1987年3月30日
A5判228頁
頒価1,200円
内容紹介
巻頭には「日本の家と同族」というシンポジウムでの報告論文2本とその報告を土台にして行われた討論会が収録されています。シンポジウムの記録の冒頭には、このテーマに長年取り組んできた長谷川善計(神戸大学)による「日本の家と同族団」という論文が掲載されています。この論文は、同氏がその時点までに発表してきた「家」と「同族」に関する論点をコンパクトにまとめたものとなっており、その後の日本の家研究に大きな影響を及ぼした長谷川「家」理論の入門書的な役割も果たしうるものです。また、藤井勝(神戸大学)の「『家』と家父長制」は、家父長制というキータームによってこれまでの家研究の議論を再考しようとしたものです。
これらの報告を受けた討論会では、日本法制史、社会学、日本経済史、日本近世史の各分野の研究者総勢8名による日本の家と同族に関する活発な議論が行われています。議論は多岐にわたり、近世初期からの社会変動をふまえた議論を展開する長谷川報告、藤井報告に対する、近世史などを主要な研究テーマとしてきた各討論者の質問やコメント、さらにそれへの応答は、「家」「同族」研究における近世社会構造の重要性を示すと同時に、「専門」という殻に閉じこもり、他分野との共同を行うことが少ない社会科学の現状において、専門学会という枠に縛られないシンポジウム形式による学際研究の大きな可能性を示しています。
また、「海外の社会学」として、中国人研究者による中国社会学の現状についての論文と、ユーゴスラビア人研究者によるユーゴスラビアにおける新住宅地開発に関する論文の邦訳が収められており、従来あまり知られていなかった両国の社会学研究の一端を窺い知ることができます。その他、合田濤教授(神戸大学)による「チベット族の家族と婚姻」、油井清光(神戸大学)による「G・H・ミードにおける自我形成論」、居安正(神戸大学)の翻訳によるG・ジンメル「感覚の社会学」などの論考もあります。
目次
シンポジウム 日本の家と同族
報告1 日本の家と同族団・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・長谷川 善計
報告2 「家」と家父長制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・藤井 勝
討論 大竹秀男 竹内 隆夫 横田冬彦 長谷川善計
光吉利之 大島真理夫 牧田 勲 藤井 勝
海外の社会学
中国社会学の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中華人民共和国上海大学 袁 華音
ユーゴスラビアの新住宅地開発にともなう諸問題・ユーゴスラビアザグレブ大学 オグニェン・チャルダロヴィチ
チベット族の家族と婚姻・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・合田 濤
G・H・ミードにおける自我形成論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・油井 清光
G・ジンメル「感覚の社会学」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・居安 正 訳
座談会:マスコミ これまで これから
ソシエテ
浜商野球部監督十二年・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・磯部 修三
海外旅行五OO万人時代・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・守本 保彦
新人類と漫画文化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・池田 道明
職安窓口日記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・田中 順子
<研究室便り>
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