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最近の著作から 2003年度

文学部広報誌『文学部だより』の「最近の著作から」欄から文学部教員の著作を紹介します。

これまでの著作紹介

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2003年

『ライプニッツの認識論―懐疑主義との対決―』 松田 毅

『ライプニッツの認識論―懐疑主義との対決―』 松田 毅

この著作で私が試みたことは、「モナド」、「予定調和」などで知られるライプニッツの哲学を「認識論」として読解することです。二〇世紀のライプニッツ解釈は「論理学」を中心に動いてきた歴史がありますが、これまで見逃されていた切り口を設定したわけです。本書が西洋の精神史研究への刺激になると同時に、知識に関する哲学の「永遠の問い」へのささやかな橋渡しとなることを願っています。(なおこの著作は、日本学術振興会、平成15年度科学研究費補助金、研究成果公開促進費による出版です。)

2003年12月 創文社 5775円

『シリーズ 世界の社会学・日本の社会学 費孝通―民族自省の社会学』 佐々木 衞

『シリーズ 世界の社会学・日本の社会学 費孝通―民族自省の社会学』 佐々木 衞

本書は、アジアを代表する社会学者である費孝通の理論構築と実践の営為を論じたものである。費孝通は革命以前の混迷期、社会主義革命とこれに続く文革時代、そしてめざましい経済的発展を見せた80/90年代と、60年間にわたって激動する中国社会を実践的に解読した。本書は、費孝通の学的営為と実践を、マリノフスキーの機能主義人類学、アメリカの文化人類学とシカゴ社会学の継承と批判の中に検証している。

2003年10月 東信堂 1890円

『バロック美術の成立 世界史リブレット』 宮下 規久朗

『バロック美術の成立 世界史リブレット』 宮下 規久朗

ルネサンスのヒューマニズムと合理主義を経た16、17世紀の芸術家たちは、さらなる美の追求に何を求めたのか。バロック美術の生成から終焉にいたる過程を説き明かす、単なる概説を越えた画期的な書である(以上、出版社による紹介文)。ある同業者が、「宮下規久朗への最適の入門書」と評してくれたのが嬉しかったです。

2003年10月 山川出版社 765円

『認知意味論』(シリーズ認知言語学入門 第3巻) 松本 曜(編)

『認知意味論』(シリーズ認知言語学入門 第3巻) 松本 曜(編)

言語の意味の問題を人間の世界認識の問題としてとらえる「認知意味論」を概観する。プロトタイプ、フレーム、イメージスキーマなどの概念を用いた語の意味論、メタファー、メトニミーなどに基づく意味の拡張と語の多義性、認知意味論的メタファー論、語の意味の普遍性と相対性などの問題を論じている。1章、2章、及び6章の一部を松本が執筆。

2003年7月 大修館書店 2520円

『ポストモダン地理学』 エドワード W.ソジヤ著:大城 直樹、その他訳

『ポストモダン地理学』 エドワード W.ソジヤ著:大城 直樹、その他訳

1989年に出版され今日の人文・社会科学における「空間論的転回」の契機となった本書を昨年ようやく翻訳出版いたしました。フランスの哲学者(ルフェーブル、プーランザス、フーコー)らの空間論を丹念にたどり直す議論は、わたしが所属する地理学のみならず都市社会学や文化・都市研究にも大きな刺激を与えることと思います。

2003年6月 青土社 4410円

『類別詞の対照』(シリーズ言語対照3) 西光 義弘・水口 志乃扶(編)

『類別詞の対照』(シリーズ言語対照3) 西光 義弘・水口 志乃扶(編)

編者の一人である西光は、長年日英語対照を研究テーマとしていました。その中で従来日本語と英語だけを比較対照することによって、ともすれば日本語と英語が両極に分かれた特質を持つと見がちであることに、うすうす疑問を感じていました。世界の言語における相対的な日本語と英語の占める位置を確かめれば、必ずしも英語と日本語が両極端に位置しているということはいえないのではないでしょうか。そこで言語類型論的な研究を行わなければならないと感じていました。幸い神戸大学の大学院には各国からの留学生と諸外国語を専門とする日本人の院生が多く在籍しています。そこで西光ゼミでは、3年くらい、あるテーマを一貫して追求するシステムをとることにしました。

その最初の課題として選んだのが類別詞でした。本書は全体の序論および理論的な考察を行っている第1部。日本語の類別詞を認知意味論に基づいて考察した第2部。ビルマ語とネウール語の類別詞を考察した第3部よりなっています。

2003年7月 大修館書店 2520円

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