神戸大学人文学研究科・国際協力研究科の博士課程後期課程1~2年生、及びポスドク・助教を対象に、「アジアプログラム(2012年10月~2013年3月)」及び「欧米プログラム(2012年10月~2013年3月)」を実施します。

 「アジアプログラム」は、海外パートナー機関の内、中山大学、国立台湾大学、ソウル大学校、成均館大学校のいずれかにおいて、大学院生2名は最長180日間、ポスドク・助教2名は最長90日間の海外研修を行い、現地にて社会調査、語学研修、国際共同研究等の研修を積み、アジア学の最先端の理論研究を担える能力を培います。

 「欧米プログラム」は、平成23年度「アジアプログラム」派遣大学院生2名が研修機関であるロンドン大学東洋・アフリカ研究学院(SOAS)、ワシントン大学において、最長180日間の海外研修を行い、欧米の東アジア研究の蓄積と分析的アプローチを参照することで、アジアプログラムで得た研究成果を再検討し、世界の東アジア研究に向けて発信できるような独自の理論的アプローチを構想する能力を培います。ポスドク・助教2名は最長90日間の海外研修を行い、現地にて語学研修、国際共同研修等の研修を積み、欧米における東アジア研究の最先端の理論との融合を目指します。

 その際、アカデミック・ライティング、オーラル・コミュニケーションといった集中指導を提供し、派遣対象者が現地で研修を十分に遂行できるような中国語・韓国語・英語の運用能力の向上を図ります。さらに、派遣対象者に対して、「アジアプログラム」及び「欧米プログラム」のための研究指導を8~9月に行います。人文学研究科及び国際協力研究科のTV会議を利用し、海外パートナー機関との間で、東アジア学に関する教育機会を提供します。

 6月に、「アジアプログラム」及び「欧米プログラム」に基づき海外研修を行った大学院生4名、ポスドク・助教4名が帰国するのを受けて、7月には、派遣経験者による派遣報告会を行います。本プログラムの指導部会のみならず海外パートナー機関の指導教員を交えて、「アジアプログラム」及び「欧米プログラム」の成果を検証し、今後の活動に生かしてゆきます。

 第1期・第2期の「アジアプログラム」及び「欧米プログラム」の派遣経験者を中心に、アジア派遣国の公用語(中国語・韓国語)と英語による博士論文を数点公刊します。

 また、昨年度の引き続き、これまで「アジアプログラム」及び「欧米プログラム」の海外研修を行った大学院生が、博士論文の執筆作業を開始するに当たって、推進委員会に博論多言語執筆支援部会を設け、これらの大学院生が博士論文を、日本語のみならず、アジア派遣国の公用語(中国語・韓国語)と英語で執筆できるように、海外パートナー機関の指導教員との間で密接な連携を採りながら、様々な支援活動を行ってゆきます。

 2013年1月に、本事業を総括する国際シンポジウムをソウル大学校にて開催し、5年間にわたる様々な成果を基に、東アジアにおいて対話と共生のグランドデザインを提供できるような若手研究者養成モデルを検証し、そうした若手研究者養成に関する国際的な指導体制モデルを提言することを目指します。

 上に記した国際シンポジウムの報告を中心に、本事業の成果報告書を作成するとともにホームページに掲載するなど、他大学等への波及に努めます。




平成23年度アジアプログラム(長期派遣者)
氏 名
派遣先大学
派遣期間
研究テーマ
松浦 真弓
中山大学
H.23.4.1~
H.23.6.30
中国内陸部における持続可能な観光開発モデル
楊 吟

成均館大学校

H.23.4.1~
H.23.6.30
日本語と中国語と韓国語の行為要求表現の対照研究
中島 恵

国立台湾大学

H23.10.8~
  H24.3.1
『ハリー・ポッター』の東アジアにおける受容に関する比較文化研究
趙 吴一

ソウル大学校

H.23.10.29~
  H24.7.29
Studie on Education Finance, Education and Labor Market in South Korea


平成23年度欧米プログラム(長期派遣者)
氏 名
派遣先大学
派遣期間
研究テーマ
小笠原 淳

国立パリ政治学院

H.23.4.1~
  H.23.5.1
中国新時期文学と台湾文学に見るモダニズムと都市
―白先勇、王蒙、高行健の小説テクストを中心に―
米沢 竜也

ワシントン大学

H.23.4.1~
  H.23.7.1
韓国における社会運動ネットワークと政治の相互関係
楊 吟

ワシントン大学

H23.11.12~
  H24.7.1
日本語・中国語・韓国語・英語の行動展開表現に関する対照研究
松浦 真弓

未定

未定 観光開発評価モデルの構築


平成23年度アジアプログラム(短期派遣者)
氏 名
派遣先大学
派遣期間
研究テーマ
藤岡 達磨

国立台湾大学

H.23.11.15~
  H.24.1.15
消費を通じた「共同性」
―台湾における夜市の社会的認識を事例に―
長澤 裕子

ソウル大学校

H23.1.8~
  H24.3.31
ソウル大学奎章閣と韓国文化財の返還交渉についての研究


平成23年度欧米プログラム(短期派遣者)
氏 名
派遣先大学
派遣期間
研究テーマ
伊賀 司

ロンドン大学
(SOAS)

H.23.10.31~
  H.24.1.31
アジア諸国の情報化と情報統制に関する比較研究
四方 俊裕

ワシントン大学

H.24.1.27~
  H.24.3.29
台湾の経済発展と米国の台湾と華僑・華人政策に関する考察