コロナ禍での連携と模索(2020-2021年度)

昨2020年度から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の日本での感染拡大が続いています。2020年度は全国的に臨時休校などもありました。神戸大学文学部と連携している県立御影高等学校も休校措置などを取り、その後は感染対策を取りながら、2021年度も授業を行っています。

 2020年度は、緊急事態宣言により県立学校、神戸大学は休校となりました。5月の連休明け後も、大学はオンラインを活用した遠隔授業が中心となり、例年のように大学生と教員が高校を訪れて、授業の支援を行うというスタイルは実施できなくなりました。そのため2020年度は、両校の事業を実質的に切り離し、御影高校のGS人文地理は高校の先生方によって指導を行う形としました。大学との連携に関しては、次年度に備えて前年度の授業内容を学ぶと同時に、地歴科教育の各種方法を学ぶこととしました。具体的には、(1)2019年度の指導内容を、担当した大学生が報告し、成果と課題を共有する、(2)御影高校のGS人文地理について、高校教育課程での位置づけや総合的学習としての特徴などを学ぶ、(3)地歴科教育の方法や新学習指導要領などを学ぶ、としました。

 特に御影高校の授業内容について、高校の得能先生に非常勤講師としてオンラインで講義していただきました。普段は現場での実践が主なだけに、御影高校での教育における位置づけなどを改めて確認できました。改めて、多忙ななか対応いただいた御影高校の先生方に感謝申し上げます。

 今年、2021年度は4月から高校は通常通り、大学はオンラインを併用しての授業が見込まれ、双方で相談した結果、大学生による高校生の指導は、オンラインを中心に行うことになりました。通信環境により上手く接続できない回もありましたが、何とか従来に近い形での高大連携の授業を行っています。

 2021年度は、高校の前年度3学期に、総合人文コースの生徒が、GS人文地理で行う調査テーマを事前に検討する作業を行い、3月中にまず大学教員がオンラインでアドバイスを行いました。そして4月から、高校生の各班に大学生1名が付いて、オンラインで調査テーマや進めている内容を聴き、指導を行う形でやり取りを進めています。接続時間が限られるため、高校生が先生に提出した簡単な報告書を見てコメントを高校に返すことなどもしています。とにかく工夫の連続ですが、高校生が少しでも充実した地域調査をまとめられるように、そして指導を通じて、大学生が教員に求められる資質を体感し、経験として深めていけるように努めています。

 6月末には高校生の最終成果発表の予定です。(菊地:写真は3月の大学教員によるオンライン指導風景、Zoomでの地歴科教育論授業で高校生の報告書を見て意見交換する様子)

 

 

2021年06月01日