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共同研究の経緯とこれまでの取り組み















共同研究の経緯とこれまでの取り組み

 神戸大学大学院人文学研究科地域連携センターでは、平成21年度より「辻川界隈の地域歴史遺産掘り起こし及び三木家住宅の活用基本構想作成」と題する共同研究を開始しました。兵庫県の重要文化財である大庄屋三木家住宅の修復工事が2010年度より開始されるため、2009年度は主として三木家住宅活用に向けた取り組みを行いました。

 平成21年度神崎郡歴史民俗資料館連続講座(2009/9/19実施)では、同センターの河野未央(学術推進研究員)が「三木家からみる播磨・福崎」と題する講演を行い、主に江戸時代三木家の大庄屋としての役割に着目しながら、同家が地域の交流の核として機能していたことを明らかにしました。

 また三木家住宅活用の参考事例とすべく、三木市玉置家住宅、高砂市入江家住宅等すでに修復工事を完了した伝統的歴史的建造物を視察し、自治体・住民団体等の関係者に工事とその後の活用に関する様々な意見交換を行いました。福崎町・辻川地区の方々などで構成される辻川界隈検討委員会・三木家住宅活用検討委員会に出席し、「三木家住宅活用基本構想」作成における助言を行いました(2009/8/19、9/30、12/1実施)。


辻川界隈検討委員会の方々とともに高砂入江家住宅を視察

 さらに、大庄屋三木家に保管されている史料(2009/8/19、2010/1/19〜20、2/16〜17実施)、及び新出の三木家史料(未整理)についての調査を行いました。後者については、辻川地区の住民の方々とともに、写真撮影による調査を行いました(2009/12/19、2010/3/17実施)。
 そして、二つの史料群についての調査の成果の一部を、神崎郡歴史民俗資料館企画展「見つけよう!新たな歴史発見〜地域の歴史は身近なところに〜」(開期:2010/3/6〜31)の展示に反映しました。


三木家未整理史料の一部

 昨今の厳しい行財政状況のもと、三木家住宅修復工事は長期にわたる見込みです。こうした状況は、修復後の活用について検討する十分な時間が与えられていることにもなり、ふくさきの歴史を、じっくりと掘り起こす“チャンス”になると考えます。

 地域連携センターでは、2010年度は地域の方々とともに建造物(ハード面)の整備を活かすためのソフト面の充実を図っていきたいと考えます。具体的には「町史を読む会(仮称)」を立ち上げ、三木家を核としながらも、広く福崎町の歴史を、町民の方々とともに学ぶ「場」を設けていきたいと思っています。
 また、このホームページ自体も順次更新を行っていき、調査・研究成果の蓄積とともに即時的な発信が行えるよう努めていくつもりです。

(文責:河野未央)