神戸大学大学院人文学研究科倫理創成プロジェクト

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アスベスト問題に関する聞き取り調査の趣旨

協力者各位

神戸大学文学部教授 松田 毅

平成18年9月

聞き取り調査に関する協力者へのお願い


趣旨:2005年6月に尼崎市の「クボタ」が旧神崎工場で働いていた従業員のアスベストが原因のガン、中皮腫による死亡を公表して以来、「石綿新法」(石綿被害者救済法)が制定、施行され、健康被害者や遺族への医療費、弔慰金などを給付する申請受付も2006年3月にスタートしましたが、この被害の実情についてはまだ未解明なところが非常に多いと思われます。中皮腫患者は工場周辺の住民に止まらないということも聞きます。現在、泉南地区の国家賠償を求めた訴訟も始まりました。

神戸大学大学院、倫理創成講座では、今年5月31日に「神戸大学倫理創成研究会」で「ノンアスベスト社会のために――人文科学の研究と教育の観点から」と題して、シンポジウムを開催し、あらためてこの問題の深刻さと重大性を認識しました。会では提題者として、奈良県立医大教授(産業疫学)の車谷典男、「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」関西支部世話人の古川和子、尼崎労働者安全衛生センター事務局長(患者支援団体)飯田浩、尼崎市公害対策課参事(前尼崎市公害対策課長)巴貞行、そしてジャーナリストの粟野仁雄(『アスベスト禍――国家的不作為のツケ』(集英社新書2006年著者)の各氏をお呼びし、お話しをうかがい、活発な議論が行われました。

私は被害者や支援者の方から直接にお話しをうかがい、学ぶことで、「日本産業史上最大の産業災害」とも評される「アスベスト」問題の本質と深層とに少しでも近づけたらと考えております。またそうした声を公表し、社会に知らせることで、今後の補償や諸対策にも多少とも貢献できるものと信じております。さらに、直接にお話しをお聞きすることは、将来、我が国を背負う、若い学生や院生にもきわめて貴重な経験となると思います。この趣旨をお汲み取りいただき、ご協力のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。

なお以下の点に留意いたします。