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KOJSP生が京都国際マンガミュージアムで島津製作所の社員と交流しました

2026.04.28

2026年4月2日、「オックスフォード日本学プログラム(KOJSP)」の一環として、株式会社島津製作所との共同企画による「異文化探求プログラム」を京都国際マンガミュージアムで実施しました。本プログラムには、神戸大学に留学中の第14期KOJSP生と、中国、ルーマニア、台湾からの留学生、島津製作所の若手社員が参加し、「マンガ」を入り口に異文化理解と社会への考察を深めました。当日は、産学連携による活発な交流が行われました。

午前のプログラムでは、学芸室員 應矢泰紀氏による館内展示ツアーが行われ、マンガの歴史的変遷や、感情・動きを表す記号「漫符」などの表現技法、「ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット展」について解説を受けました。続いて、有澤里香氏から、研究閲覧室に収蔵されている約25万点の閉架式資料の概要について紹介がありました。さらに、大谷景子氏による講演「企画展の運営:アフリカマンガ展とマンガと戦争展を事例として」を通じて、マンガが社会的なメッセージを内包し、多様な文化を伝えるメディアであることを学びました。

午後のグループワークでは、「マンガにおける自文化と異文化理解」をテーマにディスカッションを行いました。自国や他国のマンガ作品に描かれる家族、学校生活、先輩・後輩関係、ジェンダー描写について、それぞれの文化的背景から分析し、価値観の違いや共通点を共有しました。例えば、日本の「先輩・後輩」という関係性について、台湾では性別によって細かく呼び分けられている実態が紹介され、驚きの声が上がる場面もありました。また、意見交換に加え、名刺交換のマナーを社員から直接教わる機会もあり、留学生にとって日本社会のビジネス作法に触れる場となりました。具体的な作品を通じた対話は、日本研究を志す留学生にとって、新たな視座を得る貴重な経験となりました。

KOJSP生にとってとりわけ印象深かったのは、オックスフォード大学で学んだ江戸時代の木版画とマンガの歴史的なつながりが、実物資料を目の前にすることでより鮮明になったことです。ディスカッションでは、オノマトペや吹き出し、効果線といった日本マンガ特有の表現が、どのように感情や臨場感を伝えているのかについても、意見が交わされました。他には、アフリカマンガ展のような多様な視点をもつ展示に感銘を受けたという感想が寄せられました。また、日本の部活動文化がマンガを通して人生に影響を与える力に着目する意見や、幼少期に母語で読んだ『クレヨンしんちゃん』の日本語版に自由時間を使って挑戦し、作中の言葉遊びを理解できたことで学習の成果を実感したという報告もありました。

さらに、島津製作所の若手社員とはほぼ同世代ということもあり、マンガが幼少期から現在に至るまでの生活の中で果たしてきた役割について、会話が弾みました。今回のプログラムは、単なる施設訪問にとどまらず、マンガという共通言語を通して自己と他者の文化を考える、充実した機会となりました。この産学連携の試みは、5月に予定されている第2回交流会へとつながり、さらなる異文化理解、交流へと発展していくことが期待されます。

ご案内いただいた京都国際マンガミュージアムの皆様、ならびにKOJSPへの多大なご支援をいただいた株式会社島津製作所の皆様に、厚く御礼申し上げます。

(文責:神戸大学大学院人文学研究科 KOJSP担当特命講師 水野直子)

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