因と、その生成過程について考察した。

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  • 【氏名】丸山岳彦
  • 【タイトル】A Corpus-based Study of Colloquial Japanese: Retrospect and Prospect
  • 【学会名】14th Conference of the European Association for Japanese Studies (EAJS)
  • 【参加日】2014年8月29日
  • 【場所】リュブリャナ大学
  • 【要旨】本発表では、日本語の音声を対象としたコーパス言語学的研究の歴史と、今後の展望について論じた。はじめに、国立国語研究所で1950年代に実施されていた話し言葉の研究を紹介した。当時から「録音」「転記」「アノテーション」という、現代における音声コーパスの構築手法とまったく同じ手法が用いられていたことを、英語の音声コーパスと比較しながら、実例を交えて示した。次に、さらに古い時代の音声データの例として、SPレコードに記録された音声資料を紹介した。特に「岡田コレクション」と呼ばれるSPレコードの音声資料(12時間分)を転記したテキストを用いることで、これらが古い時代のまとまった音声データとして扱えることを示した(なお、この転記テキストは、国立国語研究所共同研究プロジェクト「多角的アプローチによる現代日本語の動態の解明」で作成されたものである)。最後に、日本語音声の通時的コーパスを構築することは可能か、という点について論じた。「岡田コレクション」(12時間分)、「『談話語の実態』独話データ」(17時間分)、「日本語話し言葉コーパス・コアデータ(独話)」(41時間分)、という3つのデータを用いて、(1) 時代ごとに特徴的なイントネーションの分析、(2) 助動詞「ます」の形態的な変異形である「ます」と「まする」の分布、という2点について、簡単な分析を行なった。今後の課題として現代語の会話コーパスの作成を挙げ、また通時的日本語音声コーパスの設計方法を議論することが必要であると指摘した。
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  • 【氏名】梅村麦生・大川内晋
  • 【タイトル】Trauma in Silence and Narrative: Is Transnational Trauma Construction Possible in Asia and Japan
  • 【学会名】14th Conference of the European Association for Japanese Studies (EAJS)
  • 【参加日】2014年8月27-30日
  • 【場所】リュブリャナ大学
  • 【要旨】本パネルでは、戦争や災害、その他の危機についての語りえない体験としての「トラウマ」を物語る中で、いかに日本は他のアジアの国々とそうした体験を共有することができるのかについて主に文学と社会学の視点から報告と討論を行なった。樋口大祐(国文学、神戸大学)による戦後日本の三人の大衆作家による戦争文学とそこに現われる彼らの戦争体験に基づく分裂についての報告、濱田麻矢(中国文学、神戸大学)による現代台湾の作家による1949年前後の台湾をめぐる歴史「ノンフィクション」とそこに見出されるナショナリズムの陥穽についての報告に続き、派遣者の大川内はコスモポリタニズムの視点から、ヴェネツィアと日本における社会運動について報告した。以上の報告を受けて派遣者の梅村は討論者として、物語構築と歴史構築についての社会学の視点から、戦争文学やリスクをめぐる社会運動における分裂と共有の可能性を提起した。特に大川内報告に関しては、観光都市としてのヴェネツィアの「見立て」とその再生産をめぐる争いについて、議論を行なった。本パネルの結論として、「トラウマ」としての戦争体験や、現代のさまざまなリスクは、それを語る人びとのあいだにさまざまな分裂があるという事実自体を受け入れることを前提として初めて、トランスナショナルな共有の可能性があり、その点に注目するために過去の戦争の情景や観光地の風景の「見立て」をめぐる争いに注目する必要がある、という見解を提示した。
  • 【氏名】丸山岳彦
  • 【タイトル】Multiple Clause Linkage Structure in Spontaneously Spoken Japanese and (Old) Written Japanese
  • 【研究会名】Internal Meeting at the Research Centre for Japanese Language and Linguistics
  • 【報告日】2014年7月1日
  • 【場所】オックスフォード大学東洋学部
  • 【要旨】現代日本語の話し言葉・書き言葉に現れる「多重的な節連鎖構造」について分析した結果を報告した。
  • 【氏名】丸山岳彦
  • 【タイトル】コーパス活用の勘所 第3回【現代語】文法(1)『現代日本語書き言葉均衡コーパス』による現代日本語文法の研究
  • 【発表雑誌】『日本語学』第33巻7号,pp.91-95
  • 【発行日】2014年6月30日
  • 【発行所】明治書院
  • 【要旨】現代日本語文法の研究に日本語コーパスをどのように活用すればよいか、その方法論と分析例を解説した論文。例として、現代日本語の文法的な類義表現について、その使用実態や使用傾向の違いを、コーパスを使って分析・検討する方法について示した。

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