1986年3月1日
A5判283頁
頒価1,200円
内容紹介
第3号は杉之原壽一教授の退官記念号です。杉之原先生は大正12年1月15日に生まれ、昭和22年京都帝国大学文学部を卒業、京都大学人文科学研究所助手を経て、昭和26年神戸大学文学部講師に赴任されました。そして、それから35年の間、神戸大学の社会学研究室の発展に尽力されました。この間、杉之原先生は研究、教育、大学の管理運営、そして教職員組合運動や部落解放運動など精力的に多方面に渡って活動されました。
杉之原先生は、テンニエスの『ゲマインシャフトとゲゼルシャフト』(岩波文庫)の名訳で有名ですが、実は学生時代に訳されたものだそうです。著作22冊、翻訳5冊、論文は実に100本を数え、各方面に研究業績をあげられました。研究内容は、京都大学人文科学研究所時代は、フランス百科全集派やルソーの研究と、但馬における親方・子方関係の研究があり、神戸大学に来られてからは昭和45年までは労働者意識論が中心になっています。その間、ポリネシヤ、フィージ−、ニュージーランドなど未開社会の実態調査にも従事されています。しかし、昭和45年以降は部落問題の研究に専念され、その成果は『杉之原壽一部落問題著作集』(全8巻)に結実されています。そして、昭和59年には『現代部落の研究』において野呂栄太郎賞を受賞されております。なお、平成9年現在、『著作集』は全20巻に及ぼうとしております。
その他第3号には、諸論文の他に「今日の教育問題を考える」と題して、当時の在学生と卒業生による座談会が掲載されています。「援助交際」「不登校」「ベルトモ」現象など(それを扇動するマスコミも含めて)混迷を極める現代の学校教育のあり方について、バブル前期に行われたこの座談会は「いじめ」「管理教育」「家庭と地域の教育力」など現代を考えるための基本的な視座を与えてくれます。
目 次
杉之原壽一教授略歴
三四年六ヵ月の軌跡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・杉之原 壽一
演出された無秩序・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・石川 榮吉
ある農村指導者の口述史・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・居安 正
異居親子家族における「家」の変容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・光吉 利之
権力の政治社会学的分析・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・高島 昌二
ボントック族の産育慣行・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・合田 濤
組織内統制と成員行動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・宮澤 節生
タイ農村社会研究の動向と展望・・・・・・・・・・・・・・・・・・・スリチャイ・ワンガェーオ
デュルケームの社会的なもの(下)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・水越 一夫
家と屋敷地(下)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・長谷川 善計
チェンマイ盆地における地域労働市場と農民層分解・・・・・・・・・・・・・・・・北原 淳
日常生活と社会理論(試論)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・岩崎 信彦
同族と親族・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・藤井 勝
杉之原壽一教授著作目録
〈座談会〉杉之原先生を語る
座談会 今日の教育問題を考える――卒業生と在学生による――
〈研究室便り〉
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