活動内容

2007年 神戸大学文学部海港都市研究センターによる「資料収集・研究交流会」参加報告書


■張伝宇(チョウ・デンウ)

張伝宇写真
  • 所属:中山大学・歴史系(修士課程)
  • 研究テーマ:近代における日本と東南アジア華僑・華人との関係
  • 資料収集の主眼点:日清戦争後から第二次世界大戦にかけての、東南アジアに居住している華僑・華人に対する日本政府の認識の変遷

1、はじめに

 2007年2月4日から10日にかけて、私は中国人若手研究者として「資料収集・研究交流会」に参加させていただいた。その際、私は珍しい資料に触れ、その全部あるいは一部をコピーして国に持ち帰ることができた。こういった資料は、これから私の論文作成にしても、かかる研究を行う中国人研究者にとっても、大いに役に立つと思う。

2、資料収集

 私は研究の主眼点を、日清戦争後から第二次世界大戦にかけて、日本政府が東南アジアに居住している華僑・華人をどう認識していたか、またそれがどのような変遷をたどったか、という点においている。だから、これを軸として資料収集を行い、豊富な資料を得た。
 収集した資料を出版年代順に分類すれば、明治・大正・昭和各時代が含まれ、一連の歴史時期に一致している。例えば、日清戦争直後に出版された『清国商話』、第一次世界大戦戦中に出版された『南洋に於ける支那人』、日本政府が南下政策を計画されている時期に出版された『南洋の華僑』、『華商問題と世界』、東南アジアに侵入し、占領する期間中に出版された『南方華僑団体調査目次』などがある。こういった大量の資料を手にして、これからの研究も容易に着手できるようになった。
 また、著作者から分類すれば、研究者の論説および関連機構から提出された調査報告書に分けることができる。これは、この時期において、華僑・華人が東南アジア全域に巨大な影響力を持っていることを背景に、研究者および各関連機構が東南アジアの状況への理解を深めるため華僑・華人を研究対象にしたのである。特に満鉄、台湾銀行始め各機構による製作した各調査報告書は、詳細かつ正確な資料を取り入れ、確かなデータを提供したため、とりわけ貴重であると思う。
 そのほかには、海港都市研究センターが神戸華僑歴史博物館を見学する手はずをととのえてくださったおかげで、そちらでも『阪神在留の華商と其の貿易事情後編神戸の華商』、『神戸東亜貿易株式会社档案』といった在日華商南洋貿易史研究に価値のある資料のコピーを得た。また、日本の学術刊行物に掲載されている啓発的な論文3篇も得ることができた。

3、感想

 「海水のあるところには華人がいる」という諺がある。世の中の海港都市にとって華僑・華人は独特かつ無視できない存在であると共に、両者には深いつながりある。今回の「資料収集・研究交流会」で収集した資料を活かして、華僑・華人研究および海港都市研究に寄与したい。
 一方、今回のプログラムを通じて、日本の大学の雰囲気や日本人学生の勤勉ぶり、親切さ等をこの身で感じることができた。その上、神戸大学の先生方に御指導をいただいたり、日本・韓国・中国・台湾の若き研究者と友人になったり、さまざまな交流をすることができた。それらは私にとって、貴重な経験になっている。
 最後に、資料収集中、親切に協力してくださった神戸大学文学部海港都市研究センターの先生方および学生の皆さん、そして日本財団に心から感謝の意を表したい。

調査・収集資料(年代順)

  1. 仁礼敬之『清国商話』経済雑誌社、1895
  2. 伊藤武男『香港通過兆行調査報告書』東京高等商業学校、1907
  3. 『海外諸国より我輸入港に至るまで運賃及諸費――百万円以上輸入品に付』神戸商業会議所、1908
  4. 『東亜同文会支那調査報告書』東亜同文会支那経済調査部(雑誌)、1910
  5. 『海外各地に於ける重なる日本商品取扱商店調査事項』農商務省商務局、1911
  6. 『我国貿易ノ大勢並南清南洋貿易事情』台湾銀行、1911
  7. 『南洋華僑ト金融機関』台湾銀行総務部調査課、1915
  8. 満鉄庶務部調査課『南洋に於ける支那人』南満州鉄道株式会社、1926
  9. 小林新作『支那民族の海外発展――華僑の研究』海外社版、1931
  10. 外交史料館所蔵『各国組合関係雑件』、1931
  11. 外交史料館所蔵『本邦組合関係雑件』、1935
  12. 『阪神在留の華商と其の貿易事情後編神戸の華商』商工省貿易局、1938
  13. 『南洋の華僑』南洋協会、1940
  14. 黄警頑著、左山貞雄訳『華商問題と世界』大同書院、1941
  15. 芳賀雄『東亜共栄圏と南洋華僑』刀江書院、1941
  16. 後藤朝太郎『南洋の華僑』高山書院、1942
  17. 大形太郎『南洋華僑と経済』聖紀書院、1942
  18. 東洋文庫所蔵『神戸東亜貿易株式会社档案』神戸東亜貿易株式会社創立委員会、1942
  19. 『南方華僑団体調査目次』台湾総督府外事部、1943
  20. 菅野正「五・四運動と南洋華僑」『奈良大学紀要』10、1981.12
  21. エディ・ヘルマワン「太平洋戦争直前の西部ジャワの華僑社会」『早稲田大学アジア太平洋研究センター』27-2 、1982.4
  22. エディ・ヘルマワン「日本軍政期の西部ジャワにおける華僑政策」『早稲田大学アジア太平洋研究センター』28-2、1983.2
  23. 福崎久一編『華人・華僑関係文献目録』アジア経済研究所、1996

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■趙月超(チョウ・ゲッチョウ)

趙月超写真
  • 所属:中国海洋大学・文学院歴史地理学(修士課程)
  • 研究テーマ:海港都市青島研究―教育・宗教を中心に―
  • 資料収集の主眼点:近代青島の宗教・教育に関する資料の収集

1、はじめに

 2007年2月4日から2月10日までの間、光栄にも私は神戸大学にお招きいただき、一週間にわたる資料収集を行うことができた。神戸大学の先生方及び学生の皆さんのあたたかいサポートを得て、私は順調に資料を収集できた。神戸大学付属図書館での資料収集だけではなく、青島についてのシンポジウムにも出席したり、神戸市立図書館と京都大学付属図書館まで足を運び資料収集をしたりするなど、成果のある一週間であった。

2、資料収集

 今回は合計29部の資料を集めた。資料の年代はほとんど1914-1948年に集中しており、以下のように分類できる。
(1)青島に関する総合的資料
 例えば、『膠州灣』、『山東及膠州湾』、『自由港概要』など。
 これらの資料の記述は政治・経済・文化などの各方面に及んでおり、当時の青島の基本的な社会状況を把握するには大変有効である。
(2)宗教・教育に関する資料
 これらの資料はさらに二つに分類できる。
a.直接青島に関係する資料
 例えば、『青島ノ教育』、『中国の近代教育』、『北支に於ける文教の現状』、『支那人の宗教』など。
   これらの資料は青島の宗教・教育研究には大変役に立つものである。
b.青島に直接関係する資料ではないが、当時の社会背景を理解するための情報を提供してくれる資料
 例えば、『中支ニ於ケル日本語教育ニ関スル調査報告書』、『第三国系基督教の実態』、『世界紅卍字会道院の実態』など。
(3)日本人の教育、宗教観
 例えば、『興亜の大陸教育』、『大東亜の民族と宗教』、『海外神社の史的研究』、『日中教育文化交流と摩擦』など。
 これらの資料は日本当時の対外政策や文化への理解を深めるための資料である。
(4)その他
 例えば『事変を中心とする支那最近事情』、『北支那に於ける古蹟古物の概況』、『河北省山東省に於ける重要古蹟古物等』など。

3、おわりに

 今回の日本行は収穫の多いもので、自身の今後の研究にも大変重要だった。日本には近現代の青島関連資料が少なからず保存されている。今回収集できた資料は中国国内では基本的には見ることができない。これらの解読を一歩一歩進めることにより、当時の青島地域における早期の教育や宗教の状況、特には日本との関連も総体的に把握できると考える。一方、今回の「資料収集・研究交流会」への参加は、学術研究の推進ばかりでなく、自分自身にとっては一つの大変貴重な人生体験でもあった。ここに神戸大学海港都市研究センターと日本財団に心からの感謝の気持ちを表したい。

調査・収集資料(年代順)

  1. 東亜同文会調査編纂部『山東及膠州湾』博文館、1914
  2. 冨山房編輯局『山東半嶋:附青嶋案内記』冨山房、1914
  3. 田原天南『膠州灣』満洲日日新聞社、1914
  4. 『青島其他諸都市視察報告』出版社不明(東京市視察団の報告)、1918
  5. 『自由港概要』青島守備軍民政部、1919
  6. 『青島ノ教育』青島守備軍民政部、1920
  7. 大林一之『支那の回教問題』青島守備軍參謀部、1922
  8. 飯河道雄『支那に於ける外人の文化事業論』飯河道雄 、1923
  9. 文化事業部『歐米人ノ支那ニ於ケル文化事業』外務省、1925
  10. 『山東に於ける在留邦人の消長』青島居留民団、1927
  11. 佐藤敬三『青島海事便覧』青島海事協会、1929
  12. 『青島を中心とする交通対策』青島日本商工会議所、1938
  13. 山口高等商業学校東亜経済研究所『事変を中心とする支那最近事情』支那問題講習会事務所、1939
  14. 大日本学術協会『興亜の大陸教育』モナス、1939
  15. 『華北農村教育調査報告』興亜院華北連絡部文化局、1940
  16. 『北支に於ける文教の現状』興亜院華北連絡部、1941
  17. 『北支那に於ける第三國系基督教団体の現況』興亜宗教協会、1941
  18. 『北支那に於ける古蹟古物の概況』興亜宗教協会、1941
  19. 『世界紅卍字会道院の実態』興亜宗教協会、1941
  20. 『北支那に於ける天主教の概觀』興亜宗教協会、1941
  21. 『中支ニ於ケル日本語教育ニ関スル調査報告書』興亜院華中連絡部、1941
  22. 『第三國系基督教の実態』興亜宗教協会、1941
  23. 『河北省山東省に於ける重要古蹟古物』興亜宗教協会、1941
  24. グラネ著(津田逸夫訳)『支那人の宗教』河出書房、1943
  25. 近藤喜博『海外神社の史的研究』明世堂書店 、1943
  26. 東京帝国大学仏教青年会編『大東亜の民族と宗教』日本青年教育会出版部、1943
  27. 平野義太郎『北支の村落社会:慣行調査報告1』東亜研究所、1944
  28. 小野忍・斎藤秋男『中国の近代教育』河出書房、1948
  29. 阿部洋『戦前日本の在華教育事業』第一書房、1983

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■陳羿秀(チン・イシュウ)

チン・イシュウ写真
  • 所属:台湾大学・日本語文学系(修士課程)
  • 研究テーマ:明清時代における日中交流史
  • 資料収集の主眼点:長崎における丸山遊女と唐人の活動に関しての資料収集

1、はじめに

 2007年2月4日から10日まで行われた神戸大学文学部海港都市研究センターによる「資料収集・研究交流会」に参加させていただき、明清時代の唐人と丸山遊女の活動や当時の海港都市であった長崎に関しての多くの資料を手に入れることができた。なぜ丸山遊女に関しての資料を収集したかというと、丸山遊女は当時の日本女性として、唯一中国人と頻繁に交際できる存在だったからである。つまり、そのときの丸山遊女は単に社交的、娯楽的な存在ではなく、ある意味では当時の日中両国の文化交流の架け橋のような存在であった。したがって、当時の日中交流の実像を明らかにするためには、丸山遊女の存在を見過ごしてはならないのである。

2、資料収集

 今回収集した資料は大体三つのグループに分類することができる。
(1)旅行記や見聞記に関するもの
 旅行記や見聞記に関する資料はまた二種類に分けることができる。一つは外国人が長崎に来て、そして帰国後書いた旅行記や見聞記の類である。その例としては、元禄初期長崎にきたドイツ医者ケンペルが帰国後書いた『日本誌』がある。その本は日本の地理・気象・物産・政治体制・歴史・宗教等多様な記述をもつ書物なので、完全には旅行記や見聞記とはいえないが、当時鎖国だった日本のことを世界に紹介するものとしてかなり意義がある。そして、その中にも長崎の丸山遊女に関しての紹介が載せてある。また、中国人汪鵬が乾隆帝のとき長崎に来て、帰国後に書いた「袖海編」もとても有名なものである。そのときの中国人の日本について著した見聞記といえば、その本以外は殆どないので、「袖海編」はその意味でとても重要な資料である。もう一つは日本人自身が長崎に遊びに来て、そして帰った後に書いた見聞記の類である。その例としては広川?が著した『長崎聞見録』と司馬江漢が著した『西遊日記』がある。
(2)図会に関するもの
 図会に関する資料は例えば打橋竹雲が描いた『長崎名勝図絵』と石崎融思が描いた『長崎古今集覧名勝図絵』である。その二つの図会を通して、唐人屋敷の実像をいっそうリアルに感じることができる。また、当時の中国人と丸山遊女の様子を伺える参考書としてもかなり貴重な資料である。
(3)丸山遊女に関しての記録
 丸山遊女の活動を知るためには、幕府による公式な記録が必要である。その代表としては「寄合町諸事書上控帳」がある。その記録書を通して、当時の丸山遊廓の出来事や幕府の丸山遊女に対する管理のしかたや政策などが伺える。

3、感想

 今回の資料収集の最大なる収穫は多くの資料を手に入れたことはもとより、やはり中国や韓国の学生たちとお互いに意見を交換できたことだと思う。また、こんなに多くの貴重な資料を一度に収集することは台湾では到底難しく、なかなかできないことだと思う。それを実現できたのはやはりこの「資料収集・研究交流会」のお陰である。したがって、今回このようなチャンスを提供してくださった日本財団や神戸大学文学部海港都市研究センターには本当に心から感謝する。そして、それに報いるには、やはり今回集めてきた資料を論文に最大限に活かすことだと思う。

調査・収集資料(年代順)

  1. 長崎市役所編纂『長崎市史風俗編 下巻』長崎市、1925
  2. 長崎県史編纂委員会編「袖海編」『長崎県史』精興社、1965
  3. エンゲルベルト・ケンペル著(今井正訳)『日本誌 日本の歴史と紀行(上下)』霞ヶ関出版、1973
  4. 饒田喩義編述・打橋竹雲図画(丹羽漢吉訳)『長崎名勝圖繪 限定版.』長崎文献社、1974
  5. 丹羽漢吉校訂『長崎虫眼鏡 長崎聞見録 長崎縁起略』長崎文献社、1975
  6. 越中哲也註解『長崎古今集覧名勝図絵』長崎文献社、1975
  7. 原田伴彦編「寄合町諸事書上控帳」『日本都市生活史料集成7港町編』学習研究社、1976
  8. 丹羽漢吉校註『長崎土産 長崎不二賛 長崎万歳』長崎文献社、1976

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■金潤煥(キム・ユナン)

金潤煥写真
  • 所属:韓国海洋大学校・東アジア学科(修士課程)
  • 研究テーマ:海港都市釜山および1945年から1965年までの釜山と日本の関係
  • 資料収集の主眼点:開港以降から1945年までの釜山関連資料および1945年から1965年までの日本と韓国(主に釜山)の関係に関する資料の収集

1、はじめに

 2007年2月4日から10日までの神戸大学文学部海港研究センターによる「資料収集・研究交流会」に参加させていただき、非常にいい経験になった。韓国ではあまり手に入れることができない資料も収集できた上に、他の地域の海港都市を研究している方々とも交流できた。これからの自分の研究においていい機会になったと思う。

2、資料収集

 資料は二つのテーマに分けて収集した。
(1)開港から1945年までの釜山に関連する資料
 釜山の歴史はまだ十分に研究が進んでいないと思う。その背景には、解放以降や韓国戦争の際に多くの資料が失われたという事情が大きく関わっている。そこで今回の「資料収集・研究交流会」では日本に残っている韓国に関する資料を集めた。集中的に調べようと思ったのは龍谷大学が所蔵する『新聞雑誌切抜き張込み張:抜粋帖』である。『新聞雑誌切抜き張込み張:抜粋帖』は 明治42年(1909年)から大正5年(1916年)4月までの『釜山日報』『朝鮮時報』など朝鮮で発行された新聞や雑誌などを集めたもので、1915年以前の海港都市釜山の研究に貴重な資料である。その他、開港期から植民地時代にかけての釜山港の築港や鉄道の敷設、海運に関する資料を収集した。
(2)1945年から1965年までの日本と韓国(主に釜山)に関係に関する資料
 1945年から1965年までは韓国と日本との公的な交流は断絶しており、この20年間においての韓日関係の研究はあまりない。しかし、私は海港都市だった釜山の変化や1945年以前との繋がりに特に注目しており、釜山で『釜山日報』から見える釜山と日本の関係と関連がある新聞記事を集めているところである。今回の「資料収集」では、日本に残った在日コリアンの記録やGHQの占領期の記録から日本での韓国(主に釜山)との関係がある資料を収集した。

3、感想

 今回のプログラムに参加させていただき、さまざまなことを学ぶことができた。
 神戸に来る前にはもちろん資料の事前調査は行ったが、神戸大学で実際に資料を調査してみると、事前調査だけでは知ることのできない多くの知見を得ることができた。今回収集した貴重な資料を利用し、これからの研究に役立てられるように頑張りたい。もちろん資料を手に持っているだけで研究ができるわけではないので、資料を手に入れた時の喜びや感動を活かして研究を進めたいと思う。
 ただ資料を収集したり、その内容を読んだりするだけでなく、その資料がどうやって作られ、どこから伝来してきたかを考えなければならないということも教わった。そうした点も今後の研究に活かしていきたい。
 また、短い時間ではあったが、海港都市研究の必要性や、今回のプログラムのような交流を進める必然性とその考え方、また交流の仕方などさまざまなことを学んだ。シンポジウムでは発表や議論を通じて、他の海港都市(靑島)に関してさまざまに勉強になった。参加者のテーマについてお互い話しながら自分の視野を広げることもできた。自分の研究がしっかりできたら、他の海港都市を研究する方との交流もきちんとできると思う。これからも今回の神戸大学文学部海港研究センターによる「資料収集・研究交流会」に参加した経験を活かして、ただ通り過ぎた過去ではなく意味を持つ歴史を作るためにもっと頑張りたい。
 最後に資料調査の機会をくださった日本財団、神戸大学文学部海港研究都市センターの諸先生方や学生の皆さんに心の底から感謝の気持ちを伝えたい。

調査・収集資料(年代順)

(1)開港から1945年以前の資料

  1. 『新聞雑誌切抜張込帳:抜粋帖』春陽堂、1899-
  2. 名古屋経済会編『海運ニ關スル調査』名古屋経済会、1917
  3. 広井勇『日本築港史』丸善、1927
  4. 朝鮮総督府鉄道局庶務課『朝鮮鉄道論纂』1-2、朝鮮総督府鉄道局、1930

(2)1945年から1965年までの釜山と日本関係

  1. 森田芳夫・長田かな子『南朝鮮地域の引揚と日本人世話会の活動』(『朝鮮終戦の記録』資料篇2)巌南堂書店、1980
  2. 松本邦彦訳『外国人の取り扱い』(『GHQ日本占領史』16)日本図書センター、1996
  3. 西成田豊『在日朝鮮人の「世界」と「帝国」国家』東京大学出版会、1997
  4. 岡部史信・藤田尚則共訳『外国人財産の管理』(『GHQ日本占領史』26)日本図書センター、1998
  5. 姜徹『在日朝鮮韓国人史総合年表 : 在日同胞120年史』雄山閣、2002

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■李京兒(イ・キョンア)

李京兒写真
  • 所属:木浦大学校・大学院文化人類学専攻(修士課程)
  • 研究テーマ:社会変化に伴う漁村の適応戦略と漁民たちの 口述生涯史(oral history)の研究 資料収集の主眼点:韓国と日本の漁村社会の比較資料、海洋と海港都市の関連資料
  • 資料収集の主眼点:韓国と日本の漁村社会の比較資料、海洋と海港都市の関連資料

1、はじめに

 私は韓国の西南海岸にある漁村地域の自然環境と生業方式の変化を適応過程と適応戦略等の側面から研究し考察してきた。そして最近関心をもちはじめているのは女性の経済的役割と社会地位の変化に関する研究である。 このたび、神戸大学での資料収集を通じて日本の漁村・海洋に関連のある数多くの民族誌に接することができた。そして日本でも同じように漁村の変化とともに漁村の経済・構造・技術・性別分業及び役割、地位などが変化していることが確認できた。地理的に近いところに位置している韓国と日本での漁村の生活様式の変化に注目した。

2、資料收集

 このたびの「資料収集・研究交流会」を通じて神戸大学の図書館から多くの資料を集めることができた。検索した資料はほとんど図書館に揃えてあり、検索した資料以外にも図書館ではテーマ別に資料がきちんと整理されていたので容易く関連資料に接することができた。
 特に海洋に関する資料収集においては水産や漁業方式に関係ある資料だけではなく人間の生活方式、すなわち人々の生き方と密接な関連のある人類学的資料検索に重点をおいた。韓国と同じように日本でも最近の資料は人間の生活方式と関係のある生活誌及び民族誌が目立った(『海と山の民俗自然誌』 1995, 『文化の自然誌』 1996, 『海洋資源の利用と管理に関する人類学的研究』2003,『海の生活誌』2003,『家船(えぶね)の民族誌』2003,『自然を生きる技術 : 暮らしの民俗自然誌』2005等)。
 また漁業の変化に伴う漁村の変化した様相に関わる文章も多く、特にアジア地域における比較研究や海港都市の比較研究が多かった(『地域漁業の社会と生態: 海域東南アジアの漁民像を求めて』2000,『21世紀アジアの環境: 現状と課題』2003等)。これは生態系の変化とともに守るべき社会を維持しようとし、またその社会が変化することを恐れる学界の雰囲気と相応して現れた現象だと言えよう。特に漁村での女性の活動とその役割の変化に関する事例研究も多かった(『社会変容と女性:ジェンダーの文化人類学』1999等)。
 このたびの資料収集は海洋・海港・漁村社会の変化と関係するテーマに重点をおいた。韓国の西南海岸地域は昔の漁業だけに依存した生活方式に比べると今は様々なコンテンツを受け入れ、その変化ぶりも速さを増しており、その中で生活している漁民たちと彼らの文化も変化している。今回収集した資料をもとに、漁村の変化様相を考察したいと思う。

3、おわりに

 このたび神戸大学が主催した「資料収集・研究交流会」に参加させていただき、大変勉強になった。主催側である神戸大学の図書館から多様な資料が得られ、また神戸大学で研究されている先生方からも貴重な研究資料と情報をいただくことができた。この交流会が日本・韓国・中国・台湾などアジア地域の学術交流として今後も持続的に行われることを希望する。また収集した資料を土台にして神戸地域の海港都市及び漁村地域の現地調査ができればと思う。
 最後に「資料収集・研究交流会」でお世話になった皆さまに御礼を申し上げたい。

調査・収集資料(年代順)

  1. 科学技術庁研究調整局海洋開発課『日本の海洋資源と開発:無限の海洋資源に挑む科学技術』長沢出版社、1985
  2. 篠原徹『海と山の民俗自然誌』吉川弘文館、1995
  3. 煎本孝『文化の自然誌』東京大学出版会、1996
  4. 中楯興『日本における海洋民の総合研究:糸満系漁民を中心として 上巻(新装出版)』九州大学出版会、1996
  5. 窪田幸子・八木祐子『社会変容と女性 : ジェンダーの文化人類学』ナカニシヤ出版、1999
  6. 小林照夫『日本の港の歴史:その現実と課題』成山堂書店、1999
  7. 北窓時男『地域漁業の社会と生態 : 海域東南アジアの漁民像を求めて』コモンズ、2000
  8. 横山宏章・久保亨・川島真『周辺から見た20世紀中国:日・韓・台・港・中の対話』中国書店、2002
  9. 後藤雅知・吉田伸之『水産の社会史』山川出版社、2002
  10. 岸上伸啓『海洋資源の利用と管理に関する人類学的研究』国立民族学博物館、2003
  11. 山口徹『海の生活誌:半島と島の暮らし』吉川弘文館、2003
  12. 金柄徹『家船 (えぶね) の民族誌:現代日本に生きる海の民』東京大学出版会 、2003
  13. 亜細亜大学アジア研究所『アジアの文化、特に思想・宗教・言語の多様性の研究』亜細亜大学アジア研究所、2003
  14. 『21世紀アジアの環境:現状と課題』 亜細亜大学アジア研究所編集. - 武蔵野: 亜細亜大学アジア研究所、2003
  15. 須藤功『漁村と島』農山漁村文化協会、2004
  16. 小島孝夫『海の民俗文化:漁撈習俗の伝播に関する実証的研究』明石書店、2005
  17. 篠原徹『自然を生きる技術:暮らしの民俗自然誌』吉川弘文館、2005
  18. “A psychoanalytic revisiting of fieldwork and intercultural borderlinking” Rene Devisch, Social Analysis, Volume 50, 2006

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