1988年3月30日
A5判228頁
頒価1,200円

 

 内容紹介

 5号では、円高や貿易摩擦のなかで、世界のなかの日本について考えさせられることの多い近年、日本社会は一つの転機を迎えているという認識に立ち、特集として「日本人と日本文化」をくんで、日本の文化、精神構造、意識などについて様々の視点から考察しています。
 掲載論文について簡単に解説しておくと、まず大野道邦(神戸大学)「『型』としての日本文化」では、日本の伝統文化を「型」の文化としてとらえ、その解明の手がかりとして歌舞伎に着目し、歌舞伎に見られる型と、伝統文化ひいては日本文化総体との関わりについて指摘しています。
 岩崎信彦(神戸大学)「日本的『拝金主義』の構造」では、戦後日本の経済成長に伴い「エコノミック・アニマル」と呼ばれる日本人の社会的性格を「拝金主義」としてとらえ、その内的構造を解明しています。最後に今日的な消費の世界の背景にあるフェティシズムについても触れています。
 奥村義雄(富山大学)「神通川地域住民の生活と意識」は、イタイイタイ病と、神通川流域に住みそこで生活する地域住民についての実証的分析と問題提起を行っています。
 芦田徹郎(熊本大学)「祭りと社会変動」では、今日、日本各地で祭りが盛んになってきたのは何故かという問題意識から、熊本市の「ボシタ祭り」の事例をとりあげ、戦前・戦後の社会変動と連動させて祭りの変容を分析しています。
 宮崎和夫(神戸市立楠高等学校教諭)「現代日本青年の文化意識」では、現代日本の若者を代表する高校生の意識調査を行い、生活感や人生観についての分析を行っています。そこから新人類的な特徴を抽出し、あわせてそのような若者を取り囲む現代社会について考察しています。
 また「日本人・日本文化・そして新人類」と題された座談会では、留学生も交えて日本人や日本文化について活発な議論が展開されています。

 

 目 次

特集 日本人と日本文化
 「型」としての日本文化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大野 道邦
 日本的「拝金主義」の構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・岩崎 信彦
 神通川流域住民の生活と意識・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・奥村 義雄
 祭りと社会変動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・芦田 徹郎
 現代日本青年の文化意識・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・宮崎 和夫

海外の社会学
 日本人による韓国の祖先崇拝の研究について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大韓民国啓明大学校 崔  吉城
 ユーゴ型社会主義における労働意欲と管理組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・材木 和雄
 北タイ農村における親子共同の形態と性格・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・高井 康弘

座談会 日本人・日本文化・そして新人類

ソシエテ
 金持ちの国の中流人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・西田  裕
 よしのずいからのぞいた中国・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中尾 賀英
 サシミから食文化の差異を見る・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・過   放
 国際女子学生会議・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・井垣 優子

〈研究室便り〉