神戸大学大学院 人文学研究科/文学部 哲学コース

シラバス

2015年度後期

嘉指 信雄
  • 哲学演習 - 水3・4 - L031
    この演習は「合同演習」と称し、哲学専修の学生・教員全員が参加します。学生が卒業論文作成に向けて自分の研究報告を行います。特定質問者からの質問、出席者全員との討論も行い、原稿作成、プレゼンテーション、質問や議論の仕方など、発表する側も質問する側も、貴重なスキルを磨き、研究内容を高めるための実践的演習です。
  • 倫理学演習 - 水5 - L027
    ウィトゲンシュタインとウィリアム・ジェイムズ ウィトゲンシュタインとジェイムズ――言語・行為・意味ーー  ウィトゲンシュタインによるジェイムズ哲学の批判的読解のあり方を理解することによって、言語と行為と意味の関係をめぐる問いについて考察する。
  • 哲学特殊講義 - 木3 - L230
    「ハイデッガーと日本哲学  ーー現代哲学の主要テキスト(1)―—」  ハイデッガーと密接な関係を有するドイツ及び日本の哲学者たちの代表的テキスト(抜粋)を読解することを通じて、日本近代哲学の現代的意義を考察する。  
  • 比較思想演習(副 :外書講読) - 木4 - L025(副 :L026)
    「倫理・政治哲学の現在―ヌスバウムの教育・人権思想(続)―」  今学期は、現代アメリカを代表する女性哲学者の一人であるマーサ・ヌスバウムの最近の著作を精読することを通じて、その倫理・政治思想の意義・射程を、教育や人権といった具体的問題との関連において検討する。
  • 倫理学演習【GH】(グローバル専門科目)(副 :哲学演習) - 木5 - L029(副 :L030)
    デューイ哲学入門ーー経験としての芸術/教育と民主主義ーー  デューイ哲学における基本的な概念ーー経験、芸術、教育、民主主義ーーなどの意義・関連を理解する。
  • グローバル・アクティヴ・ラーニング【GH】(グローバル専門科目) - 他 - L019
    「ヒロシマから考える戦争と平和―被爆70周年に際して」  被爆70周年に際して広島の地で開かれる会議・ワークショップに、留学生や現地大学生とともに参加し、核問題を中心とした「戦争と平和」をめぐる諸問題に関する理解を深めるとともに、自らの考えを日本語と英語で表現し、議論する力を伸ばす。
松田 毅
  • 科学技術と倫理 - 水1 - U057
    現代社会は科学技術を中心とした「知識基盤社会」として特徴づけることができます。この授業では、科学技術が提起する倫理に関連する諸問題を取り上げます。市民としてあるいは様々な専門家として持続可能な社会のために求められる現代的教養としての科学技術倫理に関する知識と考察の能力を獲得することを目標にします。
  • 哲学演習(副 :外書講読) - 火2 - L032(副 :L033)
    人文学の哲学(2) 人文学は現代の学問、大学、社会のなかにどのように位置づけられ、活かすことができるだろうか。この問題を考える手がかりとして、引き続きカッシーラーの「人文学の論理」に関連する論文集を取り上げます。カッシーラーの哲学を理解・解釈すると同時に、ドイツ語で書かれた哲学文献の読解力の向上を目指します。
  • 哲学演習(副 :外書講読) - 木2 - L034(副 :L035)
    言語と行為の哲学 この授業では現代の言語分析哲学の代表的な基本文献を取り上げ、その諸問題に親しむと同時にその考察方法を習得します。
加藤 憲治
  • 哲学(副 :人間と世界) - 水1 - U002(副 :U101)
    私たちが子供の頃、「僕が僕で、君でないのはなぜ?」、「時の始まりはいつ?」、「宇宙の果てはどこ?」等々といった解決のつかない疑問を抱いたことがないだろうか。当時はそれが哲学的な大問題だとも知らずに、そうした疑問は考えても仕方がないもの、無意味なものとして放置され、今は疑問を抱いていたことも忘れてしまっているかもしれない。しかし、こうした問題を考察することは本当に無意味なのだろうか。 たとえば、「私とは何か」とか、「時間とは何か」といった問題は普段わかったつもりになっているが、いざこれらの問題に答えようとすると答えることができない。実際、これらの「問題」に最終的な解答を出すことは困難であり、できないかもしれない。しかし、これらの「問題」を考察することで、分かりきったもの、当たり前のものだと思い込んでいる日常生活の世界がいかに脆弱なものの上に成り立っているのかに、逆に言えばそのかけがえのなさに気づくことができるのではないだろうか。このような問題意識、そしてそこから得られるこの気づきは、専門の研究にも活かされる思考態度でもあります。この講義では、「授業の概要」に挙げられている哲学の諸問題に対して、哲学的に思考するとはどのようなことかを具体的に提示することで、その思考パターンを理解し、その思考態度を身につけます。
  • 哲学演習(副 :外書講読) - 火3 - L045(副 :L046)
    哲学的基礎知識を習得し、哲学的思考能力を向上させると共に、フランス語文献、ラテン語文献の読解能力の涵養に努める。
  • 西洋哲学史演習(副 :外書講読) - 金2 - L047(副 :L048)
    哲学的古典をフランス語で精読することによって、フランス語文献読解能力の向上と西洋哲学の思考方法に慣れ親しむことを目的とする。
茶谷 直人
  • 人文学基礎・哲学 - 月3 - L044
    哲学・倫理学における最も基礎的かつ肝要な作業は、「テクストの分析と解釈」です。その基本的な方法と醍醐味を体感してもらうことを目指します。
  • 西洋古典語<ギリシア語> - 火3 - L007
    古典ギリシア語の初級文法を学ぶ。古典ギリシア語・文化は、ヨーロッパ言語・文化の一大源流であると同時に、今もなお「ヨーロッパ的なもの」を形作る基盤であり続けている。よってこの授業は、将来ギリシア語原典に取り組もうとする者にとって必要であることはもちろんのこと、西洋に関わる専門領域に関心をもつ学生諸君にとって自らの専門領域へ何かしらフィードバックされるものがあるであろう。
  • 哲学演習 - 火4 - L041
    授業内容:アリストテレス『ニコマコス倫理学』の精読 狙い: ・古典テクストを正確に読み解く能力を陶冶する。 ・古典に真摯に取り組むことの醍醐味と厳しさを参加者自身が体感する。
  • 外書講読(副 :哲学演習) - 金3 - L042(副 :L043)
    <プラトン『ソクラテスの弁明』の講読> 西洋言語による文献の正確な読解能力を向上させることをめざす。また、古典に取り組むことの醍醐味を身をもって体感してもらうことも狙いとする。
中 真生
  • 現代思想演習(副 :外書講読) - 月2 - L037(副 :L038)
    今学期から、フランスの哲学者メルロ=ポンティの主著、『知覚の現象学』(1961年)の原書を講読します。翻訳では分からない、著者固有の文体や息づかい、リズムを感じながら、一文一文じっくり読みたいと思います。
  • 倫理学講義 - 火4 - L036
     「身体・他者性・生殖」を基軸のテーマとし、ジェンダー倫理学や現象学、フェミニスト現象学、生命倫理学などにおける関連議論を紹介し、哲学・倫理学においてこれらのテーマをどう考察することができるかを、批判的観点も含めて検討する  上記の動向が批判し、相対化しようとする従来の主要な倫理学理論も振り返り、対照させながら検討する。倫理学的思考方法や観点にはさまざまなものがありうることを学ぶことをめざす。
  • 倫理学演習(副 :哲学演習) - 木1 - L039(副 :L040)
     前年度に引き続き、バトラー著『自分自身を説明すること』(主に第三章)を読み進めます。著者の主張を丁寧に理解するだけでなく、著者が参照する様々な思想家の思想にもふれながら、著者の主張を吟味し、議論することを目指します。
大塚 淳
  • 哲学演習(副 :外書講読) - 月4 - L051(副 :L052)
    論理学に関する英語の入門書を読む。
  • 科学哲学・科学思想史演習 - 火1 - L050
    科学哲学に関する主要な論文・著作を精読する。
  • 哲学特殊講義 - 水2 - L049
    因果性とは何か。この哲学上の大問題に、哲学・統計学・因果モデルの観点からアプローチする。これを通じ、抽象的な哲学的問題を科学という具体的文脈と結びつけて理解すると同時に、経験科学における種々の因果的主張を理解・吟味するための統計学的リテラシーを身につけることを目標とする。
木岡 伸夫
  • 哲学特殊講義 - 月5 - L053
    「風土学概説――〈あいだ〉を開くために」 「東西の思想的総合」(山内得立)という日本哲学の課題に答える風土学の理論的意義を概説する。18世紀後半のドイツに生まれたKlimatologie(代表者はヘルダー)に触発された和辻哲郎は、『風土』(1935)によって風土学の立場をうちだした。その後、日本で中断した風土学は、フランス人地理学者オギュスタン・ベルクのmesologieに受け継がれて体系化した。両者の理論の概要と意義を解説したうえで、そこに残る理論的弱点の克服をめざす担当者自身の風土学理論を提示する。

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