神戸大学大学院 人文学研究科/文学部 哲学コース

哲学コース紹介

教育研究分野について

当哲学教室では古代ギリシアから現代哲学に及ぶ多様な研究領域を専門とする教員が揃っています。各種講義や原典購読を柱とする様々な演習、所属学生と教員全員が参加する合同演習を中心に個人指導を行い、卒業論文の執筆や個⼈が行う研究を支援しています。 哲学分野では古典テクストの読解に必要な解釈学的な素養と現代的問題の考察に求められる批判的分析能力を重視する一方、現代の研究者をはじめ、広く社会求められるコミュニケーションの力を養うために、海外の連携大学との交流も⾏っています。 倫理学分野では、特に現代哲学・現代思想において焦点となっている問題群について原理的に、あるいは比較哲学的観点から考察します。また、人文学科、人文学研究科のスタッフ・学生 ともに哲学教室全体として取り組んでいる「倫理創成プロジェクト」では、生命・環境・工学・戦争などをめぐる具体的諸問題に関する研究に取り組んでいます。

哲学コースの特色

神戸大学哲学教室の歴史

神戸大学文学部の哲学教室は、1949年に神戸大学文学部の発足と同時に開設されました。これまで教室で活躍された 教員には、ヘーゲル研究者としてその名が全国に知られた武市健人教授、マルクス哲学や経済哲学の研究で優れた業績 を残された清水正徳教授、デカルト研究やヨーロッパ近世哲学史の研究で名高い井上庄七教授、ヨーロッパ哲学のみな らず日本の思想にも精通し、京都の法然院貫主でもあった橋本峰雄教授、哲学のみならず社会学にも通じ緻密なウェー バー研究で博⼠号をとられた向井守教授、プラトン哲学をはじめとして古代ギリシアの文芸にも深い造詣を示された眞 方忠道教授、一般科学哲学の諸問題を論及され科学の思想発展史にも通暁された森匡史教授、ヴォルフを中心としたドイツ啓蒙思想、およびカント哲学の我が国を代表する研究者として知られる山本道雄教授、ジェイムズを中心としたアメリカン・プラグマティズムや近代日本思想の研究で知られる嘉指信雄教授らがおられます。

教室の特色・活動

教室の特色は伝統的に、何よりも自由闊達の精神、それに旺盛な批判精神にあります。豊富なスタッフのおかげで、卒 業論文・修士論文作成の際の個⼈指導も徹底でき、教室全体には和やかななかにも厳しい雰囲気が漂っています。全員 の学⽣が参加する演習もあり、卒業論⽂・修⼠論⽂作成に⼤きな効果を発揮しています。なお「哲学懇話会」という学 内研究会があり、研究報告会、機関誌『愛知』の定期的刊⾏、教員・学⽣の懇親会などを⾏なっています。

将来のコース

学⽣諸君は学部で4年間学んだのち、卒業して社会⼈の道を選択する他に、⼈⽂学研究科の博⼠前期課程でさらに2年間 研究を続けることができます。また、将来研究者になろうと思う⼈は、同研究科の博⼠後期課程でさらに3年間研究す ることができます。就職状況は順調であり、これまで⺠間企業(マスコミ、情報関係、⾦融、メーカー)に就職した⼈も いれば、国家・地⽅公務員、教師(公⽴・私⽴)についた⼈もいます。

哲学教室のスタッフ

現在のスタッフ

現在のスタッフとしては、松田毅教授(ライプニッツ哲学を中心にした17世紀ヨーロッパ哲学ならびに現象学を軸とした現代哲学)、茶谷直人教授(アリストテレスを中心とした古代ギリシア哲学および生命倫理学)、加藤憲治准教授(ベルクソンを中心にしたフランス哲学および生の哲学)、中真生准教授(レヴィナスを中心としたフランス哲学・倫理学およびジェンダーや身体をめぐる応用倫理学)、新川拓哉講師(心の哲学/意識の哲学、知覚の哲学)が名を連ね、それぞれが学界をはじめ各界で活躍しています。スタッフ全員でかなりの思想領域がカバーされているため、学生諸君の多様な関心に対応できるのが大きな特色です。さらに、より一層学生諸君の関心に応えるため、毎年学外より多彩な講師を招き集中講義を行っています。なお、詳細なプロフィールについてはメンバーのページより各教員の名前をクリックしてご確認下さい。

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