神戸大学文学部海港都市研究センターは、東アジアにおける人と文化の出会いと交流、対立と理解の仕方、そして新しい文化創造の可能性を改めて検討し、国民意識の分断的な壁を乗り越えて、緩やかな公共空間を構築していく条件とプロセスを解明すること目的としています。 海港都市研究センターは以下の活動を行います。
海港都市研究センターは以下の活動を行います。
2006年2月、韓国海洋大学の修士2年生の時、海港都市研究センターが主催した第1回「資料収集・研究交流会」に参加した。そこで資料収集の方法論を学ぶと共に日本をはじめ中国や台湾から若手研究者との研究交流を行うなど、研究の視野を広げる有益な時間となった。それがきっかけとなり、翌年4月神戸大学大学院人文学研究科の博士後期課程に入学し、近代における海港都市釜山の衛生政策をテーマとした研究に取組むようになった。さらに2008年11月、国際学術シンポジウム「東アジア海港都市の共生論理と文化交流」(於韓国海洋大学)には発表者として参加し、国籍や専攻を異にする研究者たちとお互いの研究内容を理解し合う意義深い経験ができた。現在、海港都市研究センターの学術推進研究員として、同センターが主催する様々な活動に関わっている。これまでの経験を活かし、より斬新で多様な視点を以て海港都市の地域性を探っていきたい。
本センターは、地域の歴史遺産の研究を活かし、自治体や住民団体等と連携して、地域の歴史文化を形成していく双方向型の事業を進めています。基本事業は、@自治体・地域住民と連携した自治体史編纂や地域歴史博物館形成事業、A自治体・NGOと協力による歴史資料の保全事業、B阪神・淡路大震災資料の保存活用事業、C歴史文化遺産活用機構の構築支援と人材育成事業、の四分野で進めています。これらの事業は、大学院生が研究や技能を実践的に深める教育の場ともなっており、本研究科と関係する3つの文科省教育改革プロジェクトで重要な位置を占めています。
2002年11月以来、神戸を中心とする文献資料所在確認調査などを担当してきた。2005年度からは灘区との連携事業も担当し、灘区役所や地元諸団体との連携のもと、2006年3月から4月にかけて本学百年会館展示ホールや灘区内の施設において展示会「篠原の昔と今―古文書と古写真―」を開催した。灘区内篠原地区に伝わった古文書や古写真の展示を通して、地元の方々に自ら住む地域における中世以来の歴史の一端を知っていただくことができた。これらの活動によって文系分野における地域連携の一つのあり方を示せたのではないかと考えている。
倫理創成プロジェクトは、「リスク社会の倫理システム構築」と「多文化共生の倫理システム構築」という二つの柱のもと、グローバル化と科学技術の時代における価値規範の諸問題に取り組むために、哲学、倫理学、社会学、地理学、文学、心理学などの教員と大学院生が共同し、教育・研究・文化的活動を進めています。これらの課題の解決に人文学の観点や手法を活かし、持続可能な社会や多文化共生社会の創成に貢献したいと考えています。活動は、現在、学際的かつ国際的な広がりの中で、倫理や文化に関する幅広く、多様な問題について、内外の研究者、多様な専門家、市民団体とも連携しながら、推進されています。
発達科学部、経済学部と共同した学部の「持続可能な発展のための教育コース」、文部科学省大学院改革支援プログラムの一環でもある、大学院の倫理創成論の科目の企画・運営のほか、学術振興会の支援する、アスベスト問題に関する日仏共同研究なども行い、多彩な内容で公開の倫理創成研究会のようなアウトリーチ活動も行っています。これらの成果は、その一部が、院生、若手研究者、教員の投稿論文を中心にした、研究紀要『21世紀倫理創成研究』で公表されています。
私は2008年10月以降、学術推進研究員として倫理創成プロジェクトの活動をさまざまな形でサポートする活動に従事しています。文献購読を中心とする従来の教育・研究スタイルでは対処しがたいデリケートな問題に関して、実際に現場を訪れることで現状をつぶさに把握し、さらには他分野の研究者との連携を積極的に取り入れることで問題解決への歩みを進めるアクション・リサーチや、哲学・倫理学以外の分野からの研究者による論文を多く含む学術雑誌『21世紀倫理創成研究』の刊行などといったプロジェクトの活動に関わることで、私自身人文学の持つ潜在力を実感させられる機会は少なくありません。また、大学院生・学部生の精力的な授業参加の姿勢には大いに啓発されるだけでなく、豊かな知的刺激を受けています。こうしたプロジェクトの活動を通じて、各人が自分の研究関心を深めつつ拡げ、より充実した研究生活を送ることができるようになるものと願っています。
日本語日本文化教育インスティテュート(Institute for Japanese Studies、以下IJS)は、それぞれの院生が所属する教育研究分野を出発点として、日本語日本文化教育に応用するという目的で人文学研究科に設定された日本語日本文化教育プログラムを運営しています。これは一般的な日本語日本文化教育に加えて、それぞれの院生の専門を生かして人文学の特定分野につながった日本語や日本文化研究という高度な教育を行うことが出来る人材を育成することを狙いとしています。
現在IJSでは、上級の日本語能力を有する外国人留学生が人文科学系論文の作成にあたり抱えている困難を解消するための理論的枠組みの構築を目指し、日本語アカデミックライティングの共同研究プロジェクトを進めています。このプロジェクトでは、大学院レベルでのより効果的な論文指導を実現するための『人文科学系論文作成ハンドブック』の作成を目標としています。
『海港都市研究』は海港都市研究センターの研究紀要として、2006年3月の創刊号以来、毎年1号発行されています。海港都市に関する研究や海港都市をフィールドとした文学、歴史、社会等に関する研究のほか、国境を越えた異文化の交流が生み出す文化創成、社会ダイナミズムに関する様々な分野の研究成果を掲載しています。人文学研究科の教員、大学院生ばかりでなく、国内、国外の研究者からも広く投稿を受け付けています。とりわけ既刊号では大学院生をはじめとした内外の若手研究者による意欲的な研究成果を数多く掲載してきました。国際的な学術雑誌として、論文は原語で掲載することを原則としており、既刊号では日本語の他、中国語、韓国語、英語、イタリア語の論文を掲載しました。
『21世紀倫理創成論研究』は、2002年度に大学院文化学研究科の改組に際して先端的学際領域として新設された「倫理創成論講座」の最新の研究動向をお伝えする刊行物『倫理創成ニューズレター』を前身とするものです。このニューズレターは第5号まで刊行されましたが、2007年度の人文学研究科への大学院改組に際して「倫理創成論講座」が「倫理創成プロジェクト」に衣替えしたことにともない、ニューズレターを発展的に継承する査読つきの学術雑誌として出発し、2010年3月に第3号を刊行しています。多様な執筆者から投稿をいただき、研究活動の成果を公開すると同時に、現代社会の倫理や価値規範に関連ある人文学的研究の新しい領域を切り開くことを目指し、広く大学院生や若手研究者にも門戸を開き、意欲的な論考を募集しています。