事業概要
丹波篠山市における連携事業のきっかけは、2011年度の地域歴史資料調査です。飲食店開店のために改装されていた旧家から古文書が発見され、地域連携センターに連絡が寄せられたことで調査が始まりました。
この時の調査を契機として、市立中央図書館内に地域資料整理サポーターが結成されました。地域資料整理サポーターは、図書館に所蔵されている未登録の地域歴史資料整理を皮切りとして、現在では市史編さん事業の史料整理・目録作成・筆耕作業を進めていただくなど、事業を進める上で不可欠な存在です。
このような地域資料整理サポーター活動などの蓄積を背景として、2019年度より市史編さん事業が開始されました。地域連携センターは市史編さんのための史料所在調査などを丹波篠山市との共同研究として位置づけ、2028年度の市史刊行を目標として取り組みを継続しています。
事業紹介
- 丹波篠山市史の編さん
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市制30周年に当たる2028(令和10)年度を目標に、市内の中央図書館や西紀支所を拠点として、編さん事業をすすめています。
事業を展開する過程では、中央図書館内でのミニ展示や、調査報告会などを実施するとともに、住民の方々が主体となった地域編部会も発足しています。
- 地域資料整理サポーター活動
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市史編さん事業に先行する形で、篠山市立中央図書館(当時)における未登録の地域資料整理を目的として発足しました。
- 中央公民館古文書講座
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2017年度より地域連携センターのスタッフが出講しています。2021年度からは、「中級編」5回の講座を毎年担当しています。最近の講座テーマを紹介します。
- 「青山氏『禮典』に見る歴史書の編纂」
- 「淘宮術の『秘書』―運命は変えられる!?―」
- 「篠山藩士の履歴をたどる」
- 「禁門の変に随伴した庄屋の日記」
- 「諸国巡見使と丹波篠山の町・村」
- 「後川下村の「分村」文書」
- 「波賀野組矢代奥村の「触写帳」」
- 「上立町自治会文書にみる幕末の篠山城下町」
- 「大石勿斎碑と地方名望家樋口達兵衞」
- 「幕末期の風刺的落書を読む」
- 「明治元年、篠山藩の御姫様と若君の帰国」
- 「天保14年、篠山藩元締所の公金盗難事件」
- 「天保13年、菱田次郎右衛門預り切手一件」
- 「嘉永7年の篠山城下町社会」
- 「向井村高橋家文書に見る丹波志の編さん」
- 「神護山太寧寺と松井松平氏」
- 「篠山藩の郡割人足と天保飢饉」
- 「慶応4年の「大豆大不作」―園田家文書の郡用日記から―」
- 「平野家文書と篠山藩の国益政策」
- 部落史研究会ささやま
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丹波篠山市では「部落史研究会ささやま」が2007年5月に結成され、部落史関係史料の解読を通じて差別の歴史を理解し、その解消に努めようと取り組みを進めてきました。
2020年7月にはこの研究会を母体として、丹波篠山市人権推進課により「部落史研究委員会」が発足し、2024年度末を目途に、古文書の解読を基礎とした啓発資料の作成に取り組んでいます。
- NPO法人SHUKUBA古文書講座
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伝統的建造物群保存地区として知られる丹波篠山市福住地区において、2020年度から開講されている講座です。江戸時代の亀山・篠山両藩の境界にもあたる地域において、興味深い古文書をテキストに取り上げています。最近の講座テーマを紹介します。
- 「樋口家文書からわかる、昔の福住の暮らし」
- 「西野々村掟と年貢」
- 「慶応元年の助郷歎願」
- 「畑家文書からわかる江戸時代の西野々村」
- 「安口村と西野々村の山林利用」
- 「近世福住宿の歴史を探る」
- 「明治期福住の鉄道敷設運動について」
- 「福住村の茶荷物争論―後世に解決を託された「庭売一条」―」
- 「福住の馬持渡世」
- 「江戸期の商家文書―新出の畑株文書と福住村掟―」
写真
H23 日置地区史料調査
H25 地域資料整理サポーター養成講座
R1 地域資料整理サポーター 活動風景
R2 市史編さん委員会風景
R3 史料整理風景
R4 市史編さん新発見・新収蔵資料展
R4 上立町文書調査報告会
R4 中世部会 委員調査風景
R5 近世部会 藩政日記調査合宿風景
R6 地域資料整理サポーター 活動風景