1989年3月30日
A5判252頁
頒価1,200円

 

 内容紹介

 本号では「NICSと第三世界の発展」と題し、アジアNICS現象の、第三世界の発展に占める特殊性と普遍性、光と陰について、この領域における社会学、政治経済学の権威によって、多面的な議論が展開されています。
 三本の収録論文のうち、山口博一(アジア経済研究所)による「NICS的発展の意義と展望」においては、アジアNICSが他の途上国に対してその将来の姿を示すものとなるのかどうかという問題にたいし、アジアNICSの従来の発展の評価を行い、そのような発展がさらに水平的に普及するかどうかを検討することを通じて、この問題を考えるために不可欠のポイントが提示されています。
 滝沢秀樹(甲南大学)の「”韓国資本主義論争”と民族経済論」においては、80年代の韓国で活発な展開をみせている”韓国資本主義論争”を、その前提としての70年代の「歴史=構造論者」の議論(これを”民族経済論”として把握)の継続線上に位置づけることにより、”論争”における主要な論点の正確な理解が目指されています。
 北原淳(神戸大学)の「東南アジアとNICS的発展の可能性」においては、NICSとASEANの国際的・国内的諸条件を比較検討することを通じて、NICSが東南アジアに波及するとすれば、従来のNICS的発展とどう異なってくるかが考察されています。

 

 目 次

シンポジウム NlCS(NlES)と第三世界の発展
 報告1 NlCS的発展の意義と展望・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・山口 博一
 報告2 韓国資本主義論争について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・滝沢 秀樹
 報告3 東南アジアとNlCS的発展の可能性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・北原  淳
 討論            山口博一           滝沢秀樹    劉 進慶   駒井洋
               スリチャイ・ワンガェーオ   加納弘勝    大倉秀介   北原淳

海外の社会学
 タイ族の起源について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中華人民共和国東南亜研究所 陳  呂範

日中比較社会構造論(上)―近代化への歴史的諸条件―・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・長谷川善計
ソ連における青年労働者と労務問題―「職務不満・不適応」の問題を中心に―・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・材木 和雄
近代日本における村落構造の諸相の考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・野崎 敏郎

座談会 世界の女性と日本の女牲

ソシエテ
 おばさんのパート戦線報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・鈴木奈津子
 レプリカの街から・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・才木 典泰

〈研究室便り〉