
カント倫理学
カント倫理学における目的論的思想の位置づけと、その役割を明らかにすることを研究テーマにしています。かんたんに経緯を述べますと、『実践理性批判』「範型論Typik」における実践的判断力を考察している際、カント倫理学には「合法則性」だけでなく「合目的性」を原理として展開されている側面が在るのではないかという議論にたどり着き、その目的論的な解釈の妥当性と発展性を探求することが、現在の研究課題となりました。今後は、カント前批判期における目的論的自然観と、そこにおける自然と道徳の類比関係に焦点をあてながら、カント目的論の起源を明らかにし、その目的論的思想が批判期以降のカント倫理学にどのような影響を与えているのかを考察していきます。
また、自身のルーツが朝鮮半島にあるため、在日コリアンのアイデンティティについての研究もしています。そこから派生するかたちで、国家、愛国心、民族性、普遍的な人民の権利、などといったキーワードにも興味があります。近い将来、政治哲学に研究のメインフィールドを移し、カントの倫理思想が現代の政治哲学にどのように継承されており、そこにはどのような問題点があるのか、といった研究をしていくつもりです。
神戸大学大学院人文学研究科において、以下のコメンテーターをつとめた。
愛、幸福、人生、徳、神、国家、さまざまな抽象概念やそれにまつわる問題点について、本音で語り合うといっても、理論的で建設的でないと、話は堂々巡りまたは矛盾を含んでしまい、ぜんぜんすっきりしません。だから、論文や学会、会議などが象徴するようなフォーマルなスタイルに接すると、ある種の高揚感と満足が得られて、好きです。しかし、もっと好きなのは、そのフォーマルさに包み込まれた、話者の主観の塊、源泉が垣間見ることができた瞬間です。哲学は、その意味で、好きです。
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