1985年3月1日発行
A5判260頁
頒価1,200円
内容紹介
第2号の特集は「家族関係」です。はじめに「座談会」として当時の在学生と卒業生による議論が掲載されています。そこではまず、中高年離婚や妻からの離婚調停申し立てを背景とする「離婚の増大」、昭和40年代以降急速に増加してきた「家庭内暴力」、学歴社会を背景として「子供を追いつめる親」について統計・事例などをもとに論議がかわされます。そして、「経済・文化四類型仮説」や「サブ・カルチャアとしての夫婦関係」「家父長制と親子関係」など、社会学の視角による問題の分析が行われた後で、長谷川善計(神戸大学)は「愛情」とか「愛」とかいう言葉が本来の日本にはない言葉であることを指摘されます。そして「結婚」「家族」といういわゆる「普遍的」な人間のテーマについて討議が進んだ後、結論と次の3つが示されます。つまり。「個の確立から家族の再構成」とされるが、そのさいの「個」については西洋的な自我ではなく「日本的自我の確立の必要」であり、その上で、「近代的自我と有機的連帯」の問題が考察されるべきであるとしています。
その他には日本の「末子相続」に関する内藤莞爾(九州大学名誉教授)の研究、タイ家族に関する竹内隆夫(金城学院大学)の研究や、配偶関係死亡率についての西川美紀(福井医科大学)の研究が掲載されています。この研究では、「男性の死亡率は女性より高い」「離婚による自殺は男性の方が多い」、という結果が出ています。数年前にアメリカの人類学者が書いた『愛は4年で終わる』という本が話題になりましたが、この西川の研究結果と、長谷川の「惚れたはれたなんていうのは、若いときは1年か2年続くわけでありますけれど、もう3年もすると、惚れたはれたもあらへんようになってあとなんにものこらないんですね」という「座談会」での言葉をいったい、肝に銘じるべきか……。
目 次
デュルケームの社会的なもの(上)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・水越 一夫
アメリカ社会学と青少年問題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・油井 清光
G・H・ミード「社会的行動主義」の再検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・佐近田 展康
家と屋敷地(中)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・長谷川 善計
北タイの祖霊と女性血族・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・高井 康弘
特集:家族関係
座談会:今日の家族を考える――卒業生と在学生による――
私の家族研究――末子相続をめぐって――・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・内藤 莞爾
タイ家族の構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・竹内 隆夫
配偶関係別性別死亡率について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・西川 美紀
現代父親論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・岩谷 親憲
ロンドンの日本人主婦像・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・細川 裕子
いわゆるひとつの国際結婚・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大平 真弓
第四回アジア社会学会をふりかえって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・北原 淳
ひと・社会・時代 理論研究と具象研究のあいだで――清水盛光先生にきく
杉之原氏の部落問題研究について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・真田 是
杉之原先生野呂栄太郎賞受賞記念祝賀会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・杉之原 寿一
高尾 一彦 則武 保夫 井上 庄七
ソシエテ
“人生八十歳時代”の先兵たち・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今 隆司
帆船「大成丸」の栄光と影・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・左近 洋一
I LIKE 地方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今西 長造
たかが新聞、されど……・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・佐伯 善照
ニューメディア、ハイテク、そして21世紀……・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・野田 弘三
〈研究室便り〉
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