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LET 〜文学部への好奇心をアップする情報紙(WEB版)〜

LET

LETは1年に1回発行される神戸大学文学部の情報紙です。
受験生をはじめ、多くの人に神戸大学文学部に興味や関心を持ってもらうことを目的に発行しています。

LETのネーミングは、もちろん Faculty of Letters の "Let…" からですが、それとともに単語 "let" が持つ「自由に…してもらう」という意味から、学生のみなさんに自らの未来を自由に開拓してもらいたいという願いも込められています。

日本で勉強して、世界を発見する Studying in Japan, Discovering the World
留学生担当講師 タマシ カルメン

集合写真

留学というのは、留学している国について学ぶことだけではなく、自分の文化について様々な発見をすることです。自分の国が好きであっても、慣れっこになってしまい、その美しさと面白さに驚くことはない場合が多いと思います。逆に、少し離れて、違う立場から、違う目で見ると、自然の美しさや文化の豊かさへの薄れてきた畏敬の念が改めて新鮮になると考えます。文学部及び人文学研究科では数多くの留学生も学んでいます。今年は例年より多く、20の国、109人の留学生が在籍しています(2016年5月1日現在)。留学生と日本人学生が触れ合う機会は授業だけではなく、毎月最初の水曜日に行われるインターナショナル・アワーという行事の中でもお互いに文化と言葉を理解し合うように努力しながら、友達を作ったり、新しいことを発見したりします。例えば、インターナショナル・アワーの一つのイベントとして、大阪の神社で働いている巫女さんを誘い、日本人の学生も、留学生も神道と日本の伝統的な文化についてたくさんの質問をしました。イベントが終わってからも、お互いに自分の文化と宗教の話が続いて、「生まれて初めて聞いたことだ!」という発言が多かったです。

「汝自身を知れ」という言葉がよく使われていますが、異文化を理解しようと思う時に特に重要であると思います。ずっと同じ国、同じようなコミュニティーで生活すると、物事の考え方が変わるはずありませんが、留学する時や外国人と出会う時に自分の国に対する見方も変わり、深くなります。例えば、私が教えている日本の文化人類学の授業では、日本人の学生にとっても、留学生にとっても一番難しいのは自分の文化を分析することです。生まれた文化と社会が当然なものだと思い、真剣に考えることは少ないからです。グローバリゼーション(国際化)というのは国ごとの伝統的な文化がなくなることではなく、異文化と容易に触れ合う機会が増えるということだと信じています。今年の創立記念日に日本三景の天橋立に出かけて、日本人の学生と留学生は同じような反応で日本の自然の美しさに驚き、日本の創造神話について学び、バスのなかの会話でお互いに自分の国の歴史と有名な物語について話しました。

大学時代は学びとして一番重要な時期で、その時期に異文化を理解できる機会もあって、世界が広がるのは本当に「見逃せないチャンス」だと思います。文学部及び人文学研究科で勉強すると、自分の文化の理解が深まり、人生を変える発見も多いと思います。

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