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神戸オックスフォード日本学プログラム(KOJSP)九期生の修了式を開催しました

2021.09.03

2021年8月10日、神戸オックスフォード日本学プログラム(KOJSP)第9期生の修了発表会を開催し、また翌11日には同修了式を開催しました。

オックスフォード大学東洋学部で日本学を専攻する学部2年生は、神戸に10ヶ月滞在し、神戸大学においてKOJSPを受講することになっています。第9期生については残念ながら新型コロナ感染症拡大の影響により来日がかなわず、「見なし留学」という形でプログラムを実施することになりました。神戸大学で提供される日本語や専門の授業を、学生たちはそれぞれ英国または各々の母国からオンライン(リアルタイム及びオンデマンド)で受講しました。昨年2020年10月1日以来、彼らは授業やオンライン交流会などの機会を通じて日本語の技量を磨き、日本の文化や社会、政治などに関する理解を少しずつ深めていきました。今回実施された修了発表会は、およそ10ヶ月にわたる留学の総決算に位置付けられるもので、例年、KOJSP生が研鑽の成果を学内外の多くの方々に披露する機会となっていました。今回は、昨年と同じくインターネット会議システムを用いたオンラインでの開催ということにはなりましたが、日欧の時差による問題や機器のトラブルもなく、無事に開催することができました。

この発表のため、KOJSP生はそれぞれ自分が選んだテーマについて、教員たちの指導・助言も受けながら自分自身で調査を進めてきました。研究テーマは「『江戸の遺伝子』についての一考察 」「刺青文化について」「日本のお菓子とグローバリゼーションについて 」「ウィアブー(Weeaboo)現象について−日本文化の商品化−」「高齢化社会:前途と対策」「日本文化における司馬江漢の影響」「日本語の高低アクセント」と実に多様でした。今回は、日本の歴史や文化、言語、社会など、きわめて文学部らしいテーマが多く、他方で、例年見たれる日本の政治や経済、あるいは国際問題といったテーマが少ないという印象を受けました。

練習の成果もあり、報告はアカデミックな場にふさわしい日本語で発表されました。またスライド資料も日本語で制作されており、若者らしく視覚的効果を巧みに凝らしたものばかりでした(オンライン授業がもたらした副産物でもあるかもしれません)。発表後には質疑応答が行われましたが、質問の日本語もおよそ正しく理解し、臨機応変に日本語で対応していたのがとても印象的でした。オンライン会議にはオックスフォード大学東洋学部の教員や神戸大学の教職員、学生、文窓会(同窓会)の方々などが参加してくださり、学生たちの報告に熱心に耳を傾けてくださいました。

翌日に行われた修了式では藤澤正人学長、大村直人理事、長坂一郎文学部長、オックスフォード大学東洋学部日本語教育担当萩原順子先生、オックスフォード大学日本事務所代表アリソン・ビール氏、武藤美也子文窓会会長から修了生に祝福の言葉をいただきました。修了証書は手渡すことができなかったため、文学部長が一人一人の証書を読み上げ、後日、現物を郵送することとなりました。KOJSP生からは、代表してジョナサン・フッガーさんが感謝の言葉を述べ、滞りなく修了式を終えることができました。

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